ロックとギリシャ神話 その3 アンブローシアとSTYX アキレス出生の秘密

トロイ戦争の遠因となった最悪の結婚式を終えたペレウスと海のニンフのテティスはまもなく一人の子を設けます。それがアキレスです。しかし、アキレスには「遠征した戦闘で命を落とす」という呪いがかけられていたのです。

それを恐れた、母のテティスは、生まれたばかりのアキレウスを不死身の身体にするために、神の食べ物であるアンブローシアを食べさせ、神の飲み物ネクター(不二家のあの濃い飲み物の名前の由来です)飲ませます。さらに不死身になれるという冥界のスティクス河で体を清めます。更にはケンタウロスの元で武術の修行を重ねることで、無敵のギリシャ随一の武将に育ちました。
ただし、一箇所だけ弱点があります。かかとです。スティクス河で体を清めた時に母のティティスは踵をもって水につけたため、踵だけが水に浸からずそこだけが無敵でなかったのです。これが現在弱点を表す言葉「アキレス腱」の由来です。

スティクス河は、兄ハデスの仕切る冥界に流れる河で、日本で言えば「三途の河」です。その支流にはアケイア川があってこれを渡るには、日本と同じ様に船頭であるに金を渡さねばなりません。「三途の河も金次第」は古今東西かわらいものです。

今回はこの話の中に出てくるそのスティクスと神の食べ物アンブローシアという名前を持ったバンドを紹介します。どちらのバンドも70年代にアメリカンハードプログレバンドとしてデビューしましたが、80年代にAORに転身して大ヒットを飛ばしました。

 

STYX

デビューアルバムのジャケットには、冥界の地獄絵図が書かれていて、それはそれは恐ろしいものでした。1曲めはなんと13分以上もあるプログレまがいのものでした。

それが、70年代末から80年代には小洒落たバンドに転身して大成功を収めます。

大ヒット曲は The best of times

こんな歌詞です。

Tonight's the night we'll make history
Honey, you and I
And I'll take any risk
To tie back the hands of time
And stay with you here tonight

今夜こそ 僕らが歴史を作る時
君と僕とで
僕は時の流れを止めて
どんな危険をも犯してさえも
今夜、君のそばにいる

The best of times are when I'm alone with you
Some rain some shine
We'll make this a world for two

僕には二人っきりできる時が最高の時間
晴れの日も雨の日もあるだろうけど
僕らで二人の世界にしようよ


極めつけは、DOMOARIGATO MR ROBOTでしょう

 

 

アンブローシア
こちらもデビュー(1975)には、プログレの大御所アラン・パーソンズがエンジニアに加わって、SF作家のカートボネガットジュニアを取り上げるなど、かなりな野心作でした。その名に恥じずにスピリチュアルなジャケットです

それが80年代になると、ポップなAOR路線に変更になります。

そして大ヒット曲はこの曲 Biggest Part of Me

 

 

両グループとも、今でも活動いるとのことで不死身ですね。きっと踵の先までスティクス河に浸かったのでしょう。

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