15日
トヨターパナソニック
いつもの静かな入りのパナソニックの入りと違って、深いキックオフリターンの左展開で、福岡が快速を生かし突破。野口のサポートもあり、福岡のトライが左隅に決まる。息も付かせぬ電光石火。今度はトヨタが直後のキックオフからパナのゴールラインに迫る。一度はトライチャンスを逃したが、その後の攻めでゴールラインを破る。双方ともド派手な幕開きであった。しかし、こういう入りはその後往々にして、尻つぼみになりがちになるものだ。しかし、尻つぼみになったのはパナソニックの方だけ、クボタの勢いはそのまま続き、右WTB高橋の連続トライで引き離す。二本ともトイメンの福岡を華麗にかわしてのトライであった。この時福岡は左目上を負傷しており、止血のバンテージが巻かれており、視野が狭くなっていたのかもしれない。前半17分時点で、既に3失トライと、ディフェンスに自身のあるパナソニックにはなかった状況になった。通常ならば、この時点で冷静さを失うところだ。ここでロビンディーンズは早くも最初のカードを切る、島根に替えて百戦錬磨の堀江の投入である。この采配は見事に当たる。チームは動揺するどころか相手反則を誘って、3本のp PGとDGで15−17と一時はゲームをひっくり返してしまう。その後トヨタがPGを決めて18−17で前半終了。
こうなればいつもの後半勝負もパナソニックの勝利の方程式。17分フルバックに入った山沢が20分にはいきなりトライし21−25と再逆転。松田のゴールも決まり21−27。風上のトヨタはキックを使って相手陣に入ろうとするが山沢がことごとく蹴り返すことで入ることができず、結局福岡の2トライを生み出し、引き離されての終了となった。
勝負を分けたのは前半17分の堀江の投入であるが、それらを可能にする選手層の厚さにあるのは間違いながい。この日の先発メンバーもキャプテンの坂手、dイジカルモンスターのベンガンター、トライゲッターの竹山を欠くのだが、全くその影響は見られない。
16日
サントリー クボタ
クボタは準々決勝の神戸戦はバーナードフォリーの退場で、十四人で50分以上も戦い、一度は逆転を許しながらも再逆転をしての勝利。フォーリーは今日も出場停止となってしまう。非常にタフな状況でこのゲームを迎えた。
対する、サントリーは前節のリコー戦の不戦勝で、休養は十分。
この辺の差が出てきてしまったようである。
クボタのアタックにスピードがない、キャッチャーが走り込まないでボールを回すだけなので、サントリーのディフェンスにことごとくつかまってしまい、ほとんど前進することができない。さらにはブレークダウンでのセカンドマンレーズにもことごとく遅れてしまい、どくこともできずにノットロールアウェイなどの反則をくりかえすだけ、その都度バレットがPGを決めて、徐々に得点が開いてしまう展開。得意のラインアウトでもクリーンにチャッチができずに得点のきっかけにすることもできない状況。(準々決勝のクボタの仲間を思う気持ちが前に出た戦いぶりに感動し、クボタにどうしても感情移入してしまう私にとっては非常にもどかしい結果でした)
クボタはほとんど勝負の決まった後半には、選手交代で一時スピードが戻ったがそれは後の祭り。サントリーゴール前でスクラムにこだわり、トライにも拘ったが結局ノートライに終わっての敗戦。結果は26−9。結局このゲーム、トライは前半のサントリー江見ちゃんトライ1本という。見どころの少ない地味なゲームになってしまった。(この地上波で初めてラグビーを見た人は、ラグビーは退屈だと誤解してしまわないか心配になりました。)
ボーデンバレットの華麗なパスやランを期待したファンにも残念な結果。けれどもこんな地味なキックを淡々とこなすだけ(と言っても珍しく外す場面もありましたが)のバレットも珍しいかも(無観客が影響しているか、バレットがいつものように楽しそうでないように見受けました)。ファンの見所といえばトライを生んだ12−13のループへのパスのタイミングと、いとも簡単に決めたドロップゴールの場面だけでした。
(NHKの紹介のテロップにキック回数が出るのですが、どうしてDGの回数がカウントにないっていない、というか表示もされないというのはいかがなものでしょう、24日の松田選手も珍しくDGを決めたのに残念です。)
(そしてもう一つ、日本のTMOがうまくいっていないわけは、レフリーがシステムを使い慣れていないだけでなく、圧倒的にカメラの数の足りなさに起因しているようです。3方向からの映像しかないのであれば、アングルの悪さも加わり、肝心な瞬間を捉えることは難しいように思えます、この改善も必要でしょう。)
決勝戦は秩父宮で今のところ観客を入れて行うことになっています。
出切れば双方のスター選手が活躍して、ど迫力のド派手な盛り上がるゲーム期待したいと思います。