熊本で行われた第二戦。
「着実に一歩前進、遅々とした強化も心配になる」
結果レビュー
オールブラックスXVは新たなプロップ陣を呼び寄せて試す布陣をしてきた。対するJAPANも稲垣、堀江を先発させて、ヴァルを控えにした布陣で迎え撃つ。はずだったが、ゲーム前のアクシデントなのか垣永が控えにはいった。嫌がおうにも焦点はスクラムになる。スクラムは前回の対戦でほぼ計算できているので、そのまま大きな問題はなかった。
しかし、この日のジャパンの課題そこだけではなく、明らかに、得点力不足=トライを取れるかどうかであった。不発に終わった第一線のままでは、一般のファンは遠のいていく、いろいろ課題はあるにせよ、日本代表として桜のジャージでの初戦である。勝敗も重要になる。特に先週から変わらないバック3にトライの期待がかかる。それをコントロールする李選手、中村選手の手腕も試された。
結果、前半からほとんど主導権を握り、李選手のゴールキックもパーフェクトで、中村選手のも周りを活かし、トライは松島がスコアし、マシレワは得意のポーズを2度披露することができた。得点力としては27点は及第点といえる。その上今回は、前回その片鱗をみせたが時間切れに終わった長田の動きが、存分に見れたのは朗報である。
今後の課題はディフェンスの連携にある。初戦同様、ABは自陣からでも仕掛けて2対1もしくはミスマッチのタイミングを逃さない、そして最適切なコースを走り、最も適切なコースでフォローが付き、最も適切なタイミングでパスを放つ。これは、南アに解消した本家のABと同様である。このような相手にはどうディフェンスをするのかは今後に課題が残された。RWCの相手では、チリ、イングランド、サモアはこんなに美味いカウンターの攻撃はないだろう。新生アルゼンチンなら有るかもしれない。残された課題ではあるが、ジャパンはとこの点の対策には敢えてまだ手をつけていない。優先順は低いということなんだと思う。これを克服できたかを判断するのは8月5日のフィジー戦となるだろう。すべて計画通りの想定内ということなのだろう。しかし、強化のスケジュール感は心配になる。もしかしたら、首脳陣はチームのピーキングを10月のアルゼンチン戦からその後のノックアウトステージに設定しているのか?まさかそんな余裕はないはずであり、初戦のチリ戦にピークを持っていくべきである。
もう一つの課題は、キャプテン問題でる。この日は先週のリーチにかわり、姫野がキャプテンになった。姫野はパッションでひっぱるタイプなので、チームに元気がでるのがよい。この日オールブラックスのメンバーはほぼ全員が媛野をいしきしていたが、しゃかりきにそれでも前にでる媛野のプレーは周りを元気に指せる。しかし、猫の目のようにキャプテンが代わるのはいかかがなものかと思う。やはりラブスカフニの復帰を待っているのであろうか?
その他氣になる点は下記に列挙するに留める
1)熊本でおこなわれたが客の入りがいま一つ
2)山中、ディアンズは良いにしても、木田やフィフィタを試す機会がまだない。
このままだと長田に決定が確実になる
3)ラピーなど怪我組の復帰戦をどこに設定しているのか
4)トライの取られる時間帯が悪い=ゲームの勝負どころのマネージメント、セイムピクチャーの形成に至っていない点、その時点で修正するのか。
次戦への期待
次節は札幌でのサモア戦。サモアはWCでの対戦相手だが、ジャパンはそれは関係なく着実に自分たちのか課題をスケジュールをこなすように淡々とゲームをおこなうだろう。コンタクトとブレークダウンと玉出しのテンポ、継続、キックの使い方などがテーマに上がると思われる。
サモアの実力は、やはり元オールブラックスのスター選手(ファウムイナ、ソポアンガ、ルアトゥア)を配しており、そしてリアリーファノ(AUS代表)も加わっている。フィジカルやフィットネスはこの日のABXVとほぼ同等みてよい。2015年2019年のWCで連勝した相手よりは数段実力はアップしている。