グレイトフルデッドのリップルを紹介したいと思います
アメリカンビューティーに入っている一曲です。
中心人物のジェリーガルシアは、フラワームーブメント、ヒッピーブームメントの真っ只中で教祖のような存在でした。60年代から95年に亡くなるまで変わらず自由と愛を説きます。
コンサートはデッドヘッドと呼ばれる狂信的なファンでうめつくされて、その祭典の幸せな時間は5−6数時間は続きました。世界中で最も自由で愛に溢れたロックコンサートでした。コンサートの録音や交換は自由とされ、専用の録音席が設けられるほどです。会場周辺ではガイコツや絞り染めのTシャツ、デッドベアのステッカーやぬいぐるみが売れに売れます。このようなデッドの活動は最新のマーケティング理論に基づいているとも言われ、そんな本も出ています。が、デッドの方は60年代から変わっておらず、誰もが金儲けに主義の小手先の技術にに行きすぎての息詰まっている現代、その反省から新しい理論が生まれ、それがたまたまデッドが行っていた志向と同じだったにすぎないと思います。
この曲は、バンドの作詞担当のロバートハンターが詩を書き、ガルシアが曲をつけて歌います。ライブではアコースティックセットでの披露の場面が多いですが、会場は大合唱になります。バンドの作詞担当のロバートハンターの言葉は美しくて、まるで俳句のように研ぎ澄まされています。そのため今回は、直訳だけでなく、七五調のシンプルな意訳をしてみました。(少々交通安全の標語みたいになってしまいましたが)
Ripple
If my words did glow with the gold of sunshine
And my tunes were played on the harp unstrung
Would you hear my voice come through the music
Would you hold it near as it were your own?
僕の言葉が陽の光を浴びて育って
緩いハープで奏でられたら
音楽を通して声が届きますか
親近感を抱いてくれますか
陽光に
育まれたなら 我が言葉
竪琴奏でる 調べに乗って
皆の心に染み渡らん
It’s a hand-me-down, the thoughts are broken
Perhaps they’re better left unsung
I don’t know, don’t really care
Let there be songs to fill the air
それは使い古され、思想も壊れてる
たぶん歌われない方が良いのかも
わからない、どうでも良いや
歌で空間を満たそう
時代遅れの歌詞だけど
気遅れせずに、おじけずに
歌って見せよう高らかに
Ripple in still water
When there is no pebble tossed
Nor wind to blow
静かな水面の波紋
小石も投ぜず
風も吹かないのに
風も無き 小石も入らぬ
静けき水面(みなも)
起こせ細波(さざなみ)、広がる波紋
Reach out your hand if your cup be empty
If your cup is full may it be again
Let it be known there is a fountain
That was not made by the hands of men
コップが空なら手を伸ばせ
いっぱいならば、もう一杯
自然の泉があるのを知らせよう
空っぽならば手を伸ばせ
満ち足りたども、おかわりを
無垢の泉を教えよう
There is a road, no simple highway
Between the dawn and the dark of night
And if you go no one may follow
That path is for your steps alone
道がある、それは簡単な高速道路じゃない
夜明けと暗い夜の間
もし君は行っても誰も続かない
君だけの一人の歩みの道
道がある
そんなに楽な道じゃない
夜明けと闇の夜の間
君は行けども後はない
歩みは君だけ一人旅
Ripple in still water
When there is no pebble tossed
Nor wind to blow
静かな水面の波紋
小石も投ぜず
風も吹かないのに
風も無き 小石も入らぬ
静けき水面(みなも)
起こせ細波(さざなみ)、広がれ波紋
You who choose to lead must follow
But if you fall you fall alone
If you should stand then who’s to guide you?
If I knew the way I would take you home
リードすることを選んだならフォローもすべきだ
でも、落ちるときは一人っきり
君が立ちつくすべき時、一体誰が導くのかい
私が道を知っていたら家へ連れ行くよ
先導するなら義務もある
失敗するときゃただ一人
壁の前でも助けは来ない
骨は俺が拾うから
要するに、
「何か意見や言いたいことがあったり、アイデアがあったり、やりたいことがあった時に、失敗を恐れないで、言いたいことを声に出してみよう、勇気を持って一歩踏み出してみよう。歌は誰かに伝わるし、波紋は広がる時には、広がっていくものだよ。でも失敗することの覚悟も必要だよ、骨は俺が拾ってやるから」という歌です。勇気づけられます。
4月です。
この4月から新しいことや、新しい生活にチャレンジする全ての人にこの曲を捧げたいと思います。誰も手をつけていない無垢の泉は、きっとチャンスに溢れた素敵な泉のはずです。
もう一度から世界中のストリートミュージシャン達(今回は著名な人もたくさんいますが)をつなげてのPlaying For Change | Song Around The Worldの動画でどうぞ
コード進行は簡単です
G C C C G
G C CDG C G
Am D
G C A D