1月5日 高校ラグビー 準決勝 結果

常連校の中にただ一高残っている国学院栃木が初めての4強入りでそのまま決勝までコマをすすめるという偉業を達成しました。

以前も書きましたが、高校ラグビーのスタンダードが確実に上がっています。グランドの横幅いっぱいにボールがよく動くし、ディフェンスを整えるのもものすごく早い。

第一試合  東海大仰星 東福岡 42−22

昨年度の伝説の引き分け試合の再戦となり、熱戦接戦が予想されました。しかし、いきなり終わってみれば結構な大差になりました。

キックオフからヒガシのワイド攻撃が炸裂して先制トライ、さらにモールからもトライして0−10とリードします。しかしヒガシのミスから仰星はターンオーバーし、2トライを返して14−10逆転して前半終了です。トライ数はおなじでもキックの差で4点の差になっています。

後半の連続トライで26−10と引き離します

ヒガシは、自陣のオクからキックを使わず、得意のワイドな連続攻撃をしかけまます。しかし仰星もそれに必死で対抗するために、ボールはグランドの端から端までなんども往復します。ヒガシはミスなく苦労して22mを脱出、また苦労して、ハーフフェイを超えます。惚れ惚れするような見事な攻撃、また穴の空きにくいディフェンスの我慢比べです。なかなかトライには繋がりません。これがなんども続きます。時間が過ぎていきます。
結局ヒガシがトライをとれたのラインアウトからのモールとは楢本くん(来年は筑波?)のインターセプトからのトライでした。

仰星はすごいスピードで飛び込んでくる松沼くんの2つのトライがいいところで決まって開いた得点差を維持したことが試合を決定づけました。

第二試合 桐蔭 国外君栃木 21−10

桐蔭は先制されて、加点され引き離されて、ミスも重なり、自分たちのゲームにできないまま時間だけが過ぎていくことになりました。後半桐蔭はアドバンテージをもらっても、そのまま継続して何度もアタックをくりかえすことが、かえって時間をつかってしまうことになり、どんどん苦しくなります。

これまでの花園での桐蔭の印象からは考えらねばいようなミスが、重要な場面ででてしまうあたりは、やはり連戦の疲れもあるのでしょうか?それともこれは、コロナ禍によるいつもと違う練習環境のボディーブローなのでしょうか?

国栃は魅力あるチームです。プレースキッカー、タックラー、ボールハンダー、キャリアー、ペネトレーター、スクラム、そしてベンチでも統率力も持ったキャプテンなど、それぞれが個性的で得意技をもったメンバーが完璧に噛み合っています。さらに、まったくパズルのようです。高校代表クラスの突出した選手でなくても、それぞれが役目を果たせばチームの力が何倍にもなるという、いい見本のようなチームです。
反則やミスが出ることはありますが、ミスの出た時間帯によって助かったり、その後のプレーでリカバーしてミスも致命傷になりません。

しかし、そのパズルがうまくはまっている今までのようなゲーム運びが、何度も繰り返してできるとは限らないものです。ひとつ歯車が狂った場合にそれを元に戻す力まで備わっているかが問われます。例えば先制を許してしまった時、ミスが続いてしまった時などです。

久保さんのレフリングはメリハリがあって非常にわかりやすかったです。さすがワールドクラス、WC仕込です。

このゲームアドバンテージ後のプレー選択について考えさせられました。アドバンテージ後連続プレーを継続しても、トライにつながらなければ、時間だけが過ぎていきます。特に得点差のあるビハインドの後半などは難しい選択です。最初の国栃のトライように、一か八かのキックパスをつかって、だめでもPKをもらうようなプレーの選択のほうが有効に思えます。PGでじわじわ追いついていくほうが怖いときもあります。しかし、勝負はそうなのでしょうけど、ラグビーとして見ていてもやっていても、面白いのはどちらかといえば、継続してプレーを続けたほうだと思います。
ワールドクラスではキックパスなどが当たり前になっている中、今年の高校生の選択によってラグビーというものを考える切っ掛けをもらったように感じます。

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