ロックとギリシャ神話その2 「アキレス最後の戦い」レッドツェッペリン

私がアキレスだとするならば、戦友である親友の名はパトロクロスです。
10年ものにらみ合いが続いたトロイヤ戦争の出来事です

アキレスはギリシャ軍随一の武将であって、これまで多くの実績をあげてきました。しかし、トロイヤへの出兵が決まった時に出兵を頑なに拒みました。アキレスはその出生の時に「遠征先では命を落とす運命である」という予言を受けていたのです。しかしそんなことより、アキレスは総大将のアガメムノンの傲慢さに腹を立てていたからです。

ギリシャ軍はアキレス抜きでは士気が上がりません。
パトロクロスはアキレスに出陣の説得をします。それでも拒み続けるアキレスに対し、パトロクロスはアキレスの盾と鎧を借りてアキレスに扮して出陣します。

アキレスの突然の登場に士気の上がるギリシャ軍は初めのうちはトロイヤ軍を粉砕します。そこに、トロイヤの総大将ヘクトルが現れ、アキレスと思い込んだパトロクロスとの一騎打ちになります。パトロクロスは恐怖を覚えますが、勇気を振り絞ってアキレスになりきり受けて立ちます。しかし無残に打ち果ててしまいます。これで今度はギリシャ軍は総崩れになってしまいます。その知らせを受けたアキレスは、即座に敵の総大将ヘクトルを探し出して復讐をしようとに立ち上がるのです。予言のことなどわすれていました。

これがアキレス最後の戦いです。

映画トロイでは、ブラビがクールなアキレスを演じました。その映画ではパトクロスはまだ経験のないアキレスの門下生とされて無断でアキレウスの武具を着てヘクトルと一騎打ちになりますが、原作は親友でアキレスも承知の上でパロとクロスが武具を浸かっています。
また映画では、これが最後の戦いではなく、その後木馬の中に隠れてトロイに侵入して大暴れしますが、原作ではトロイの木馬には乗っていません。

ZEPの曲はプレゼンスの1曲めに収められてます。

ウィキなどの説明では、「ロバート・プラントが交通事故で車椅子になった時に、再起をかける自分の姿にあわせてイメージしたということで、英雄のアキレスは登場しない」と明記されていますが、そんなことはないと思います。

自分に代わって命を落とした友パトロクロスへの、アキレスの思いがこもった歌になっていると思います。

アキレス最後の戦い by ロバートプランド
It was an April morning
when they told us we should go
As I turn to you, you smiled at me
How could we say no?


戦いに行く時だと命令が出た時は
ある4月の朝のことだった
振り返れば、お前は言った。微笑みを浮かべながら
「行かないなんてこと言うなよな」って

Oh, the fun to have
To live the dreams we always had
Oh, the songs to sing
When we at last return again

いつでも夢を見て楽しかったさ
(戦いから)無事に帰ってきては、
いっしょに歌も歌っものだ


Slipping off a glancing kiss
To those who claim they know
Below the streets that steam and hiss
The devil's in his hole

サクッと別れのキスを交わすんだ
「灼熱と喧騒の行く手には
悪魔が口を開けてる」と言ってる奴らに


Oh, to sail away
To sandy lands and other days
Oh, to touch the dream
Hides inside and never seen, yeah


出陣だ船を出せ 
砂塵の地へと、また続く日々へと、夢を手繰って、
(不安など)胸に秘めて、決して見せずに

間奏

Into the sun, the south, the north
At last the birds have flown
The shackles of commitment fell
In pieces on the ground

灼熱の元へ、南へ、北へと
ついに鳥は飛び立って行った
不戦の公約は破棄され地に落ちた

Oh, to ride the wind
To tread the air above the din
Oh, to laugh aloud
Dancing as we fought the crowds, yeah

風に乗れ
喧騒をまたいで空を駆けろ、
高らかな笑いへと
軍勢とまみれて踊るかの如くに

To seek the man whose pointing hand
The giant step unfolds
With guidance from the curving path
That churns up into stone

戦闘地点を指すヤツを探せ
それが大きな第一歩なのだ
右往左往するだけでは
墓石に刻まれるだけなのだ


If one bell should ring
In celebration for a king
So fast the heart should beat
As proud the head with heavy feet, yeah

もし、王を称える勝利の鐘がなるのなら
重い足取りでさえ、誇りで胸は高鳴るだろう

(ギター)

Days went by when you and I
Bathed in eternal summer's glow
As far away and distant
Our mutual child did grow

いつまでも続く夏の日差しを浴びて
俺たちの日々は過去と過ぎゆく
遠くふるさとではさぞ子らも大きくなったことだろう

Oh the sweet refrain
Soothes the soul and calms the pain
Oh Albion remains
Sleeping now to rise again

幸せだった過去を思い
魂を宥め、痛みを癒す
(幸いにも)祖国はまだ健在だ
今はただ眠る、再び震え立つために

Wandering and wandering
What place to rest the search?
The mighty arms of Atlas
Hold the heavens from the earth

彷徨い、彷徨い歩いて
探すところがまだ残っているのか
アトラスの無敵の腕よ
大地から天を支え続けたもうぞ

For the mighty arms of Atlas
Hold the heavens from the earth
From the earth

アトラスの無敵の腕よ
大地から天を支え続けたもうぞ


I know the way, know the way,

わかってる、わかってるんだ

Ah A Ah Ah A Ah

 

 

アトラスもギリシャ神話の古いギリシャの神で、あるバツを受けて長い間天を支え続けているのです。アキレスがアトラスに願うのは、天が落ちてきて世の中が終わらないように、つまり、戦争が終わってしまわないようにです。また、かたきのヘクトルを探し出しパトロクロスの仇を打つ前に、アキレスが予言どおりに戦死してしまわないようにです。

その後のアキレスですが、神話では敵の大将ヘクトルをついに探し出し、めった刺しにして復讐を果たします。それで終わればよかったのですが、それだけでは飽き足らず、ヘクトルの遺骸を戦車に引きずらせ冒涜しつくしました。さすがに仲間からもやりすぎだと諌められたアキレスは、トロイヤ王プリアモスの一言もあり、一旦鉾をおさめトロイヤへも謝罪をしようとするのですが、その際にヘクトルの弟のパリスの放つ矢がアキレスの唯一の弱点の踵を打ち抜きました。無敵のアキレスもこれであえなく命を落とすことになるのです。

そもそもトロイヤ戦争は、アキレスの両親の結婚式に投げ込まれた金のリンゴがそもそもの始まりで、トロイヤの王子パリスがりんごの所有者を巡ってある判断をしたことで巻き起こったことなのです。アキレスの出生の秘密と、パリスの物語はこの後のロックとギリシャ神話その3 その4に続きます

 

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