準々決勝 イングランドVS南ア レビュー

イングランドは強かだった。南アはそれを受け止めようとした。

なりふり構わぬイングランド、勝つための方策は一つしかなかった。ハイパントとキックの競り合い。反則を誘ってPGやDGで勝つ。最初からトライを取る来など全く無かった。しかもこの日マーカススミスに代わって、長身のスチュワートがFBに入った。この時点で覚悟は決まっていた。それは理にかなっている。南ア、14番アンゼは176cmコルビは171cm身長差は歴然である。PGの3点の積み重ねの勝負に持ち込むのだ。南アSOリボックのプレースキックは安定していない。3点つづの勝負ならばイングランドに分がある。緒戦のアルゼンチン戦をフォードの右足だけで勝ち抜いた成功体験は、イングランドのDNAを呼び起こした。

これがわかっていて、アンアのHCニナーバーはフランス戦とあえて同じメンバー構成で応じた。キックの名手、ポラードを22番、やはりボクスキックの名手、デクラークを21番に据えた。南アは通常ならば他のチームと違って3日前には発表するのに、今回の発表は他のチームと同様に48時間前であった。迷いがあったのは事実であろう。

南アはキック主体の3点つづの勝負に巻き込まれないように序盤で突き放す作戦であったはずである。しかし、ゲームが始まってしまうと、イングランドは徹底してSHミッシェルがキックをあげてくる。落下地点では長身のスチワートが絡んでくる。わかっていながらもそれに付き合ってしまう南ア、キックで蹴り返してしまうとそのボールはスチワートも胸にほとんど収まってしまう。ファンブルしたボールでさえ、7割以上はイングランドが確保できた。

反則がおこると徹底してファレルがPGを狙う。これはもう完全にイングランドのペースである。この真綿で締めていくようなイングランドの強かさは精神を蝕んでくる。手応えはあるのに点差だけが開いていく。時間がだけが過ぎていく。しかも、しかも負けている実感などないまま。

前半ファレルがPGを決め9−3となったとところで、ニナバーは動いた。リボックを諦め前半から早めにポラードを投入した。余裕などなかった苦しかった、こういったゲームをしてくるイングランドは危険である。ポラードは期待通りPGを決め9−6となった。しかし、ファレルも前半終了間際にPGを決め12−9。追いかけても追いつかない。後半開始直後にはデクラーク、ルルーも投入。デクラークの左足のキックの多彩なタイミングは微妙にイングランドのリズムを揺さぶる。しかし、ファレルはそれをあざ笑うかのようにDGも決め15−6と引き離す。しかしこの時点でのイングランドのメンバー交代により、イングランドの難攻不落の壁がほころびを見せ始める。ミッチェルからベテランのダニーケアSHの交代によって若干テンポが上がったのも、そのリズムを崩したと思う、そして、シンクラーやダンコールに代わったスクラムでは南アが有利になっていく。

しかし点差は15−6のままである。時間は刻々と過ぎていく。
残りは10分程度しかない。
しかしここでゆいつと言っていいチャンスが訪れる。ラインアウトから途中出場のスナイマンがタックルを受けながらスピードでねじ込んだ。ポラードが楽にきめ15−13となる。これでわからなくなった、反則をしたほうが負ける。

ハーフウェイ近くのスクラムでiイングランドがコラプシングこれでポラードが決め遂に逆転。
残り時間はすくないかがイングランドはキックを使えない。ボールを繋ぎFWで前進し、攻め込む、反則をもらうか、ドロップゴールの圏内まで相手陣に入り込めば、イングランドは再逆転できる。しかし、こで南アの緑の壁が立ちはだかった、前進を許さない。それでも執拗に意地で当たり続けるイングランド、押し返す南ア。最後はイングランドにハンドリングエラーが出たと同時にタイアップ。

なりふり構わぬイングランドをがっちり受け止め、一発のチャンスをものにして勝ち抜いた南アの底力の恐ろしさを見た。

イングランドは最悪の状態で大会に臨んだが、自らのちからの限界を知っており、昔ながらの戦い方に先祖返りしここまで来た。批判もあろうがこちらも相当なものである。恐れ入った。

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