2025年はノックオンがノックフォワードとなり、ゴールラインがトライラインという呼称に統一されるなどのエポックメイキングな年になった。これにかかわらず、ラグビーでは時代により新しい言葉が出たり消えたりしている。そこで、最新の言葉だけでなく参考としてに過去の言葉もできるだけ拾い上げ、ここに ラグビー現代用語の基礎知識を全面的に改定する。
あいうえお順にはじまり、5月までの完成を目指す。ある程度の段階で都度、公開はするがその後も都度加筆や修正をおこなう。履歴は残さない。
目次
- オーガナイズ organize (戦術)
- オークランド Auckland(場所) オークランドブルース Auckland Blues
- オーストラリア Australia(国名)
- オーストラリア代表(チーム名)
- オオソト 大外 (戦術)
- オーツー O2(企業名)
- オオトモノブヒコ 大友信彦(人物名)
- オオニシショウタロウ 大西将太郎(人物名)
- オオニシテツノスケ 大西鐵之助(人物名)
- オーバー over(テクニック 文化)
- オーバーザトップ Over the top( ルール、チーム名)
- オープン Open(=オープン攻撃)(⇔ブラインド攻撃) (戦術)
- オールアウト All Out(技術 文化)
- オールブラックス All BLACKS(チーム名)
- オシャレナプレー お洒落なプレー(テクニック)
- オタゴ Otago (場所)
- オックスフォード Oxford(関連 ケンブリッジ)(場所 文化、チーム名)
- オドリスコル Brian Gerard O’Driscoll ブライアンオドリスコル(人物名)
- オフィシャル official(ルール)
- オフサイド offside (⇔オンサイド)(ルール)
- オフサイドライン offside Line (ルール)
- オフフィート off feet (ルール)(=倒れ込み、オーバーザトップ)
- オブストラククション’ Obstruction (ルール)
- オフロード off-load オフロードパス off-load pass(戦術、技術)
- オリンピック Olympic(文化、大会)
- オレンジアーミー orange army(文化)
- オンサイド Onside(⇔オフサイド)(ルール)
オーガナイズ organize (戦術)
組織化のことである。
キャプテンやコーチにより、チームを組織として機能させるための処対策をいう。
ゲーム中はディフェンスやアタックに組織的な一貫した動きが求められる。こてはおもにキャプテンやSOの役割になる。
また、ピッチ外では、チームを戦う集団としてどのような組織にしてくのかも重要であり、各々補役割、たとえば、リーダーシップやフォローワーシップなど、さらにコミュニケーションなどを改善していく。
オークランド Auckland(場所)
オークランドブルース Auckland Blues
オークランドはニュージーランド北島にある、ニュージーランド最大の都市である。人口は165万人。オークランドブルースがある。
中心部から南西にあるイーデンパークはブルースの本拠地で、収容観客席数は6万人。1887年の2011年W杯では、開会式や決勝戦が行われた。
オーストラリア Australia(国名)
南半球オーストラリア大陸とその周辺の島々からなる国。英国連邦の一員である。首都はキャンベラ。人口は2500万人。コアラやカンガルーなど貴重な有袋類の生息地。国土の大半は砂漠であり、人口は東武南部の沿岸や西沿岸部の一部に限られている。
18世紀にはオーストラリアは大英帝国のおもな流刑地として利用された。
19世紀からは白豪主義はとられ、白人優先ので移民が。
現在は原住民のアボリジニの伝統文化も大切にして、人種問題などは全く存在していない。
スポーツ大国でもあり、水泳やなどの有名選手を排出している。クリケット、オージーボールやリーグラグビーも盛んで、ユニオンラグビーの人気はそれほどあるわけでない。
1987年の初回W杯がNZと合同で行われ、2003年大会が行われ、2027年には三回目となる大会が行われる
オーストラリア代表(チーム名)
W杯優勝2度をほこるラグビー大国である。愛称はワラビーズ。エンブレムンも描かれている。(因みにオーストラリア女子チームはワラルーズ)
今年の夏はライオンズを迎え撃つ、秋には来日が決まっている。
オオソト 大外 (戦術)
ラグビーのスクラムやラックなどの攻撃ポイントからタッチ際(とくに広い側)を外という、大外はその一番端の位置である。一般にはWTBがポショニングしてることがおおいが、近代ラグビーではPOD等の戦法は主流で、セットプレー以外のポイントの場合フランカーやプロップがポジショニングしていることも多い。
オーツー O2(企業名)
英国に拠点をもつ大手携帯通信会社、日本でいえばドコモみたいなもの。アイルランドやイングランドのナショナルチームのスポンサーで、両国のジャージには胸に大きくO2のマークが入る。(2025年現在はアイルランドはライバル苦行のボーダフォンになっている。イングランドはO2が採用されている。
オオトモノブヒコ 大友信彦(人物名)
ラグビーを主なフィールドとして活躍する日本のスポーツライターである。雑誌ナンバーに連載をもつ。東北気仙沼出身早稲田卒で、釜石など東北のラグビーに詳しい。ラグビーで震災復興をめざす団体、スクラム釜石にも所属。
自転車を趣味にしているのでほとんどの取材をチャリで行っている。
大友さんの取材ノートはすごい。観戦するゲームのメモは一面細かい文字で埋まっている。
主な著作には
『楕円球に憑かれた男たち』洋泉社 1997
『再起へのタックル』洋泉社 1999
『南アからウェールズまで』洋泉社 2000
『オールブラックスが強い理由』東邦出版 2011
『エディー・ジョーンズの監督学』東邦出版 2012
がある
オオニシショウタロウ 大西将太郎(人物名)
元日本代表で、現在はスカパーを中心にラグビー解説者として活躍中。
現役時代はSOとして、ワールド、ヤマハなど渡り歩いて活躍。キャップ数は33。ハイライトは2007年W杯のカナダ戦で、終了直前に同点のゴールキックを決めた。この時解説の小林深緑郎は「オーバー」と叫んだ。この出来事は2015年のブライトンの奇跡がおきるまで、日本ラグビー界の最大のエポックであった。
現役時代から海外ラグビー事情に詳しく、その解説には定評がある。Jポーツ現在は日テレなどにも出演している。
「ラグビーカタルシス」という動画を配信していたが、このところ更新がない。
オオニシテツノスケ 大西鐵之助(人物名)
早稲田ラグビーにとどまらず、日本ラグビー界でも精神的な支柱であり、重要人物であった。ラグビーを哲学し、教育的価値としての「闘争の倫理」を説き、戦術的には海外の専門書を読みこなし、日本人にあった独自のラグビーを突き詰め、早稲田のみならず、日本代表の監督として落とし込んだ。それは、「接近・展開・連続」という言葉で評される。この日本代表チームは1968年ニュジーランドに遠征しオールブラックスジュニアを23-19で破り、1971年9月には日本にイングランドを招いて3−6の記録的接戦を演じた。
理論派であるが情熱派でもある。また純粋なスポーツの価値としてのアマチュアリズムの考えをもっていた。スポーツへの政治介入に反発しモスクワ五輪のボイコットに断固反対した。
オーバー over(テクニック 文化)
戦術的は意味のオーバーは、ブレークダウン後のラックの際に相手を押しのけてボールを乗り越えマイボールを確保する技術である。
前項にあるように2007年W杯カナダ戦で、終了間際の同点ゴールが決まった際に、小林深緑郎は叫んだ言葉である。海外ラグビーが今ほど配信されていない当時はこのタイミングでなぜオーバーというのかしばらく謎だった。小林は、独自にラジオの短波放送で海外ラグビーの実況を聞きまくっており、アナウンサーがオーバーとさけぶのを聞いていて、身についていたということである。
オーバーザトップ Over the top( ルール、チーム名)
シルベスタースタローン主演の映画の題名ではない。
ブークダウンのあとのラック形成の際に相手側に倒れ込んでボール出しを邪魔する反則である。日本語でいうと「倒れ込み」という反則である。ここ数年で「倒れ込み」はおろか「オーバーザトップ」という言葉が使われなくなり、オフフィートという言葉を使うのが一般化している。
埼玉県戸田市に本拠地があるクラブラグビーチーム。正式名称は曙光戸田オーバーザトップ。長年埼玉県協会所属だったが、現在は関東協会の社会人3部所属になっている。
オープン Open(=オープン攻撃)(⇔ブラインド攻撃) (戦術)
密集からボールが出た際に、グランドの広い側のスペースを有効利用して攻める手法。
オープンサイドフランカー Open Side Flanker(ポジション名)(⇔ブラインドサイトフランカー)
ラグビーのフォワードのポジションであるフランカーは、6番と7番の2人いる。通常は6番が左フランカー、7番が右フランカーだが、ゲーム中に戦術的に入れ替えてオープン側とブラインド側として固定することが多い。
オープンサイドフランカーは走力があり、一早くブレークダインへいき行き体をはるタイプである。7番をつけることが多い。
オールブラックスのリッチーマコウ、サムケイン、ワラビーズのマイケル・フーパーなどが代表的なオープンサイドフランカーである。運動量が豊富で常に体を張り続けることから、メンバーの信頼が厚く、キャプテンとなるここが多い。
なぜか南アフリカはこの6番と7番は逆である。
オールアウト All Out(技術 文化)
ラグビーで「オールアウト」は出し切る事。
、雨瀬シオリによるラグビー漫画のタイトル、2012年から月間モーニングに掲載された。
オールブラックス All BLACKS(チーム名)
ニュージーランド代表チームの愛称。この名前の由来には2つの説がある。1つ目はジャージが黒で統一されていたためである。2つ目は、1906年のウェールズ遠征で連戦連勝の記録を作ったときに、その快挙を新聞記者が全員がバックスのようにプレーしていると記事をかいたつもりが、バックとブラックのスペルをまちがえたというものである。
オシャレナプレー お洒落なプレー(テクニック)
ノールックパスや背面パス、絶妙なタイミングのゴロパンなど、華麗で小憎らしいプレイを「おしゃれなプレー」と称することがある。所謂泥臭くなく、スマートで小賢しい都会的なプレーである。現在近鉄ライナーズ所属のクレイドクーバーなどはこのプレーを得意とするファンタジスタである。
オタゴ Otago (場所)
ニュージーランド南島にある都市。人口万人で学生の街でもある。ラグビーでこの街が特別なのは、スーパー14のハイランダーズの本校地であるからであるがあるからである。
オックスフォード Oxford(関連 ケンブリッジ)(場所 文化、チーム名)
イングランドのロンドンの北二位置する街の名前で、有名な大学である。もちろんラグビーも盛んであり、ケンンリッジとの定期戦はバーシティマッチとよばれ、毎年12月に行われる。初回は1872年で、これに出場すると、ブルーの称号を得られる。日本人で林、身内 土佐誠
オドリスコル Brian Gerard O’Driscoll ブライアンオドリスコル(人物名)
アイルランドラグビー界のレジェンド、1979年生まれ、キャップ数はなんと132 アイルランド代表のキャプテンを長く努めた。ポジションはセンター。現在は解説者となっている。
オフィシャル official(ルール)
審判員のこと、テストマッチなどでは下記の
レフリー1名
アシスタントレフリー(タッチ)2名
アシスタントレフリー(選手交代)1名
TMO 1名
オフサイド offside (⇔オンサイド)(ルール)
オフサイドはラグビーやサッカーなどフットボール特有の反則である。つまり、ボールをゴール前で待っていいて、ボールをもらったらすに得点といいうのは卑怯なプレーであるという美学である。
まだ村の祭典としての原始フットボールだったころの話だ。隣村同士が戦い、相手の協会のドアにボールを持ち込んだほうが勝ちというようなものだった。プレーに参加していないふりをしてゴール前のパブでビールを飲んでいて、たまさまボールが転がってきたので教会に蹴り込んで祭りは終了。なんてことが頻発し、それはずるいとルール化されたらしい。諸説ある。
サッカーは1キーパーと1対1の場面でボールを受けたらオフサイドとなる。ラグビーはボールより前にいること自体がオフサイドであり、そこでプレーに参加してしまうとオフサイドの反則を取られる。密集の場合はその密集はボールを同じとみなされ、その最後尾がオフサイドラインとなる。(次項参照)
オフサイドライン offside Line (ルール)
ラグビーでオンサイドとオフサイドを分ける仮想のライン。常にトライライン(ゴールライン)に並行になる。
ラグビーでは常にボールの位置が先頭という考え方なので、ボールの位置がオフサイドラインとなり、ボールより前方はオフサイド、ボールより後方がオンサイドとなる。
しかし、ラグビーのルールが難しいとされるのはここからで、後追いでさまざまルールが付け足されている。
1,密集(ラック、モール、ブレイクダウンなど)の場合、参加してるプレーヤーの最後尾の足の位置(足でなく体の一部でもよい)の位置がオフサイドラインである。
2,スクラムやラインアウトの場合、そこに参加していないプレヤーはその地点から決まった距離が離れた位置がオフサイドラインになる。スクラムは最後尾から5m。ラインアウトはタッチの場所(=ラインアウトの中心部=ラインオブタッチ)から7mとされる。
さらに2024年夏からスクラム時のスクラムハーフのオフサイドラインの変更もあった。これまではボールの位置だったのだが、ディフェンス側はスクラムのセンターラインがオフサイドラインとなった。これで、攻撃側の攻撃オブションは格段に広がることとなった。
3,トライライン(ゴールライン)前5m以内の攻防の際は、トライラインがオフサイドラインとなり、防御側がそれより前に手をついていればオフサイドになる。
4,キックの場合。キックされた地点より前のプレヤーはすべてオブサイドである。そのプレーヤーはオンサイドになるように常に後方に動いていなければ、プレーに参加しているとしてオフサイドのペナルティが課せられる。また、後方に帰ろうとしていてもボールの落下地点の10mの円の中に残っていればやはりペナルティーである。
(この円も厳密に言えばオフサイドラインなわけだが、これをオフサイドラインと表した例は聞いたことがない)
補足
サッカーのオフサイドラインは、ゴールラインから2番めの相手の選手の位置である。つまりラグビーでは前に何人いてもNGなのにサッカーは2人までに軽減されたというだけのことである。
サッカーではオフサイドラインとうことばよりはディフェンスラインという言葉がよく使われる。ディフェンスラインの上げ下げで、オフサイドラインをコントロールできるからである。
オフフィート off feet (ルール)(=倒れ込み、オーバーザトップ)
ラグビーは立ってプレーしなければならない。ブレークダウンでラックが形成さらたときに手をついたりして自立できていないと判断されるとこの反則が適用される。以前はオーバー・ザ・トップといって相手側にかぶさって球出しを妨害する行為を反則としたが、それも含めてより厳密にレフリングするようになった。しかし判定はむつかしく、レフリーにより適用にむらや癖はある。
オブストラククション’ Obstruction (ルール)
相手のプレーを妨害する行為。ボールより前方にのこっていて相手のタックルコースにはいっていたり、キックの落下地点への相手のランニングコースに入っていたりする行為。これは反則でペナルティが与えられる。
ラックなどの密集からの玉だしを阻止するために手や足をだしたりすることもオブストラクションとなる。
さらにモール攻撃でもモールがちぎれてボールが後方の密集に残っていた場合。前の密集は全員がオブストラクションとなってしまう。
オフロード off-load オフロードパス off-load pass(戦術、技術)
道なき道である荒野を突っ走るオフロードバイクのオフロードではない。(このスペルはOFF ROAD)。off-loadは「荷物を下ろす」という意味である。荷物とはボールのことであり、タックルされ倒れる寸前にその荷をおろして別の人に託しという意味から来ている。
ちなみにアメリカのロックバンドのTHEBANDの代表曲に「The Weight」がありが、その歌詞の中に出てくるload と同じである
Take a load off, FANNY
Take a load for FREE
Take a load off, FANNY
And you put the load right on ME
オリンピック Olympic(文化、大会)
現在オリンピックでは男女7人制のラグビーが採用されている。採用されたのは2016年リオデジャネイロオリンピックからである。
2016年リオでジャネイロ大会では、男女ともフィジーが金メダル。ジャパン男子もNZを破り4位に入賞した。2020TOKYOでも男子はフィジー、2024パリはサンドニのスタッドフランセを会場をとしておこなわれ、男子はっデュポンの活躍でフランスが優勝した。
オリンピックとラグビーは歴史的に密接な関係がある。近代オリンピックの生みの親クーベルタン男爵はラグビープレーの経験もあり、レフリーだった。実を言えば、元をたどれば、クーベルタン男爵が「スポーツで世界平和」という近代オリンピックのコンセプトをおもいついたのは、彼がイングランドのラグビー校に行ってラグビーを初めて見たときに始まるのだ。
第一回から第三回までオリンピックでは15人制ラグビーが採用され、第一回大会ではクーベルタン男爵自ら決勝戦の笛を吹いた。
オレンジアーミー orange army(文化)
クボタスピアーズのサポーターの名称。チームカラーのオレンジを着ているので、オレンジアーミーと呼ばれる。
このオレンジアーミーの後押しをうけてスピアーズは快進撃を続けている。地域やサポーターとの関係が好循環を産んでいる好例といえる。
オンサイド Onside(⇔オフサイド)(ルール)