名曲紹介 7月3日の歌 テンプテーションズ 「パパ ワズ ローリングストーン」

今日は7月3日です。明日が7月4日アメリカ合衆国の独立記念日です。

7月3日といえば、この曲を思い出しました。

テンプテーションズの「パパ ワズ ローリングストーン」です

クールなアレンジです。ハイハットとシンプルなベースに少しミュート気味のトランペットとストリングスが絡みます。ギターもワウペダルを効かせています。
元の曲は11分もの長さになります。

こちかの映像はソウルトレインからでしょうか?
フリの方もなかなかクールです。

パパはローリングストーンでした。と言ってもミックジャガーの息子の歌ではありません。

有名な話ですが「A rolling stone gathers no moss=転がる石は苔むさない。」からきています。
いい意味では、「活動している人は老けない。」となりますが
もう一つ「住所不定で定職につかない=風来坊」の意味もあります。

(日本でも君が代の「さざれ石の苔むすまで」も似た様な意味で使われています。こちらは「小さな石が長い年月をかけて固まって大きな岩になって、そこに苔が生える」という「悠久」の意味合いの比喩になっています。)

It was the third of September.
That day I’ll always remember, yes I will.
‘Cause that was the day that my daddy died.
I never got a chance to see him.
Never heard nothing but bad things about him.
Mama, I’m depending on you, tell me the truth.

そいつは7月3日のことだった
いつでも覚えてるよ、そりゃそうさ
その日はパパの命日なんだ
パパには会う機会はなかったし
悪い噂しか聞いたことがなかった

ママ、お願い
本当の事を聞かせてよ

And Mama just hung her head and said,
“Son, Papa was a rolling stone.
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”
“Papa was a rolling stone, my son.
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”

するとママは、うなだれて、こう言った。
「パパは風来坊だったのよ。帽子を置いたところが家になるのよ。
(死んだ時に)彼が残したのは寂しさだけ」

Well, well.

Hey Mama, is it true what they say,
that Papa never worked a day in his life?
And Mama, bad talk going around town
saying that Papa had three outside children and another wife.
And that ain’t right.
Head some talk about Papa doing some store front preaching.
Talking about saving souls and all the time leeching.
Dealing in debt and stealing in the name of the Lord.

「ママ、パパは一日仕事をしていなかったって?
他に奥さんがいて三人も子供を持ってたって
本当なの?」
「パパが店先でなんかまくしたててたって
『魂の救済』とか、腰巾着だったとか
借金の他にも神を冒涜したせいだって」

Mama just hung her head and said,
“Papa was a rolling stone, my son.
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”
“Hey, Papa was a rolling stone.
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”

するとママは、うなだれて、こう言った。
「パパは風来坊だったのよ。帽子を置いたところが家になるのよ。
彼が残したのは寂しさだけよ」

Uh!

Hey Mama, I heard Papa call himself a jack of all trade.
Tell me is that what sent Papa to an early grave?
Folk say Papa would beg, borrow, steal to pay his bill.
Hey Mama, folk say that Papa was never much on thinking.
Spent most of his time chasing women and drinking.




「ママ、パパは自分のことをよろず屋だって言ってたって聞いたよ
どうしてパパが早死にしたんだか教えてよ」
「ちまたでは、パパは頼んで借りた金を返さないだって言ってるけど
パパはあまり考えないタチだったって」
「女を追っかけて、酒を飲むだけだったって」

Mama, I’m depending on you to tell me the truth. Mama looked up with a tear in her eye and said,

「ママ、頼むから本当の事を言って」
ママは涙を溜めて顔をあげ、そして言った

“Son, Papa was a rolling stone. (Well, well, well, well)
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”
“Papa was a rolling stone.
Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”

パパは風来坊だったのよ
帽子を置いたところが我が家になるのよ
(死んだ時に)私たちに残したものは寂しさだけよ

“I said, Papa was a rolling stone. Wherever he laid his hat was his home.
(And when he died) All he left us was ALONE.”

私はこう言った 

パパは風来坊だったんだ。帽子を置いたところが家だったんだ。そして死んだ時には寂しさだけを残したんだ

 

2番以降は、メインボーカルが次々と替わります。兄弟姉妹がたくさんいるのでしょう。お母さんは子供たちみんなから問い詰められます。ついに涙ぐんだお母さんです。でも言うことはいつも一緒です。

a jack of all trade は慣用句で「なんでも屋、よろず屋」の意味ですが、転じて「いろいろ手を出しては中途半端にしている」という意味に捉えられます。

leechとは吸血のヒルのことで、そこから血を吸い取る=高利貸や、くっついて離れない=腰巾着、取り巻き、動詞では食い物にする などの意味になります。(マイケルリーチのリーチとはスペルが違います。)

本当の意味、パパはどうして死んだのでしょう。まともな死に方ではなかったことは確実です。恨みを抱いた誰かに撃たれたとしか考えようがありません。自業自得です。しかし、自業自得と片付けてしまって良いのでしょうか?どうしてその様な生き方をしてしまったのかというところに、真の問題があるのではないかと思います。

60年代末期から70年代初頭、都市部での黒人の社会問題をテーマにした曲がたくさんできました。

シュープリームスはLOVE CHILDで私生児の問題を提言しました

スティービーワンダーは「Living for the City」でミシシッピーでの家族の暮らしから、ニューヨクに出て、辛い毎日をおくる人生を歌いました。

WARは The World Is a Ghettoこの世はどこもゲットーだと言い切ります。

 

スライは「Family Affair」で「結局は家族の問題」と指摘します。

 

マーヴィンゲイはWhats going onで 「この国はどうなってんだ」と言います。暴力ではなく話し合いや愛の力で解決すべきだと主張します。

 

2020年今現在、米国の黒人の逮捕騒動から始まった黒人の差別の問題が世界中でクローズアップされていますが、50年の間アメリカという国は根本は変わっていないかと感じます。

 

 

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