スコットランド ちょこっと一周(アラウンド) 第三回 ジャコバイトとカローデンムーア

  • 2019W杯で日本の同組となるライバル、スコットランド。日本が勝つためには相手の事を知り尽くしておかねばなりません。このコーナーでは、スコットランドの中を巡りながら、知っているようでしらないスコットランドをより身近に感じられるためのトリビアをちょこっとづつ紹介します。

ジャコバイトとマイボニー

ジャコバイトとは、名誉革命で新しく国王になったウィリアムスではなく、スチューワート王朝のジェイムスこそ真の国王であると主張する者達およびその活動です。1707年にはスコットランドがイングランドに併合され、1714年にハノーバーから新国王が招かれると不満は爆発。1度目の行動は1715年に実行されます。フランスからのジェイムス2世が呼び戻されますが、イングランド軍とキャンベル公に鎮圧され、ほとんど何もできずに退散せざるを得なくなります。

続いての蜂起は1745年に起こります。ハイランドの中で密かに準備をして居た者達は、今度はジェイムスの息子チャールズをフランスから呼び寄せます。チャールスはボニーチャーリー(可愛いチャールズ)として様々な歌や芸術作品に残って居ます)と慕われていました。

一番有名なのは誰でも知っている「マイボニー」という歌です。
ビートルズもラブミードゥーでのデビュー前、トニーシェリダンのバックでシングルを出していることでも有名です。海を渡って戻ってきてと歌われます。

オールドアライアンス

ところでスコットランドとフランスは、「オールドアライアンス;古くからの同盟」で結ばれていて、色々な面でイングランドに対抗するために協力関係にあります。ジェームスやチャールズが匿われていたのもフランスで、1745の蜂起に資金を出したのもフランスが絡んで居ます。今でもその関係の名残は残って居ます。

スコッチウイスキーを使ったカクテルの名前にもなっています。材料はスコッチにレモンジュース、コアントロー、最後にレモネードです。

stevepb / Pixabay

 

 

 

 

 

 

ラグビーの6カ国対抗でも、もっとスコットランドとフランスで協力してイングランドに対抗すればと思います。そういえば、今回フランスとイングランドは同組ですね。

ロッホローモンド

1745年のジャコバイト蜂起は、スコットランド国内でイングランド軍を蹴散らしさらに南下、イングランドのダービーまで進軍します。ところがなぜかジャコバイト軍はそこで進軍をやめスコットランドに戻り始めます。そうなると今度はイングランド政府軍が攻勢を仕掛け、ジャコバイトは敗走する一方になります。

この時の敗走の歌が残ってます。「ロッホローモンド」です。美しいローモンド湖の歌です。日本では、歌詞を変え「汽笛いっせい新橋をーー」になってしまっていますが、本当は非常に悲しい歌なのです。

「ロッホローモンド」こちらのサイトが詳しいです

 

カローデンムーア 

最後の決戦の地となったカローデンムーアは、ハイランドのインバネスの町の近くにあります。

 

このカローデンムーアの戦いでジャコバイト軍はほとんど皆殺しになります。関係したクランにも重い処罰があり次々に死刑が施行されます。クランは解散。スコットランドの文化はイングランドにより全面否定され、キルト、バグパイプなどすべて禁止となります。これを指揮したイングランドのカンバーランド公は屠殺屋と呼ばれているほどです。

この後スコットランドは80年以上も暗い年月をすこさなければならくなります。

 

スコットランドの歴史は、なにかうまくいきそうになると仲間割れが起きて、挫折におわる、その繰り返しです。この時もカンバーランド公にクランの一部が加担したことも原因のひとつでありました。

この時のイングランドの勝利を讃える歌が「見よ勇者は帰る」。ヘンデルの作曲です。日本では運動会などの表彰式に必ず演奏されますが、スコットランドには大屈辱の曲です。

スコットランド2019年ワールドカップで優勝を果たしたとしても、絶対に演奏してはいけません。

その前10月13日に横浜でジャパンが勝ったとしても演奏するのは失礼のなのでやっぱりやめてもらいたいと思います。

 

チャーリーはカローデンムーアで生き延び逃避行を続けますが、その話はまた後ほどということで

 

 

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