スーパーラグビー 決勝戦結果

2月から始まったスーパーラグビーも決勝戦を迎えました。

常連となる3連覇を狙うクルセイダーズに、加入4年目でついにファイナリストとなった、アルゼンチンのジャガーズが臨む構図です。

ジャガーズは準々決勝、準決勝とホームのブエノスアイレスで勝ちあがってきました。ブランビーズ戦ではスクラム以外は安定して勝利を収めました。

クルセイダーズは、ハリケーンズに守り勝っての決勝戦です。ただしその死闘でロックのスコットバレット、センターのクロティーがともに指の骨折となり出場が叶いません。センターはグッドヒューが12番に上がり、今回、オールブラックス初初選出となったエノーが13番で先発という布陣です。

序盤からクルセイダーズが攻めますが、珍しく ハンドリングエラー が多くあって攻めきれません。逆に15分にジャガーズにPGを決められ先行を許します。

その後一瞬の隙をついて、マットトッドの ターンオーバー からホワイトロックがライン際を激走、フォローしたハビリに渡してトライで逆転。さらにモウンガがPGを決め10対3。残り時間少ないところで、クルセイダーズが自陣の反則。ジャガーズはPGを狙わず、スクラムから攻めますが、逆に反則をしてしまいます。

ここからがこのゲームの白眉です。40分を過ぎホーンも鳴り、蹴り出せば前半終了なのに、自陣深くからクルセイダーズは攻めます。連続攻撃から相手陣に入ってからジャガーズの反則を誘います。これもモウンガが綺麗に決めて前半終了です。10−3で終了。7−3で終わるのと、10−3になるのでは大違いです。全員の意思の統一があっての素晴らしいアタックでした。

前半では弱点と見られたジャガーズの スクラム も健闘し、接戦となりました。
ジャガーズのスクラムは、3番に代表50 キャップ のチャバーロが入ったことが安定をもたしたと思います。

後半に入ると、ジャガーズのキックミスもあり、また、前半は安定したスクラムでも徐々に差が出てきます。モウンガがPGを次々に成功させ、クルセイダースが引き離しにかかります。

最終的には19−3で、クルセイダーズ3連覇達成です。

それにしても、クルセイダーズの全員の意思の疎通は尋常でない。

数回ジャガーズもトライ寸前まで持ち込んだことが数度ありましたが、その時のトライ阻止に戻る人数の多さとスピードの素晴らしさ。結局最初の3点のみでノートライに押され切りました。
または、前半終了直前、ホーンが鳴った後でも全員で切らずに攻め上がる意思。
ここはスクラムだという時の集中力。
さらに最後はマイボールをキープし続け、ノーサイド を迎える時の動き方。

まず、今ゲームがどんな状態なのかが共有されている。こう書くと簡単だが、その中身は
1)残り時間はどのくらいだぞ 2)点差はどのくらいだぞ 3)セットプレーのパワーバランスはどのくらいだぞ 4)チームがいつもと違ってミスが多い状態だぞ 5)こうなるとなかなかトライは取れないぞ 6)モウンガのキッカーの調子はいつもどおり良いぞ 7)今が勝負どきだぞ 8)今は守りどきだぞ 9)相手の疲れ具合はどのくらいだぞ 9)などなど。

その上で、その時、その瞬間にチームがなすべきことは何か、そしたら各個人はどのようなプレーをするべきなのか、誰かがもしミスをしたらどのようにフォローをすれば良いのか、それらをただ理解するだけでなく、反射的に行動する力を全員が持っている。
セイムピクチャー を見ると言いますが正にその通り。勝ち方を全員が知っている。負けない方法を全員が知っている状態。

 

最後に

MOM には、体を張って奮闘したジャガーズの6番マテラが選ばれましたが、表彰式でニコリともしない姿が印象的でした。

TV中継の時間が短く、スコットロバートソンのブレイクダンスが見れなかったのは非常に残念。きっといつもより数回は多く回っていたと想像します。

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