ワールドカップの3位決定戦については、「その必要があるのか」とか、「気の抜けたゲームになりがち」といい批判がある。
ただし今回は違う、だれもが期待する組み合わせになった。
イングランドとアルゼンチン、9月10日マルセイユでの一戦の再戦だ。
この9月10日は、大会の前からファレル問題でお騒がせで、フィジーにも敗れ大低迷のイングランドが、さらに追い打ちとなるTカリーのレッドのあと、フォードの神がかりのDG連発で、ノートライでアルゼンチンを下した衝撃のゲームだった。
イングランドはこの勝利で、その後の戦い方が決まり、キックと相手反則を誘ってのPGやDGでしぶとく勝ち抜くという伝統のスタイルが復活した。見ていて面白いラグビーではないが、勝ちにこだわり負けないラグビーだ。その後の躍進ぶりはご存知の通りだ。しかしそれを上回るフィジカルの南アの負けないラグビーに土俵際でうっちゃられた。
アルゼンチンはこの9月10日の敗戦はショックだった。その後も調子は上がらす苦戦を強いられながらもボフェリのPGなど決め所で決めて、バックスの活躍もあり、調子を取りもどし準決勝まで勝ち進んだ。しかし、準決勝のオールブラックスは同じスタイルで何枚も上手で、ノートライで完敗となった。
つまり、両チームとも準決勝ではトライを取れていない。CDプールは相手に恵まれただけで、ABプールの上位国とは力の差は歴然だった。
実際に実力の3位はフランスかアイルランドであろう。その1戦がサンドニで行われればそちらのほうが盛り上がるのは必至である。
しかし今回の3位決定戦のカードが決まった。このゲーム3位決定戦という意味ではなく、両チームの再戦であることが非情に興味を引く。今後のラグビーのありようを占うようなゲームになる。それでもイングランドは負けない硬いラグビーをしてくるのだろうか?
メンバーも代わっている
イングランドはファレルが復活し、マーカススミスも復活し、スチワートが14番と2人と先発で揃えてきた。また、前回はレッドカートを食らった渦中のトムカリーも先発に入っている。
Eゲンジ、Tダン、Wスチワート、Mイトジェ、Oチェサム、Tカリー、Sアンダーヒル、Bアール
Bヤングス、Oファレル、Hアランデル、Mツイランギ、Jマーチャン、Fスチワート、Mスミス
Jジョージ、Bロード、Dコール、Dリバンズ、Lラドラム、Dケア、Gフォード、Oローレンス
コートニーロウズ、Jメイ、Eデイリー、シンクラーのベテランは外れている。
Mスミスが入っただけでバックスの元気がでるようにも思える。それでもキックにこだわるのだろうか?
アルゼンチンはほとんど代わっていない。
リベンジゲームとなるこのゲームのモチベーションは完全にイングランドを上回る。
Tガジョ、モントーヤ、ゴメスコデラ、バカディサバル、ルビオロ、ゴンザレス、クレメル、イサ
Tクベリ、Sカレーラス、Mカレーラス、デラフェンテ、シンチ、ボフェリ、マリア
クレービー、スクラビ、ベロ、アレマノ、ブルーニ、バザン、Nサンチェス、Mモローニ
ラバニーニ、チョコバース外れており、SHはクベリで来た。
スピード勝負を狙っているようである。
9月10日の極端なキックだけのラグビーではない、優勝のプレッシャーのない楽しいラグビーを期待したい。
またどちらが勝つにせよ、3位のメダルに誇りをもってほしい。2019年の決勝後のイングランドのように試合後メダルを軽視する行為だけはやめてほしい。