有観客で国立競技場に正月のラグビーが戻ったこともあり、ラグビーファンとしては幸せな正月となりました。アルコールの持ち込み我慢は仕方がないところです。2試合ともラグビーの魅力が存分に出たゲームでした。正月らしく、トライも数多く出てお腹いっぱいに堪能しました。
第一試合はトライが多く出る展開、第二試合はスクラムとキックの精度が決め手になる接戦となるという、内容はほとんどプレビューで予想したとおりの結果になりました
第一試合 明治ー東海 36−24
前半明治石田の快足での連続トライなどで、ハーフタイムでは21−3と大量にリードします。ただし内容的、フィジカル的にはほとんどイーブンであり、これは後半は、双方トライの取り合いになるのではという戦前予想が当たるのではと思っていました。それもなんと後半に東海は3トライ連取で21−24とあっさり逆転してしまいます。この展開までは予想できませんでした。こうなると普通のチームは浮足立ってしまいます。しかし、明治は違いました。これを断ち切ったのはPGをねらった冷静な判断でした。ここで一度同点にしたことで明治は完全に流れを取り戻しました。36−24となってからもさらに冷静にPGで加点し15点差にすることでセーフティーにノーサイドを迎えることになりました。
第二試合帝京 京産 37−30
前半は、谷中選手の好走と華麗なパスで先制する帝京に、スーパーブーツ竹下の得意のPGで粘る京産という予想通りの展開です。2トライを取っても端っこなのでゴールが決まらない帝京に対し、ノートライなががPGを2本決めた京産は10−6と追いすがります。京産はボールも支配し、接点でもフィジカルで常に1歩前にであるなど負けていません。30分に縦攻撃にトライもとってあっさり逆転し、さらに前半終了間際にもトライをとって加点して10−23として前半を終了します。これまでスクラムはどっちが優勢とはわからないような判定が難しい攻防でした。
後半それを変えたのは選手層の厚さを誇る帝京の選手交代の采配です。京産もこの日2本目となるキャプテン平野がトライをとり、引き離そうとしますが、帝京はトンガタマ、2人の留学生の投入で圧力をまします。決め手になったのが60分ごろのキャプテン細木の投入です。これで落ち着いたスクラムで徐々に圧倒して、トライをもぎ取り、70分にはPGで加点し、30−30の同点になります。京産はこのままま終わればトライ数の差で決勝進出はかないません。焦ったのか反則が多くなり、ついにイエローカードも出てしまいました。最後は帝京がトライをとって37−30でノーサイドになりました。
京産は昨年の天理もそうだったように「イナタイ」ラグビーで実に好感がもてるチームでした。個性豊かな魅力的なメンバーを温和なキャプテンがリードします。ジャージもだいぶ昔の近鉄みたいで、今の時代では特にかっこよくはないけど、粘り強いラグビーを展開する魅力的なチームでした。
決勝戦展望
これで9日の決勝戦は明治ー帝京の対戦になりました。
明治は昨年は準決勝で天理に破れ、対抗戦では帝京にスクラムで圧倒され、早稲田にゲーム運びのまずさで勝てなかったのに、大学選手権で天理にリベンジ、早稲田にリベンジし、ついに決勝戦で帝京にリベンジする機会ができまそた。これで優勝できれば劇的な展開です。
明治の心配は石田くんの怪我で、アイシングをしていた姿は痛々しかったです。帝京の谷中(こちらも字が違いますが同じキッペーです)が調子良いので、ぜひとも石田くんも戻ってきてキッペー対決をみたいところです。帝京は細木キャプテンが先発できるかどうかも注目です。スクラムで帝京が圧倒できるか、明治が対策をたててきるのか見どころいっぱいです。