9月10日(日) D 日本ーチリ  トゥールーズ レビュー

1,日程、場所 

9月10日(日) D 日本ーチリ  トゥールーズ

2,事前予測

イングランド地盤沈下、サモアも絶好調のこのプール、抜け出すのは難しい。最終的には3チームが三つ巴で並ぶ可能性も高い。チリの弱点は組織的ディフェンスである。そうなると各チームはこのチリ戦でどれだけBPや得失点差をつけるのかが鍵になる。チリには大変失礼な言葉ながらチリ戦が「草刈り場」になってしまう可能性が高い。上位を目指すサモア、イングランド、アルゼンチン、ジャパン大量得点レーレースの勝負であるとも言える。

実ははじめにチリにあたるジャパンはこの大量得点レースには下記の通り不利である。

1)初戦による緊張感がありミスが多くなる
2)9月初旬は猛暑(36℃)でハンドリングエラーが多くなる
3)初戦のチリは気合やコンデションは最高の状態である
4)チリの弱点など研究がまだ十分にできていない

本当はトライをとられても50点は取って40点差といければミッション完遂。(イングランド、アルゼンチンはそれ以上の点差を上げる可能性が高い)。しかし、ジャパンのハンドリングエラーの課題は解消されず、それでもBP1を取り30−17程度で勝てれば初戦のジャパンは御の字といったところだろう。それ以上取れればジャパンは勢いがついた状態でイングランド戦を迎える

チリは1トライでもとればこれは歴史的ファーストトライである。そして2トライ以上をあげれば、このゲーム内容的にはチリラグビーの実質勝利と言って良い。

ジャパンは経験者を先発で多く使い、得点が開いた時点で生きの良い若手を投入し、スピードを上げミスを恐れず大量得点を狙いたい。

また、このゲームではチリラグビーのメンバーの名やその魅力を発見し、今後のチリ戦では全力でチリを応援するようにしたい。


3.プレビュー(メンバー発表後)

全くジョセフの考えていることは、尋常の者には理解できない。
特にバックスの人の使い方は一貫性があったのかなかったのか理解に苦しむ。
山中をはずした時点で松島をFBに固定すると決めたと思っていた。そしてSOとFBを兼ねる人材を投入するのではなかったか?今回松田先発だが、控えにSOに李の名はない。かわりに新しくレメキの名がある。レメキの復帰は嬉しく、もちろんNECでSOもやったことはあるが、いまさらかという感がある。SOで出るとなったら実践経験なくそれこそぶっつけ本番だ。(小倉は飼い殺しなのか)
12番は長田が控えで中村を入れるのは納得できる。やはり初戦ということで、ベテランを先発に使うのは大正解だと思う。長田にはある程度点差が開いてから十分に暴れ回ってもらおう。松島はWTGのほうがそのスピードを活かし力を発揮するのは誰もがわかっていた、やっと今回WTBだと思ったが、なんだい、マレシワと背番号を変えただけなのか?
李はイタリア戦でブレーキだったので、メンバー表に名がないのは単なるお仕置きなのか、信頼を失ったのか、その意味では松田も同罪であったはず。・

FWはほぼ予想どおりだが、先発に下川が入っているのが目を引く、大車輪だったファカタバも怪我で一旦落とされてもよく帰ってこれた。そして満を持して、ディアンズが控えからの登場となる。それにしてもコーネルセンは使いすぎではないのか、ロックのけが人が多いなか、コーネルセンの怪我が心配だ。

ジャパン
稲垣、坂手、具、コーネルセン、ファカタバ、リーチ、下川、姫野
流、松田、ナイカブラ、中村、ライリー、松島、マシレワ
堀江、ミラー、ヴァル、ディアンズ、斎藤、長田、レメキ

チリ
Jカラスコ、Dエスコバル、Mディダス、Cサーベドラ、Bアイシュマン、Bシグレン、Rマーテンズ、Aエスコバル、
Mトエアルバ、ロドリコフェルナンデス、Fヴェラルデ、Nガラフェリック、Dサーベドラ、Sビデラ、Iアジャルサ
Aボンヌ、Sヌエス、Iグルチェカ、Sウエテ、Sベトレオ、Iシバ、Lカルバロ、Jラレナス

3組の兄弟がいる。ロック、クレメンテとCTBドミンゴのサーベトラ兄弟は双子、フッカーのディエゴエスコバルとナンバー8のアルフォンソエスコバル、アルフォンソとニコラスのラガフィリック兄弟。この内今回はアルフォンソガラフィリックだけがメンバー外だ。
キーマンはスタンドオフのロドリコエスコバル、USA戦の雨の中の6人抜きトライはワールドラグビーのベストトライ賞をとっており、最近のゲームでもかならずトライを取っている。

 

 

4,結果

 

日本
前半 T G PG DG 得点 後半 T G PG DG 得点
2 2 0 0 14    4 4 0 0  28

得点 BP 勝点 累計勝点
42 1 5 5

チリ
前半 T G PG DG 得点 後半 T G PG DG 得点
1 1 0 0 7     1 0 0 0 5

得点 BP 勝点 累計勝点
12 0 0   0

5,レビュー

 

キャプテンの媛野の前日練習の怪我で急遽メンバーが変更になり、不安も膨らむ中でのキックオフとなった。
媛野の代わりにコーネルセンが8に下がり、ロックにはサウマキが入った。
キャプテンはバイスの流が行うことになった。

ジャパン
稲垣、坂手、具、サウマキ、ファカタバ、リーチ、下川、コーネルセン
流、松田、ナイカブラ、中村、ライリー、松島、マシレワ
堀江、ミラー、ヴァル、ディアンズ、福井、斎藤、長田、レメキ

このゲーム、ジャパンの最大の目的は、WCの初戦として、今後のWCの戦いに勢いをつけることに尽きた。結果はその意味では及第点といえる。
国内5連戦フル出場で活躍しながらも離脱したファカタバが復帰、素晴らし動きを動きを見せる。ディアンズなど実践に戻ってきた。レメキも登場できた。松田のキックも調子を取り戻しコンバージョンの6本をすべて取りきった。ジャパンが抱える多くの不安のうちおおよそ半分以上は解消されたように思える。下川も福井も長田もピッチに立っただけで大きな一歩を踏み出すことになった。

しかし、初登場となるチリの奮闘ぶりと意気込みは予想以上であった。スタジアムにはチリのサポーターの姿と大声援が後押しする。最初の入は完璧でそうそうに歴史的初トライを取り先制する。その後も頻繁にラインブレークをして、チャンスをつくり会場を湧かせた。
しかし、不用意な反則でイエロー2枚を出してしまうと、とたんにその勢いを失ってしまった。日大アメフト部を想起させる具くんへの後ろから膝へのレイトタックルなど良くレッドが出なかったものだ。まだなんというか国際レベルのゲームに不慣れなのかという印象だ。

媛野の怪我に加え具くんの負傷という新たな不安材料がで発生してしまった。またさいさんラインブレークされたり、フィジカルで押し込まれるなどディフェンス面の課題も改善さてはいない。FWでのトライはできたが、バックスの連続攻撃は結局ミスで終わってしまう。
チリには申し訳ないが、ジャパンの攻撃やディフェンスはあいてがチリだったので機能したのであって、イングランドやアルゼンチン戦では難しいだろう。
またイングランドやアルゼンチンなら、チリ相手では楽に50点は取っていると思われる。

ともあれ、4年前のロシア戦を考えると上々の滑り出しといえる。プレビューでは日本はBPをとり30点をこえれば及第点、チリも2本トライをとれば及第点と予測した。両チームともそのラインは達成した。

アルゼンチンがイングランドに負けたことで、ジャパンはイングランド、サモアにたとえ連敗しても最終のアルゼンチン戦に勝てば、サモア、アルゼンチン、日本が2勝2敗で3すくみになる可能性がある。その時は勝ち点や得失点差で決まる
チリは9月16日にボルドーでサモアと(このサモアは初戦となる)、9月30日にナントでアルゼンチンと対戦する。このときの得失点差がジャパン戦の30点以上にならないようなチリの奮闘を応援したい。

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