大学選手権優勝 愛すべき魅力あふれるやつら 

みんないい顔をしていました。

苦しい中も、真摯に謙虚にラグビーをしてきた個性あふれる奴らにラグビーの神様はうそをつきませんでした。

小鍛冶選手、ヘッドキャップの下から覗く優しげな細い目、少しはに噛んだ様な表情が、根っから控えめな性格の良さを窺わせます。プレーもスクラムも大好きで仕方ない様子が伝わってきます。しかもボールキャリアーとしても、ボールハンターとしても大活躍。典型的な絵に描いたようなプロップです。

市川選手 小柄で色白の童顔、少年の様なピュアな眼差しは確かにスペースや走るコースを見極めています。そして走りもステップもすごい。この日4トライと大活躍。前髪を靡かせて走り去る姿は、全盛期の小野澤選手を思い出しました。

フィフィタ選手:類まれな身体能力、ラグビーのスキル、スーパーラグビーなど国際ラグビーの経験、全てが学生としては規格外のモノを持っていながら、それをひけらかす様なそぶりが全くない。チームの中に完全に溶け込んでいています。彼にとってはどのチームより、このチームのメンバーとのラグビーが番大切なことなのでしょう。

松永選手:いつも同じクールな表情、プレーぶりもクレバーでそこはかとない知性が感じられます。しかし、体をくねらせてゴールキックを狙う姿は実にセクシーです。本人は全く自覚していないでしょうけど、彼は女性ファンを引きつけつだけのスター性を持っていると思います。

藤原選手:いつも陽気に独り言をいいながら、ジェスチャーも多く、ヤンチャににラグビーをやっています。スクラムからこぼれたボールをインゴールで抑えてトライを取って、レフリーもトライを認めているのに、自らTM Oを要求するという茶目っけも見せます。対照的にクールな松永選手とのコンビネーションはまさに絵に描いたようにぴったしです。

そして極め付けは、キャプテンの松岡選手:
今の時代に、こんなピュアでまっすぐな若者が存在しているなんて、まさに奇跡なのでしょうか。この奇跡のキャプテンがあってこそ、この奇跡のチームができたのでしょう。感情をそのまま素直に出せるというのはそれだけで才能です。プレーも全てを出し切ります。足がすでに限界に来ているのに、それでも顔を歪ませ、意味のわからない雄叫びを上げながらプレーを続けます。そして、インタビューでは極端な大声で「めちゃくちゃ嬉しいです」。その後もまっすぐに感謝の気持ちを答えながら、堪えきれず目から一粒の大粒の涙が頬を流れ落ちます。監督を見つけると真っ先に駆け寄って胸に飛び込に今度は号泣です。写真撮影が終わった後に急に膝がガクガクになって崩れ落ちてしまします。足の痛みなんてそれまですっかり忘れていたのでしょう。

昨年はチーム始動が遅れました、再開後も今度は集団感染は出て、1ヶ月も活動が制限されます。そのため関西リーグもまともな形では開催できませんでした。その間、様々な中傷誹謗もあったそうです。それでも希望を失わす、前を向いて困難を乗り越えた彼らだからこそ、成し遂げた成果の意義は大きいし、意味深いものがあります。

今年になってからも、緊急事態宣言の再度発令、大雪での被害、米国での議場の混乱など世の中は暗いニュースばかりです。

そんな中にあって、こんな個性豊かでピュアなチームが優勝できて本当によかった。これで私も元気や勇気をもらいました。今年1年何とかかんばって行けそうです。

 

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