『百年の孤独』を読む その1 (ネタバレあり)

流行っているということで、ミーハーのワタシは町の本屋で購入。コロンビアのブレンディア家とその集落マコンドの100年の盛衰物語。おもしろい。2日で読破。

ただし、同じ名前の登場人物が何度も登場し、南米の密林の中を進むように現在位置の方向感覚を失い、道に迷ってしまう。読破できたのは、付録の家系図がナビゲーターの役目を果たしてくれたおかげである。

淡々と話がすすんでいく。文体がほとんど客観的で平坦でもりあがらない。
寓意や主張がありそうでなさそうで、どのようにでも読めそうである

しかし、考えてみると、書かれている各エピソードは凄まじい。一つ一つがそれだけで短編小説がかけるほどのびっくりするようなことが次々に発生する。超常的現象も起こる。感染する不眠症と痴呆症の蔓延や、4年半も雨が降り続ける。黄色い花びらが点から舞い落ち地面を覆い尽くす。シーツに包まったまま天上界に昇天するなどなど。しかし、淡々と描写されていて、それらは騒然の如く、当たり前のように過ぎていく。

そして、登場人物の個性がそれ以上にぶっ飛んでいる。これも淡々と語られるのでぶっ飛んでいることをそうもありなんと、納得してしまう。この辺が「マジックリアリズム」なのか?
全員が自由奔放で欲望のまま、心の赴くがままに生きている。
そこに倫理やタブー、特に性的タブーなども殆どない。登場人物は一時の恋に落ち子供も作るが、全て本当の愛では結ばれてはいない。したがってタイトル通りに全員が共通して孤独である。しかし、その「孤独」の色彩も様々ではある。
そんなブレンディア家の遺伝子は、100年の間に同じことを繰り返す。アルカディオと名付けられた外交的で破壊的な性格となり、アウレリャノと名付けられものは内向的で自分の世界に没頭する。タブーらしきものは近親相姦だけで「豚のしっぽ」の恐怖だけだが、何度もその危険な罠にハマりそうになる。だだし、マコンドという集落への執着や愛着だけは皆ある。この村が町へと発展しても、ここから出たものもかながずここでへ帰ってくる。

そのなかでもっともまともなのは。120歳まで生きる初代の女主人ウルスラだけであろう。一族を見守り、見届ける。懐が深い。純粋に「愛すること」いうことを知っているのは彼女だけかもしれない。

ジプシーのメルキアデスが予見した運命の「栗の木につながれ、最後のものは蟻によって運ばれる。」からは逃げられない。その間の波乱万丈な一族とこの集落の歴史も忘れ去られていく。

最終的に「間違え」はおこり、ブレンディア家は断絶し、マコンドも消滅する。

次回から登場人物ごとに、トピックを整理してみようと思う・

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