昨年に続いて筑波が慶応を破りました。
筑波大光る新人たちと頼れる先輩の図
筑波の1年生は、前節から臆することなく堂々とプレーし、評判通りの大活躍です。
そして、仰星出身の大畑(レジェンドの大畑とは血縁関係はないようです)は、大学でも花園でみせた快速を飛ばしています。キックオフの時のチェイスのプレッシャーは福岡堅樹かと思いました。帝京戦に続きこの日もキックオフから筑波の先制トライを生み出しました。前半27分に逆転につながるトライ、前半終了直前にはこぼれ球をキックし更に快速をとばしてディフェンダーを追い抜いてキックしてゴール前まで運び、ゴールポスト下でタックルにあうもオフロードパスで松永キャプテンのトライを演出しました。2つのトライは松永キャプテンとのコンビネーションです。この先輩後輩のコンビを見ていると、微笑ましくて、つい顔がほころんできます。
さらにこのバックスの活躍を支えるFW陣の粘りとブレークダウンの激しさはたよりになります。前半終了直前のトライは、ゴール前で慶応の25フェイズをこらえてターンオーバーしてのものです。そのターンオーバーは前後半合わせて12個と記録的な数字です。
筑波に限らず20年花園組は粒ぞろい、豊作です。
早稲田の佐藤(桐蔭)、宮尾(成章)、亀山(茗渓)はすでに2試合に先発、帝京の青木(桐蔭)くん、本橋(成章)は青学戦では1年生でコンビでロックを組みました。更に東芝に入ったばかりのワーナー(流経)は日本代表の合宿に呼ばれています。
慶応 疑問の残るコンバート
慶応のチーム内の内部事情はわかりませんが、慶応の栗原監督は今季からチーム内で大幅なポジションのチェンジを行いました。
大きなところでは下記になります。
ロックをやっていた193cmのマスプアをWTBに、フルバックだった山田をSHにしました。さらにセンターが本職の永山をスタンドオフに抜擢しています。そして昨年までスタンドオフの中楠はフルバックになりました。
結果的にはラインアウトは高さ不足(180cm台が1人だけしかも登録上1180cm)で1番前に投げる奇襲を多用せざるをえなくなりました、これではモールも組めません。9番に入った元FBの山田はSHとしては無難でしたが、バック3としての完璧なポジショニングとランニングで左タッチ際を走り抜けトライをあげます。WTBにとしてのマスプアはボールタッチも少なくマークされてしまいうまくゲインできません。スタンドオフの永山は性格がよくていいヤツには違いないのでしょうが、あまり相手にプレッシャーをあたえません。
このゲームに限ってはなんともチグハグになった感は否めません。
曲者で戦略派知能派の栗原監督のことですから、今年の慶応の大幅なポジション変更には明確な狙いがあってのことだと思います。たしかにポジションにとらわれない働きは他の各チームには驚異になるでしょう。また、将来有望な慶応の選手たちも複数のポジションを経験してプレーの幅を広げておくことは重要にも思えます。だだし、慶応は春先のコロナの影響で練習不足があったのが計算外だったのかもしれません。シーズンが深まって行くとこの作戦がどうなってくるのかが見ものです。