南半球チャンピオンシプが開幕となった。
この大会、南アフリカがどれだけ圧倒的な強さをみせるのが注目であるが、12月2027年Wカップの組み合わせを巡って、現在6位のオーストラリアと7位のアルゼンチンの6位以内枠の争いも見どころである。
南アーオーストラリア22−38
ライオンズ戦第三戦目実力のあるところを見せたワラビーズが、ヨハネスブルグに登場。メンバーはほぼその3戦目とおなじだが、SOには3年ぶりのジェームスオコナーがはいった。(かつてのやんちゃな悪ガキも35歳、すこし太った印象あり)
前半キックオフリターンからのキックを空中戦を制覇し、再獲得。ものすごいスピードで攻める。ブレークダウンでも前に出るので、ゲラントウィリアムスの球裁きの早いこと早いこと、そのスピードで全員が繋いで15分までに3トライ。ぶつかっても倒れてみも全員がゴム毬のように躍動する。あっという間に22m内にはいっている。南アの凄さが炸裂だ。
前半22−5、だれもが南アの楽勝と思われた。
ところが後半になると、試合展開はまったく様相を変える。後半開始直後にトライを摂ったのを皮切りに、流れは完全にオーストラリアに移動する。
南アは早めにメンバー交代を行うが、それでも止められない。
なぜこんな展開になったのかまったく不思議なゲームになった。
これでなんと南アは格下のワラビーズに16点差でホームで破れ、ランキングポイントを一挙に3.0P失う事になった。結果89.78ポイントは、トップから転落し3位に後退することになった。
オーストラリアはBPも上げ、エリスパークでは1963年以来となる歴史的勝利である。
しかし、けが人が多いワラビーズ。スリッパー、トゥポウも心配だ。
アルゼンチンーオールブラックス
24−41
コルドバの会場は、日本にもあるような陸上トラックのあるスタジアム。しかもサッカー会場にあるような金網つきでいただけない。
ここで行われるオールブラックス戦は初めてである。観客はキックオプ前からノリノリだ長い長いアルゼンチン国歌も大合唱。しかし、オールブラックスのカパオパンゴをお行儀よく静まり返って受け止めるというリスペクトには感心だ。
フランス人のまだテストマッチ経験の浅いピレリーのレフリングは努めて厳しめである。ブレークダウンやSHへのチャージはもちろん、キックのポイントやり直させるなど細かい。反則の自覚があるアルゼンチンとちがって、合法と自覚している、オールブラックスのメンバーにはストレスの貯まるものだったにちがいない。
オールブラックスは、スクラム、モールで圧倒、ディフェンスを集めたところで、大外のセブリースが2トライ。モールでも2トライと圧倒。ラインアウトでコンテストするアルゼンチンのディフェンスが裏目に出ている。
オールブラックスのディフェンスは、大外が前にでるような弓なりの形で激しく前に出る形であり、アルゼンチンは思うようにボールを前に進めない。
前半で10−31
このスコアでは楽勝でオールブラックスの勝利と思われた。
しかし、後半はオールブラックスのディフェンスのちょっとしたスキからアルゼンチンが2トライを返し24−31。7点差。勝敗はわからなくなる。
しかしその後途中出場のタウケイアオホの2ライで23−41と引き離してノーサイドとなった。アルゼンチンのラインアウトディフェンスのコンテスト選択には最後まで疑問が残った。
オールブラックスはランキングTOPに踊り出た。
オーストラリアとアルゼンチンの6位以内争い、はゲーム前の0,3ポイントの僅差か3.48Pに広がった。アルゼンチンは8位のスコットランドとの差も0.03Pしかない。