サッカー通のためのラグビー知ったかぶり講座 なぜガイジンが多いのか 

説明不足はかえっていけない

「ラグビー日本代表になぜガイジンがいるのか、親近感がわかないんだよね」という、質問や感想に

回答として、ルールは

出生国

両親、祖父母の内誰の出生国

3年継続して居住した国

上記のうちどれかが当てはまること
「他の国の代表歴がないことが条件」

以上

ここまでの解説で終わってしまうことがあまりにも多いと思いませんか?
それで本当に納得できていますか?

「なんだルールがそうなのか(それじゃーしょうがない)」と言ってくれるでしょう。
でも本心は「(メンどくせーな、まあいいや 俺にはラグビーは好きになれないな)」です。

そこで終わってしまうといつまでたっても、ラグビーに親近感をもってもらえないと思います。
感情的な問題をルールとか正論とかで解決しようとするのか間違いです。
お互いの立場を分かり合えることが必要に思います。

まずは、なぜそういうルールになっているのかを、もう少し掘り下げてみる必要があると思います。

ラグビー側にも問題や実情があるのです。

ラグビーの歴史から

ラグビーは英国生まれのスポーツで、ビクトリア朝時代、世界中に入植地をもち日の沈まない帝国、大英帝国の役人や兵士など駐留者のチームのスポーツでありました。サッカーが民衆のスポーツであったのと対照的です。

すなわち、入植地の先住民からすれば、選手はすべてガイジン。

南アなどはつい最近まで黒人がチームに居ませんでした。
香港代表などは、金融関係の英国からのビジネスマンのチームでした。
そもそも外国人のチームがその国の代表チームだったのです。

(この辺からすでに、ラグビーが「お高く止まっている」という印象を持たれる問題をはらんんでいます。)

ただし、うまくラグビーを現地にアダプトしその文化を広め、現地の人材と文化と融合したチームは強くなります。オールブラックスがその代表例です。今やオールブラックスはマオリだけでなく、フィジアンやトンガ、サモア等周辺の島の文化とも融合しております。

いびつな状態でのオープン化

ラグビーはそもそも世界一を決めるような、チャンピオンシップを争うスポーツ文化ではありませんでした。スポーツの中でもアマチュアリズム(の幻影?)を最後まで守り通そうとしてたのもラグビーです。

ラグビーは、英国パブリックスクールの教育の一環として発展してきました。心身を鍛えたり、紳士としてのわきまえやフェアネスを追求したりすることです。また、交流をしたり仲良くなるための道具としてもラグビーが存在していました。いわば、対抗戦方式がその始まりです。現地へ遠征したり、遠征して来たりなどで親交を深める。ホームアンドアウェイで親交を深めることです。
その意味では、観客不在のスポーツでした。

ただし、観る方としても確かに面白いのです。観客は増えて行きます。

観る方としても、アマチュアリズムであるからこその汚れのない闘争心や努力、仕事をしながら、勉強もしながら、文武両道でするスポーツのラグビーに親近感も醸成することもできました。

一方、伝統校中心の考え方は、「お高くとまっている」という印象を与えることにもなっています。ついていけない人を生み出すことにもなっていきます。

ラグビー界の中でも伝統と革新のはざまで様々な議論がなされていました。(日本の大学ラグビーのリーグ戦、対抗戦問題。帝京大学が慶応義塾と試合ができなかったことなど。一方、ドル箱としての早明戦、日本一を決める日本選手権の問題など、まだ根本解決に至っていません)

その後世界は大きく動きます、世界の観客やメディアなどがスポーツにエンターテイメント性を求めます。お金になることもわかりました。ラグビーに対し、もっと面白いゲームが見たいとか、こうすればもっと面白いのいのになどの声が上がります。

世界一を決める、チャンピオンシップを求められます、W杯が開催されるようになります。そうなると今度は勝つためにどうすれな良いかをあらゆる面から考え対策をするようになります。その競争です。

手っ取り早い強化の方法は、世界から優秀な選手を集めることです。

ラグビーの歴史がそうだったので、最初の頃は選手資格に関しても厳格なルールはありませんでした。それも可能でした。

平尾ジャパンの頃(1999年)、W杯直前に元オールブラックスのジョセフとバショップを代表に選んで出場したことなどがその例です。(ジョセフはご存知今のジャパンのHC)

当時は今以上に批判もあったのを覚えています。

その前からのラトウ選手や、キャプテンのアンガス選手はあまり批判されませんでした。

選手資格のルールは緩和でなく規制の歴史

ルールで多国籍化に緩和されたのではななく、ラグビーの代表資格はルールで徐々に厳しくなっているのが実態なのです。

みなさんが思っていることと全く逆です。

以前は一つの国の代表になっても他の国の代表になれましたが今はなれません。
つまり、代表を目指す国を決めたら他の代表の道を捨てることが求められます
これまではその国へ3年居住が条件でした。
これを5年居住にしようとしています。

こうした規制をかけても選手資格問題が何度か起こっています。今回もルーマニアやスペインがその違反をしてW杯の出場を逃しています。

ダイバーシティーの先端を走っているのではありません
ダイバーシティーを管理規制しようという動きもあります。

NZ協会はオールブラックスには、海外でプレーしている人は選びませんでした。
ところが日本のパナソニックでプレーしている、マッドトッドなどを在籍のまま代表スコッドに召集するようになってきました。

オーストラリアも同じでしたが、前回大会ではフランスでプレーしてるギタウを呼び戻して代表にしましたし、今回も日本の神戸製鋼でプレーしているアダムアシュリークーパーを急に代表によび戻しました。

アルゼンチンなどは、今回から選手だけでなく、コーチもトレーナーもすべてアルゼンチン国籍で固めています。

南アは逆に政府からの要求で黒人の比率を上げようとしています。数値目標なども提示させられいるようです。これは悲しいです。マンデラが目指していたことが、まだまだ実現できていないことを表しています。逆に優秀な若手白人選手の芽を摘んでしまわなければよいなと思います。

ルールと感情は別物

ルールで決まっているからその中で何をやってもいいのでなく、ルール化してやっても良いことにしてしまうのも違います。

やっても良いことと感情的にどうかは別な話です。
感情的に違和感がある人も存在して当然です。

ルールが先で感情を抑えつけるはできません、いろいろな面で交流でき、分かり合ったうえで、感情的ににも受け入れれていけばよいと思います

トランプイズムのようなものが世界に蔓延しつつあり、自分だけがよけれなよいという危険な世の中になりそうだと思うと心配です。まずは相手の事を知ること、状況を知ることで、解かり合えて、立場の違いも分かった上で初めて認めあうことができます。

今のラグビー日本代表も見た目や名前で「ガイジン」が多いから、それだけで感情的に違和感を感じるのは仕方ありません。実は日本国籍のある選手も多いのですが、それでだだけでも、感情的な問題は解決できません。そこで、もう少し踏み込んで、彼らのことを知ってもらえば、心から応援できるようになるかと思います。

いまのラグビー日本代表にいる「ガイジン」の人たちは、その辺の日本人以上に日本のために体を張っています。95年のトンプソン選手、元代表のリーチマイケルやレメキ選手素晴らしいです。よく見て欲しいです。よく聞いて欲しいです。彼らの頑張りはもう泣けてしまいます。

日本でラグビーをする事

ラグビー界の世界のトップスター、ダンカーターは今季から日本でプレーしています。今のオールブラックスのボーデンバリットも来年から日本でのプレーを希望しているとの事です。

一見すると「金のため」と思われてしまいます。でももっとよく知って良く話を聞いて見ると、彼らの真剣な思いを理解できるはずです。

もう充分な金持ちなのに、もっと金や欲のために日本でラグビーをしようとする動機は同意しかねます。

しかし同じお金のためでも、自国が貧しく、家族のために兄弟のために、日本で生活しながら勉強しながらお金にもなるのでラグビーをする、すばらしいではないでしょうか

日本の国や文化がすぎなのでとか、日本のラグビーが好きだからとか、家族のために日本に住みたいとかがいいですね

最初はたとえ金や欲のために日本を選んでも、日本で生活していくうちに日本が好きになり、日本のために日本代表になるのも大歓迎です。

ラグビーをやる動機がどうにしても、一緒に体を当ててきつい練習もして、痛みも分かち合えばそればもう仲間です。
3年でそれがわかる人もいれば、3日でわかる人もいる。5年居住してもわからない人もいるかもしれない。

日本の代表になることはそう簡単ではありません。
5年居住して日本でラグビーをしていて、なおかつ個人の強欲のために代表になるなんて甘くはありません。
たぶん日本代表にはなれないと思います。

 

逆に日本人でもNZで生活して日本国籍のままオールブラックスの選手が出てきたらそれはそれですばらしいでしょう

 

まだまだ感情の問題や課題はある

国籍ってなんなんだ。国籍をとれされすれば良いのか、猫ひろしのことをどう考えれば良いのか。白鵬と朝青龍の違いは?ラモス瑠偉は好きですか?

国の代表ってなんなんだ、地域の代表ってなんなんだ。高校野球で全員全国からの越県推薦入学の野球部が甲子園で優勝、どう思いますか?

様々なスポーツで、ハーフのアスリートが大活躍。大阪なおみ、サニーブラウン、ケンブリッジ飛鳥、みなさん大人気ですね。日本国籍だからですか?

ハーフは良いのか、名前が日本人なら良いのか、また国籍は違っても日本生まれなら親近感ありますか。
松島幸太郎、具智元、AKIRAイオアネ、REKOイオアネ選手

色々考えてみる必要がありますね。

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