高校ラグビー 県立浦和高校について

浦和高校は有数な進学校で知られるが、学校全体がラグビー部みたいな学校である。

ラグビーもボールを前に投げられないなど不条理なスポーツだが、県立浦和高校も全くのところ不条理な学校である。

「雨天決行」このフットボール特有の不文の掟は、浦和では全ての学校行事に当てはまる。歓迎マラソン大会、スポーツ大会、文化祭や後夜祭、約70kを走破する強歩大会(通称古賀マラ)など体育系の屋外での伝統行事がたくさんあるが、すべて天候が理由で中止になることはない。むしろ雨が歓迎される校風である。これはラグビーと同じである。

学業オンリーは全くもって歓迎されない。文武両道を表す「尚文昌武(ショウブンショウブ)」これが校是となっている。二兎を追うでだけなく、三兎を追えと指導される。三兎とは学校行事、部活動そして学業である。部活動や学校行事は全員参加。部活動は運動部への加入がほとんどがが、クイズ研究会などは日テレの大会で全国制覇の実績がある。

毎年12月に全校クラス対抗ラグビー大会がある。ラグビー部員は出場できなく、自分のクラスの指導に当たる。教員チームも毎回猛練習で本気で牙をむいてくる。教員チームには教員を目指す実習生も加わる。センター試験を翌月に控える3年生も全員参加である。他校の例に漏れずグランドは土であり、その上で全員が本気でラグビーを行うので、どうしてもけが人も出てしまう。毎年何名かが松葉杖をついてのセンター試験の受験を強いられる。

また、6月の体育祭では「ウラタマ」という入ったばかりの1年生対象の伝統競技が行われる。1年生全員100名近くが、上半身裸でヘッドキャップだけをかぶり一同に参加する。校庭にばらまかれた無数のラグビーボールを自分の陣地に多く確保した方が勝ちという、単純で明快で、考えようによっては少し危険な競技である。その日には校庭の脇の道路に、前もって救急車が2−3台待機しているのは言うまでもない。

つまり、在学生全員(教員も全員?)が自分のヘッドキャップを持っており、全員がラグビーを行う。もちろん正規の体育の授業ではラグビーが行われる。

ラグビー部はほとんどが高校から始める者ばかりである。それでも毎年埼玉では上位に進出するまで成長する。しかし、これまで花園出場の壁に幾度となく跳ね返されていきた。花園出場は50年を越す長い歴史の中でもこれまで3度だけである。決勝の行われる熊谷ラグビー場第一グランドには全校生徒が応援に行く。受験勉強は個人技でなく団体競技であるとされる。ラグビー部が上位進出できた年はなぜが進学率も高い。ラグビー部の勇姿を目撃することで、勉学への励みが加速するのだという。

そうは言っても、流石にラグビー部員は現役での難関校入学は至難の技である。今年のキャプテンの松永君。第一志望は早稲田だそうだ。2020年の元旦、花園で戦った相手チームには、幼少からワセダクラブ一緒にラグビーをした幼馴染もいる。さらに相手の高校代表のハーフ陣は2人とも、すでに早稲田への推薦入学が決まっている。松永君も是非とも早稲田合格を果たし、今後もラグビーを続けてもらいたい。

 

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