1,FIJI サモア 29−15
このゲームはニュージーランドの北島中部のロトルアで行われた。ロトルアはマオリの伝統息づく温泉地で観光地でもある。2011年のW杯ではアメリカ、ロシア戦などが行われた。またレフリーは日本の滑川さんが担当した。
プール戦最下位をさけたいサモアはキックオフ前から気合十分だった。フィジカルとスピードでフィジーを圧倒。スクラムも完勝。あっという間にコール前に攻め込み押し込んでトライを奪う。さらに再度攻め込むとフィジーはたまらず反則を犯してしまい8−0と引き離す。フィジーもモールからキャプテンイカニベレがトライを返し8−5となるが、サモアの勢いは止まらず逆に13番ナナイの突破からフォローしたSHジョーラムが中央に切れ込み15−5と引き離す。これは予想に反してかなり一方的な展開になる予感がした。フィジーは国民性なのか先制されると調子がでない。
これを救ったのは日本でもおなじみのタマニバルであった。前半終了間際、ゴール前のモールから展開されたボールに超スピードで走り込んでトライ。
これで15−12となり戦半終了。フィジーにがぜんやる気がもどった。
後半はサモアにペナルティが多くなり、6番セウがシンビンで14人。フィジーの奔放なラグビーがもどり60分には逆転(15−19)。さらにPGトライで引き離す(15−22)。時計は80分。このまま終わるかと思いきや、戻ってきたサモアのセウに2枚めのイエローが出て、レッドカードになってしまい。その後フィジーもこの日4本目のトライを決めてBPを取得し、サモアの7点差以内のBPが消えるというサモアにとっては後味のわるい結果になってしまった。
2,USAーJAPAN 21−47
前半の前半でガンター、ファカタバ、ディアンズでいきなり3トライ連取。3人共ディフェンスを振り払いタックルをもろともせず。無双状態であった。前半でUSAのミスタックルは13あったが、そのうちディアンズは一人で7人のタックルのミスを誘っている。(0−21)。これでゲームはすでに決まった。その勢いをもたらしたのは、セットピースの安定であり、USAはカナダ戦で活躍したプロップ2枚の欠場が響いているようだ。さらに、33分にはスクラムから右展開し、グリーンが抜け、石田が持ち込み、フォローした福田から下川で右中間にトライ。この時点で4トライを取得し、BPも垣穂、プール1位通過が決まった。
前半はUSAもゴール前から2番ピフェリがフィジカルで押し込み2トライを記録した。これは、ジャパン不用意な反則で相手をゴール前まで入れてしまったためであり、まだディシプリンに関しての課題は解消されていないと感じる。
とくに前半終了間際や後半始まり直後の失点はゲームのモーメンタムに関係するので絶対に避けなけらばならないところだ。
後半はSH藤原が登場。元気いっぱいのオーバーアクションでチームを盛り上げる。ちょうどTJペネラナラのような役割である。
62分、ディアンズにもこの日2本めのトライが生まれる。今度のトライはライン際でボールを貰った瞬間、相手ディフェンスはどうせ止めるのは無理とタックルを諦めてしまっているという無双状態であった。
完勝といえば完勝であるが、もっと楽に勝てたのではないだろうか、終了間際にもUSAに簡単にトライを奪われてしまってる。かつてのライバルのカナダやUSAとは、今のジャパンが格が違っている。贅沢な悩みかもしれないが、このクラスの相手には楽なトライをさせないような問答無用の厳しいラグビーが求められるとおもう。かつて、オールブラックスのリッチー・マコウが終了間際に福岡堅樹のトライを阻止した厳しいタックルを思い出した。
3,次節の展望
次節はUSA対サモアの5位決定戦と、準決勝2試合の3ゲームが立て続けに行われる。JAPAN戦以外はRUGBYPASSで視聴可能である。
1)5位決定戦 USA サモア
日本時間 15日(祝)午前3;35 RUGBYPASS
勝ったほうがワールドカップの出場権をえられ、負ければ南米選手権2位のチリとの決定戦に回ることになる。思えば前回フランス大会の予選ではフォーマットはちがうが、USAはチリとの決戦で負けて出場権を逃したのであった。
このゲーム、フィジカルで優位になるだろうサモアが優勢に進めると思われる。USAはJAPA戦のようにタックルミスが多く、特にジャパンのガンター、ディアンズの巨漢の突進を止めきれなかった。サモアは6番セウはレッドで出場できないが、フィジカルは日本以上である。ホームの声援を受けてのUSAの奮起(とくにタックル)を望みたい。
2)準決勝 トンガ ジャパン
日本時間 15日(祝)午前6:35 Jスポーツ中継あり
注目点はズバリスクラムだ。トンガの3番キャプテンのタメイフナは140Kgの巨漢。ジャパンはキャプテン原田が合流すると思われる。ジャパンはUSA戦はスクラムで優位に立ってゲームの主導権を得た。今回どのようなスクラムが組まれるのか注目される。
また、ジャパンのディフェンスも注目だ。実はジャパンのタックル成功率は最高レベルなのだ。(カナダ戦、92%(成功106回 USA戦 87% 成功数162回)。しかし、不用意な反則でゴール前まで攻め込まれると簡単に失点に繋がってしまってる。特に前半終了間際や、相手を突き放すべき勝負どころなどでの失点につながる反則をしないようにできるかは重要である。ゲームの勝負どころの意志の共有が必要だ。
また試合会場のデンバーは標高1600mの高地であり、キックのボールはよく飛ぶともわれる、キック処理や、キックの有効活用もやはりキーポイントになる。その点、長田が11番にいるのは心強い。
ジャパンはこのノックアウトステージから、怪我の原田とコーネルセンが合流する。個人事情で離れていた中野選手も合流する。
かつてはライバルだったトンガを徹底的に粉砕する、強いジャパンの姿を期待したい。
予想メンバー
1,小林 2,原田 3,為房 4,ララトゥア 5,ディアンズ 6,ガンター 7,コーネルセン 8,マキシ 9,藤原 10,李
11,長田 12,ローレンス 13,ライリー 14,石田 15,サムグリーン
16,江良 17,木村 18,竹内 19,下川 20,ファカタバ 21,福田 22、中野 23 木田
3)準決勝 FIJI カナダ
日本時間 15日(祝)午前99:35 RUGBYPASS
ラグビーの格がちがうのでフィジー有利は動かない。だだし、フィジーのパフォーマンスには波がある。それがフィジーの国民性である。カナダの勝機は先制、先行が必須の条件となる。
ジャパンにとっては、決勝戦は格上のフィジーになる可能性は濃厚なので、このゲーム、仮想決勝戦を意思してのフィジー選手の戦力などを見極めるゲームとして観戦したい。
注目選手は
2番 キャプテンのイカニベレ:モールからのトライも多い
10番 ムンツ 自由奔放なフィジーラグビーに緻密さを加えた立役者
12番 タマニバル 日本でもおなじみ、日本の選手の特徴を知っている。