スコットランド ちょこっと一周(アラウンド) 第七回 エリスケイ 島

2019W杯で日本の同組となるライバル、スコットランド。日本が勝つためには相手の事を知り尽くしておかねばなりません。このコーナーでは、スコットランドの中を巡りながら、知っているようでしらないスコットランドをより身近に感じられるためのトリビアをちょこっとづつ紹介します。

前回では、うまくフランスに逃れ生き延びたボニーチャーリーですが、蜂起の際にフランスからやってきて最初にスコットランドの地を踏んだのが、このエリスケイ島です。アウターヘブリティー諸島の小島で現在は人口130人。

エリスケイの恋唄

ここエリスケイ島にも古い歌があります。エリスケイの恋唄Eriskay Love Lilt。

ナナムスクーリや、コリーズも歌っていますが、彼女のが一番良いと思います。

島からウイスキーが無くなる危機

もっと時代はくだって第二次大戦中のことです。島の人にとっては、ボニーチャーリー上陸以上に大きな出来事が起こります。

第二次大戦中、ドイツに苦戦を強いられた英国は非常に経済的に厳しくなります。ウイスキーの製造もままならず、配給制が敷かれます。エリスケイ島ではついに島からウイスキーが一滴も無くなります。結婚式もできなくなります。
島の中は暗く憂鬱な日々が続きます。

座礁船とウイスキーガロア

ある嵐の夜アメリカに向かう貨物船が、島の岩場で座礁します。

GregMontani / Pixabay

乗組員は全員逃げ出して無事だったのですが、積荷の木箱の中身はほとんどウイスキーであることが判明。当時英国では外貨を稼ぐために、国内よりも高く売れる米国でのビジネスを推し進めていました。

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船はこのままではそのまま沈没して海の底です。
話を聞きつけた島の人は役人の目を盗み夜中に船に忍び込みウイスキーを運び出して、島のあちこちに隠します。
すべてを運び出す前に船は沈没してしまいます。それでも島の人に行きわたるには十分な量のウイスキーは手に入りました。

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ウイスキーガロアの「ガロア」とは「たくさん」という意味です

その後より戦火がはげしくなっても、この島だけは、陽気に過ごすことができたとのことです。

2018年5月に映画が公開になっています。DVDにもなって手に入りやすいです。スコットランドの島の気質がユーモラスです。

最初で最後の役に立った政治家

この座礁した船の名前はSSポリティシャン号。ポリティシャンは政治家のことです。
英国では「それ以前それ以降も唯一民衆の役に立った政治家となりましたとさ」と皮肉っぽく伝えられています。

ついでにCREAMの名曲「ポリティシャン」もどうぞ、こちらの歌詞も皮肉っぽいです。「クリームの素晴らしき世界」に入っております。

 

 

 

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