サッカー通のためのラグビー知ったかぶり講座:ラグビーでの80mドリブル5人抜き事件

ラグビーでの80mドリブル5人抜き事件

サッカーで個人技のドリブルで相手を抜き去りゴール前に持ち込み「シュート」「ゴール」一番盛り上がるプレーの一つではないでしょうか。

今ではなかなか見られませんがラグビーでもドリブルをしても全く構いません。70年代初期頃まではラグビーでも集団でボールを足で蹴りながら前に進むという「マスドリブル」という戦術がラグビーにもあってよく使われたりしていました。うろ覚えですが60年代の学園青春ドラマ「これが青春だ」(かな?)で負けそうだったチームが奮起して最後に逆転トライをとったときの戦術がこの「マスドリブル」だったと記憶しています。この戦術はサッカーの初期のころよく使われた戦術だったそうです。ラグビーの場合は、ボールが楕円なのでどちらに転ぶかわかりませんのでボールのコントロールは難しいです。また相手も手でボールを拾い上げても良いので、すぐにボールを奪われてしまうのがオチです。

ところがタイトルにあるように驚くべき事にラグビーのゲームで1人で80mドリブルし相手5人を抜き去り、トライに結びつけたというプレーがありました

昔のことではありません、つい先日、先週の土曜日(9月22日)のことです。トップリーグのパナソニック対ヤマハのゲームです。パナソニックのSO山沢選手によってなされました

前半5分、味方のエース福岡選手が脳震盪で離脱、自陣ゴール前でのヤマハボールスクラム、先制を許してしまう絶対的ピンチな状態です。

絶対的自信に溢れているだろうヤマハのスクラムから、どういうわけかボールがこぼれ出ます。ボールを崩れた体勢ながら右足で蹴り、ます2人を抜きます。次に左足、拾おうとした五郎丸選手がもたついたボールをまた蹴り返し22m内まで一人でもちこます、最後はゴール前まで、キックしたボールを自ら拾い上げ、フォローしてきた14番の山田選手にパスしてトライを演出。

40年以上ラグビーを観戦してきましたがこんなプレーは他に見たことがありません。

ちなみに山田選手は最後にパスをもらってトライをしただけなのにこの試合MVPになっています

山沢選手は前節の東芝戦のゲームでもキックにランにと変幻自在なプレーで一人で18得点の大活躍でした。二度キックをしてトライとか、ボールを持ったらランで80m以上も前進しトライなど、ものすごい神がかりプレーのオンパレードでした。ヘッドコーチのロビーディーンズさんもその前の日にプレーしたダンカーターに匹敵すると手放しの大絶賛です。

山沢選手は中学生の頃はサッカー部でサッカーのセンスも際立っていました。そのままサッカー界に行っていたらどのような選手になっていたでしょう。

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