準決勝プレビュー イングランドVS南アフリカ 

もう一試合の準決勝の記事にもかいたが、どこがでてもこの準決勝はプールAもしくはプールBから進出したチームが断然勝算が高い。

はっきり言って、イングランドは相手にめぐまれてここまで来たに過ぎないのだ。アイルランドやフランスのプールに入っていたら、プール戦で敗退していただろう。このゲームは南アが大差でイングランドを下すだろう。

それでは、イングランドの勝ち上がりを見てみよう

まずは大会に入る前が最低だった。エディさんの解任、ウェールズにも負け、ファレルのレッドが大問題に発展。アイルランドにホームで負け、フィジーにも初黒星をつけて、収集がつかなまま大会に突入した。

プール戦
第一戦 アルゼンチン
そんな中むかえた第一線。もちろん渦中のファレル主将は制裁中で不出場。アタックは単調でまったくトライの匂いがしない。しかもトムカリーのレッドで一時は13人になる始末。そんな中、急遽現れた救世主、フォード。神か、悪魔か、ものののけか。何かが乗り移ったように、フォードは無表情で淡々とドロップを決め続け、ノートライでアルゼンチンを下してしまった。

第二戦 日本
この日もジャパンがもう少しまともなディフェンスができていれば、イングランドは敗退するとことだった。スクラムもジャパンのほうが安定していた。パスミスのヘディングがトライにつながるという悪運もあり、ジャパンをかろうじて退けた。

第三戦 チリ
ファレルがスタンドオフに戻ったイングランドはネジを締め直し、初出場のチリをこれでもかと痛みつけ71−0の大差で下した。弱いものにはめっぽう強い。得意の弱いものいじめのイングランドだった。

第四戦 サモア
勢いの付いたサモアは手強い。すでに3勝をあげて、ノックアウトステージ進出を決めていたので緩んだのかもしれない。ファレルもウィルキンソンの得点記録をやぶったが、PGでのタイムオーバーの記録第一号となって3点を上乗せでいきなかった。結果は18−17でかろうじて切りぬけた。

準々決勝 フィジー戦
フィジーは今回は台風の目と目されたが、オーストラリアを破りながらも、こちらも台風の目となったポルトガルに負けるなど安定しない。プールCは拮抗していた。
イングランドはそのフィジーに14点差まで点を広げながら後半に2連続トライを奪われ同点においつかれてしまう。ファレルのなりふり構わないDGでやっとの勝利となった。

以上から見ると、イングランドの実力は、日本、アルゼンチン、サモア、フィジー、ウェールズ、ポルトガルなどと同じレベルなのに、僅差で悪運よく勝ち進んでいるだけにしか思えない。
残念ながら、スコットランド、アイルランド、トンガ、フランスとものすごいゲームをこなしてきた南アフリカの相手ではない。

スクラムで圧力を掛けられ、接点で反則を犯し、ラインアウトモールで得点をうばわれ、キックはコルビ、アレンゼの切り返しのスピードに翻弄されるであろう。苛ついたイングランドは反則を繰り返し、イエローも出るだろう。

ただ、南アフリカはメンバー構成や、戦術選択に相手チーム分析の「インテリジェンス」に頼るところが見られるのが心配である。冷静にイングランドを分析すれば、弱点だらけ、穴だらけ、になってしまい、取るべき戦術に迷いが出るのではないだろうか。
悪運強いイングランドにはそんな分析など全く当てにならない。ただただいつものラグビーをやれば良いだけなのだ。

イングランドが敗退となれば、3位決定戦はアルゼンチンとの再戦となる。因縁の戦いである。3位決定戦なのに今大会最大級の注目の一戦となる。

追記
メンバー発表

イングランドは、フィジー戦で脳震盪になったマーカススミスのかわりに本職のフレディスチワートがFBにかわっただけ

Jマーラー、Jジョージ、Dコール、Mイトジェ、Gマーチン、Cロウズ、Tカリー、Bアール
Aミッチェル、Oファレル、Eデイリー、Mツイランギ、Jマーチャン、Jメイ、Fスチワート
Tダン、Eゲンジ、Kシンクラー、Oチェサム、Bブニポラ、Dケア、Gフォード、Oローレンス

マーカススミスがいないだけで、大人しくなった印象である。

南アフリカはフランス戦と全く変わらない体制
キッゾフ、ムモナンビ、マルハーバ、エツベス、モスタート、コリシ、デュトイ、フェミュルーエン
ライナー、リボック、コルビ、ディアレンデ、クリエル、アレンゼ、ヴィレムセ
フォーリー、ニチェ、コッホ、スナイマン、Cスミス、デクラーク、ポラード、ルルー

デクラーク、ポラード、ルルーを控えに回す体制はフランス戦に特別なものかと思ったら、2試合連続で同じ体勢となった。つまり、インテリジェンスで同じ体勢の有効性を確認したのだろう。前半リードして後半閉める作戦だ。

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