フランスワインのお勉強 第十七回 コート・デュ・ローヌ

1、コート・デュ・ローヌ概要

今回は コート・デュ・ローヌです。
フランス第二の大河ローヌ川の周辺になります。
ローヌ川はスイスのレマン湖を水源として、リヨンでソーヌ川と合流し、南に流れ、アビニヨン、アルルを通って地中海に流れます。
ワインの生産地は、ヴィエンヌからアビニオンまでの南北200Kmに渡る地域です。

 

ラグビーW杯の行われるリヨンからヴィエンヌまでは33Km、車で30分。サンティティエンヌからヴィエンヌまでは50Km車で40分。マルセイユからアビニオンまでは100Km 、TGVで30分の位置関係になります。

アビニオンの南の町、アルルは、ヴィンセントヴァンゴッホが移り住んで、「跳ね橋」「夜のカフェテラス」など次々に名作を書いた土地でもあります。

 

古くは、この地域はローマ時代から栄えました。カエサルのガリア戦記の舞台です。

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さらに、14世紀には、アビニヨンに70年間教皇庁が置かれていました。「アビニオン捕囚」と呼ばれた時代です。

(「橋の 上で 踊ろよ踊ろ、橋の上で、輪ーになって踊ろう 」のアビニヨンです。)

Hans / Pixabay

その為、この地域はフランスでも最も早くワインの生産が始まった地域です。
今でも、フランスではボルドーに次いで第二の生産量をほこります。

ヴァランス町の北と南では生産されるブドウが違います。北の赤はシラーからですが、南は温暖な気候な為、グルナッシュを始め沢山のブドウが育ちます。

 

2、コートロディ

 

コートロティとは「焼けた丘」の意味です。コートロティの畑はローヌ川の右岸で、それこそ日当たりの良い急斜面にあります。ブドウはシラーです。華麗で妖艶、色素が多く、渋みもあり長期熟成タイプです。(血の味がすると言われます)

 

3、エルミタージュ

ローヌ川の右岸にあり、とても狭いエリアの畑しかありません。花崗岩の砂利土壌で南側を向いた急斜面部分だけです。したがってとても貴重なものになります。シラーは85%以上で白ブドウのルーサンヌ、マルサンヌも一緒に混ぜて発酵させます。が、ほとんどがシラー100%だと言われます。
エルミタージュのワインはとても濃いので、いっときはボルドーのワインに調整用としてブレンドされていたという話もあるほどです。

かのロシア皇帝もわざわざ取り寄せたとのことです。長期熟成で50年もものあると言います。

2007年のロンドンのオークションで、1961年のエルミタージュが1ケース12万7500ポンドと、ロマネコンティよりも高値をつけたことがあります。

4、ロぜタヴェル

畑はアビニオンの北側になります。本当のAOCの名前はダヴェルですが、ロゼしかないのでロゼダヴェルの名前の方が有名です。ヘミングウェイが愛したワインです。グルナッシュを使ってセニエ法で作られます。

この辺になりますと、河口近くになり暖かな気候になります。しかし、ミストラルという乾燥した北風がふきおろしますので、ブドウ畑の仕立ては盆栽のように低くなります。

5、シャトーヌフ・デュ・パプ

シャトーボルドーのシャトーではなく普通に家のことで、パプは親父さん、「親父さんの新しい家」の意味となります。親父さんとは、ここでは教皇のことです。14世紀にアビニョン捕囚で教皇庁が置かれた時、クレメンス5世によってこの土地がワインの生産地に選ばれました。「神に捧げるワイン」と言われる所以です。

ローヌ川の河口近くになり、赤い粘土の家に、丸石でできた小石が乗った土壌になります。極めて水はけがよく痩せた土地です。石は石灰岩の石だったりもして、土壌や生産者によって異なる個性のワインになります。

グルナッシュを筆頭になんと13種類ものブドウが使われています。オーナーの力量がそのままでるワインです。

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