タトゥーの事が心配です
Every creed, every color Once joined, never apart
これはラグビーワールドカップのテーマ曲 world in unionの一節です。
人種や文化や歴史などの垣根を越えて一堂に集まり理解し合い絆を築く
これが、ラグビーワールドカップの大きなテーマです。
今回下記のニュースが入ってきました
「ワールドラグビー選手にタトゥーを隠すように指示」
ワールドラグビーとはサッカーでいえばFIFAに当たる機関です。
ニュースソースは下記
https://www.bbc.com/japanese/45597116
NZのマオリ、またトンガやサモアなどアイランダーにとってはタトゥーは文化であり伝統であり、アイディンティを示すものです。
一方、日本では、刺青は流刑者を示すものであり、反社会的組織の象徴として不快感を感じる人が多くいます。
温泉やプールなどでは入場を規制していますし、コマーシャルやメディアでは極力映らないように配慮されています。
今回ワールドラグビーは選手に日本ではラッシュガードを着るということを提案しています。
普通ならば組織の上からの一方的規制に関して、選手は自らの正当性を主張して文句の一つももでるのではと思います。
ところがラグビープレーヤーはそうではありません。この案を難なく受け入れるということです。
重要なのは彼らは日本の文化、歴史を理解しようとしていることです。
普段からチーム内のダイバーシティが進み、世界を見据えているらかもしれません
最強軍団「オールブラックス」もこの提案を受け入れたとのこと
オールブラックスは、マオリにルーツを持つ選手が多く、またトンガやサモアというアイランダーの選手も多くいます
マオリ族にとってのタトゥーは「モコ」と呼ばれ神聖な意味も持っており、誇れる大切なものです。
一方日本の習慣や価値観を理解しようとることも使命と思っています
資源や産業の少ないNZにとって、オールブブラックスは世界ブランドです。「全員が外交官」これがオールブラックスの使命でもあるからです。
また同時期に悲しいニュースも入ってきました
格闘技の山本キッドさんの死去のニュースです。
癌との闘病を隠し、ふたたびリングに戻る努力を続けていました、
今年4月のラグビー日本代表の沖縄合宿でも、癌であることは隠し、タックルのコーチとして指導しました。指導内容だけなくその思いはきっとJAPANの力となると思います。
山本キッドさんはご存知のとおり、全身にタトゥーをしていることでも知られています。
2人の子供達の名前も肌に刻んでいます。
ショッキングなことに癌の原因がタトゥー施術ではないかとも報道されています。
施術のでのストレスが肝臓を弱め癌につながったのではという話です。
また、全身にタトゥーがあると癌の早期発見に必要なMRIが受けられにくいとのことです。。
まだまだ日本では特に年配の人にとっては刺青はネガティヴイメージで忌み嫌われています
一方で日本の若い人は軽いノリのファッション感覚で肌に墨を入れる人も多くなってきました。
確かに今は安全に簡単な施術で肌に墨を入れることが出来るようになっています。
ただ昔から肌に墨を入れることは、それなりの痛みに耐えるだけの我慢が必要なものであり、
そこに刻まれた印は、それに一生の命をかけるだけの覚悟の証としてのものです。
アイランダーのプレーヤーの多くは、自分が何者であるか、それに向き合い、その覚悟の上で肌にその印を刻んでいます。
日本の年配者の方の生理的にダメという気持ちもわかりますが
自分だけの狭い価値観だけにとらわれることなく、アイランダー文化や伝統なども勉強し、その想いや覚悟を受け入れてほしい。
簡単には理解し受け入れられなくても、受け入れる努力はしてほしいと思います。
若い人も軽いノリで肌に墨を入れることなく、まず、自分にその覚悟があるかを問うて欲しい。
またそれを頑固に一方的に批判するだろう大人達のの生理感覚、一般的な社会の通念などの現状をも理解してほしい。
日本と世界、若者と年配者、お互いに一方的に自己を主張するのではなく。相手の立場や背景をともに理解しようと歩み寄ること
それがお互いのサイドの垣根を作らないという「ノーサイド」の精神です。
そういえば、こんなこともありました。
2011年のワールドカップ開幕戦、トンガーNZ戦で、トンガの激しいプレーのためオールブラックスのソニービルウイリアムスのジャージが破れてしまいました。
ジャージが破れるほどの激しいプレー、ジャージが破れても戦い続けるブレーもすばらしかったのですが、プレーが止まりソニービルがグランドの真ん中で新しいジャージに着替える時に、鍛えられた生身の肉体と腕のタトゥーがTV画面いっぱいに映し出されました。
多くの女性ファンがそれを目の当りにし、一瞬で正に「イチコロ」になってしまったのは言うまでもありませんでした。