名曲紹介「さらばシベリア鉄道」のさらなる妄想

「さらばシベリア鉄道」の妄想は続きます。

「さらばシベリア活動」の謎の記事、解決解釈の記事を先にお読みください。

前回までの解釈を繰り返せばこうです

1、彼がモスクワにいる
2、彼女は不意に日本から飛び出し、彼の居る北の空を追いかけ、ナホトカを経てシベリヤ鉄道で彼を追いかけてきている
3、彼女は自分の哀しみの裏側が彼への愛であることだとは自覚できていない。
4、悲しみや怒りの感情を、シベリア鉄道の途中駅から彼に手紙を出した
5、手紙は一足先にモスクワの彼のところに届く
4、彼は彼女の手紙を受け取ってその消印から、シベリア鉄道で追いかけてくるのを知る。
5、その手紙から彼は、彼女が本気で自分のことを愛していたのだという真実を知る
6、「いつまでも待っている」と伝えたい

これで解決ですが、妄想はどんどん膨らみます。

彼はどうしてモスクワにいて、なぜ一人で別れを決めてモスククワに行かねばならなかったのか?日本での2人の関係はどうだったのか?お互いに意識していても、気持ちを打ち明けられない事情があったのでしょう。彼の境遇に秘密があったのかもしれませんし。もしくは、もう一人鍵を握る男がいて、どうにもならない三角関係にあったのかもしれません。もしくはその両方だろうと思われてなりません。

まず考えねばならないのが時代背景です。この曲が描かれたのは1983年です。当時は冷戦末期に当たり、一時のデタント路線から、アフガン侵攻を境に米ソ、日ソ関係も悪くなっていて、モスクワやソ連内は危険な状況にあったのです。ざっと年表を紐解いています。まだゴルバチョフによるペテストロイカ、グラスノスチは先のことになります。

79年 ソ連のアフガン侵攻
80年 モスクワ五輪を西側がボイコット
アメリカでレーガン大統領就任 「悪の帝国」発言
80年 ゴズロフ事件 防衛庁の機密文書漏洩
82年 ブレジネフ書記長死亡 アンドロポフ就任
82年 KGBのレフチェンコ事件発覚 米議会で日本人工作員の存在を暴露
83年 大韓航空機追撃事件 日本人28名含む269名死亡
84年 アンドロポフ死去、チェルネンコ就任
84年 ロス五輪をソ連がボイコット
85年 スティングが「ロシアン」を発表
85年 チェルネンコ死去 ゴルバチョフ就任
86年 チェルノブイリ原発事故

ロシア工作員の日本でのスパイ事件が問題視されていました。

こうすると、彼はKGBの組織に関わっていて、日本で工作活動を行っており、身の危険があったので、秘密裏にソ連に亡命しているのでは、と考えられます。彼女にもそんなことは話すことはできず、急に彼女の前から姿を消したのでしょう。その態度が彼女には「あなたほど冷ややかな人はいない」と捉えらててしまったのでしょう。彼は日本からロシアに亡命できたのでしょうが、次の任務がかなり命の危険があるのかもしれません。アフガニスタンでの工作活動かもしれません。そうしたら、彼女からの手紙を受け取って、任務を蹴って組織を離れて、彼女の到着をまって潜伏しようと考えているでしょう。それは日本からだけではなく組織からも命を狙われることを意味しています。まさに死へ直面しているのです。

こう思うと、彼女のシベリア鉄道での追跡劇は切迫しています。この時期、ロシア国内にも様々な不穏な空気が淀んでいます。彼女の身も危険です。「12月の旅人」からは、もう跡がないより切羽詰まった旅人のイメージが鮮明に浮かび上がります。この後2人は落ち合うことができたのでしょうか。

またこの曲かからは、日本にいるもう一人の男の存在が考えられます。

彼女に対し「誰でも心に冬を持っている」なんて吹き込んでしまう、したたかさのある男です。

その男は学生時代からの彼の親友であり、彼女を含め3人は学生時代をそもに過ごした友達関係であったとしたら。そしてその男は彼と全く正反対の性格で外向的であり、やはり彼女の事を好きであってすでに口に出して求愛している、そして不条理にも、その男は今は日本政府の職員で「彼」の諜報活動の対象の一人になっていたとしたらどうでしょう。彼の素性はよくは知らないのかもしれないが、薄々感じていたでしょう。

秘密は明かすことができず、彼女の真意も読み取れずに、彼女をその男に押しつけ、身を引くことにした「彼」の心中は察するものがあるでしょう。

しかし、今は違います。「不意に愛の意味を知って」しまったからです。

この頃、今のプーチン大統領は、まだ大学を卒業してすぐKGBの職員になって8年目。KEGの諜報員のエリートとして、様々な諜報活動に携わって、次々に実績をあげ頭角を現し始めた頃です。同じく有能な諜報部員である「彼」とは同世代になり、若きプーチン大統領ともなんらかの接点があったに違いありません。

そして、妄想はいきなり現在に飛びます。

プーチンはすでに大統領となり、冷戦終結後も西の驚異に過敏でついにウクライナへ侵攻し戦争を始めています。「彼」は冷戦終結でKGBからは足を洗う頃ができたのでしょうか、彼女とはその後どうなったのかはわかりません(多分なんらかの悲劇に終わった可能性が高い)。彼はしぶとく生き延びて、ウクライナに潜伏していて、憤りを感じてパルチザンとして「プーチン暗殺」などを計画しているのかもしれません。

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