「Something In The Air 」 Thunderclap Newman 1969
こちらのサイトで再生してお聴きください
https://www.youtube.com/watch?v=gBH_0Nqp61w
映画「いちご白書」で効果的に使われていた革命の歌です。
当時田舎の中学生だった私は街の映画館へ観に行きました。友達のK君の家にあった2枚組のサントラをよく聞いたものです。映画のテーマソングはバフィセントメリーの「サークルゲーム」で、ニールヤングの「ローナー」、「ダウンバイザリバー」なども入っていました。
当時は学生運動が盛んで、権力や体制にむやみに若者は反発していました。「30歳以上を信じるな」が合言葉でした。そしてその象徴はロックであり、長髪でした(田舎の私は坊主頭の中学生でしたが)。
歌詞は扇動的表現で、時代背景をストレートに表現しています。誰もがより良い未来が来るものだと信じていました。
今となっては、私たちはその後の「しらけムード」や「若者の体制への迎合」など停滞の70年代を迎えることがわかっています。70年後期以降のロックは、初期の熱量がどこかに行き、資本ロック、産業ロックに成り下がってしまっていたのです。(ジェファーソンエアプレインがスターシップになったなどは象徴的かも)。ユーミン、バンバンの「いちご白書をもう一度」は変わってしまった若者の姿を描いたものです。
今このsomething in the airをあらためて聴くと、
1番と2番は威勢よく、熱気と希望に満ちています。しかし、その後の転調したピアノの連打による間奏は、その後の闘争の顛末(立てこもり、火炎瓶、ごぼう抜き、機動隊、セクト闘争、内ゲバ それや何やらかんやら)のすったもんんだを表している様に聞こえてしまいます。最後にさらに転調して歌に戻りますが、同じ様な歌詞なのに虚しく聞こえます。何処かの国歌のメロディの様なストリングスが裏に聞こえてくるせいかもしれません。
最後の歌詞 「Now」が、ただそんな何もない空間に、おいてけぼりにされた様に残されます。
Call out the instigator, 煽動者を招集せよ Because there's something in the air 機運は來た We've got to get together sooner or later, 早晩、我らは団結すべし Because the revolution's here 革命はここにあり And you know it's right それが正義であり And you know that it's right そうすることこそ正義である We have got to get it together 我らは団結すべし We have got to get it together now 我らは団結すべきなのだ 今すぐ Lock up the streets and houses 道路と家屋を封鎖せよ Because theres something in the air 時は來れり We have got to get together sooner or later 早晩、我ら団結すべし Because the revolution's here 革命はここにあり And you know it's right それが正義であり And you know that it's right そうすることこそ正義である We have got to get it together 我らは団結すべし We have got to get it together 我らは団結すべきなのだ Now いま (間奏) Hand out the arms and ammo 武器、弾薬を手にとれ We're going to blast our way through here ここから自らの道を切り裂くんだ We have got to get together sooner or later 我らは早晩団結すべし Because the revolution's here 革命はここにありなん And you know it's right それが正義であり And you know that it's right そうすることこそ正義である We have got to get it together 我らは団結すべし We have got to get it together 我らは団結すべきなのだ Now いま 注)題名でもある、something in the air は 直訳すると、空気の中の何かですが、その何かは革命の機運である意味なんでしょうから、「時は來れり」との意訳にしました。
この曲は、オープンEチューニングです。EBEG#BE.です 最後の転調した後の歌のキーはG#です。その時は、4フレットを全部押さえるだけです。
このバンドはT HE WHO のピートタウンゼントが絡んでいます。ベースで演奏にも参加しています。のちににポールマッカトニーのウィングスに入ることになるギターのジミーマックローは当時15歳でした。