ワイン音痴の私は、ラグビーW杯フランス大会までにワイン(特にフランスワイン)の知識を得ようと思い立ちました。しかし、普段ビールやウイスキーのみで、ワインを飲まない習慣の私には、実際一向に知識は増えません。少しずつ勉強の成果を綴っていきたいと思います。(ワイン通の方には当たり前のことなのでしょうけれども)
ワインの製造工程のづづきで、ロゼとシャンパーニュです。
1、ロゼワインの作り方
ロゼというと、南プロバンスのバカンスでの小洒落たプールサイドで、ひんやりしてフルーティーな味を楽しむという雰囲気があります。
世間では全く誤解されていると思いますが、フランスのロゼは白ワインに赤を混ぜたものではありません。これだけで簡単にロゼは完成にはなりますが、フランスではこの作り方は法律で禁じられています。
それではどんな方法があるかというと、フランスのロゼは実は黒ぶどうから作られます。
セニエ法
セニエ法とは中世ヨーロッパでの病気の一般的治療法「瀉血(しゃけつ)」のことです。中世の医学は科学的ではく、迷信や言い伝えで行われており、病気になったら血を抜くこれが一番だと本気で思われていました。血を抜く方法に、吸血性のヒルなどもよく使われました(気持ち悪いです)。この血抜き治療の方法をセニエ法と呼びます。要するに悪い血を抜けはあとは良くなるといった、おどろおどろしくも単純な発想でした。
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ワインも赤ワインをより濃くするすために、樽熟成の際に、上澄みの澄んだところを取り除く方法をとります。このときの抜いた上澄みがロゼになるのです。樽からワインを抜くところが、あたかも血を抜いているようなので、セニエ法と同じ読み名になりました。この話を聞いてからチャーミングで可愛いロゼワインのイメージがすっかり変わってしましました。
直接圧搾法
この方法はプロバンスのロゼで使われます。要は黒ぶどうを潰して少しだけマセラシオンしてから、絞ってしまって、その果汁だけをアルコール発酵させる方法です。良かったです。プロバンスのロゼは、セニエ法のイメージではなく全く別物ということでイメージダウンにならなくで良かったです。
2023年フランスW杯の時は、マルセイユとニースでゲームがあります。その時はプロバンスのロゼワインを楽しみたいと思います。
ロゼはアメリカのセレブで大人気です。生産量もうなぎのぼり。ブラットビットとアンジェリーナジョリーのプロバンスのミラバルワイナリーからのロゼ「アンジーブラビ」は話題です。もちろん直接圧搾法で作られます。
2、シャンパーニュの作り方
発泡性ワインは世の中にたくさんありますが、シャンパンと呼べるのは、本家本元のシャンパーニュ地方だけです。
発泡性ワインの泡は、二酸化炭素です。この泡をどう発生させ、どの段階でびんの中に閉じ込めるかでその製造工程は違います。もっとも簡単は方法はワインに炭酸ガスを混ぜることです。これでも見た目も口当たりも全てシャンパンそのものに近いものが出来上がります。
しかしシャンパンと呼べるのは、シャンパーニュ地方で作られただけでなく、フランスの法律で決まった伝統的な方法で作られなければなりません。
シャンパーニュでは、通常のアルコール発酵の工程の後に瓶づめしてから瓶内に酵母と砂糖を入れ二次発酵させ、その後にその発酵の際に出る檻を特殊な方法で取り除くという伝統的方式をとります。
その特殊な方法とは
まずは通常のワインを作り瓶に詰めます。そして瓶内二次発酵をさせるために砂糖を入れ一度王冠で締めます。
ルミアージュ
まず、瓶内二次発酵を2ヶ月もかけて行います。これで二酸化炭素を発生させます。さらに熟成に最低15ヶ月、最長で7年ほどかけます。この際に、瓶を斜め下に傾けて、発酵でできた檻を王冠の方に沈殿させます。この時に一律に檻を集めるために一定時間で少しずつ瓶を回転させて行います。この方法がルミアージュです。
デゴルジュマン
その後、瓶の口の部分だけをマイナス20度で凍らせ、栓を抜くと王冠のそばの檻も一緒に飛び出します。そうして檻を取り除くのです。
ドサージュ
しかし、檻は取り除かれますが、少量のワインも一緒に飛び出してしまい目減りしてしまいます。そのためその穴埋めに砂糖入りのワイン継ぎ足します。これがドサージュです。
ワインに砂糖を入れてしまうなんて許させるのでしょうか、また目減りした際に埋め合わせしてしまうなんでありなんでしょうか?ちょっと誤魔化されたような気もします。またなんて効率の悪い方法で作るのかと思います。しかし、この伝統的方法でなければシャンパンと呼びません。
世の中のスパークリングワインはもっと簡単に作られています。もっとも簡単な方式はワインに炭酸ガスを混ぜるだけです。あっという間に完成です。それだけでシャンパンとそう変わらないスパークリングワインになります。
フランスのワインは、なんでこういちい全部めんどくさいのでしょうかね。