第58回大学選手権は、関東関西各リーグの波乱の順位を反映した波乱の組み合わせになったので予想がつきにくい状況となっています。
18日には、本格開催となる4回戦4試合が行われました。4試合とも激戦となりました。現地観戦、TV観戦で4試合全部を観戦した結果、東西の力関係もかいまみることができました。印象をまとめてみました。
秩父宮では、慶応ー近大、日大ー日体大のゲームが行われました
慶応ー近大
結果13−10 HT3−0
慶応は対抗戦初戦に筑波に完敗しながらも、その筑波のその後の尻窄みによって対抗戦4位で大会に滑り込みました。
対する近大は、昨年最下位の関西リーグの前半で、同志社、天理を撃破して、その後も優勝した京産大とも接戦を演じていました。
ゲーム前にはホームで伝統の慶応と、アウェイで秩父宮になれてていない近大ではハンデもあったのではとも思いました。
両チームとも序盤から攻めながらの肝心なところでハンドリングエラーが多く、なんとも歯がゆい展開です。ディフェンスがギリギリ頑張っているといえばそのとおりではあるのですが、双方トライになりません。ミスが多いので、結果スクラムの機会もおおくなり、そのスクラムも双方ともまともにボールが出ないのでなんども組み直しになります。スクラムではお互い様で互角というところでしょう。
最初にトライが生まれたのが、慶応で、ディフェンスのスキを付いて中央突破FB山田くんが中央突破したのでした。その後の近大のトライは左隅ゴール前PGを得た途端スクラムかラインアウト選択かの状況で、慶応のディフェンスのスキを見つけて右WTB植田君へのキックパスが決まったものでです。(植田君へのキックパスのトライは関西リーグ同志社戦でもありました)
その後近大は変わったばかりのPR辻村くんが密集からトライして3点差になります。辻村君の加入スクラムまでも安定します。近大は試合終盤ではさらにハーフ陣を交代すると攻撃にリズムがでてきます。3点差なのでPGが決まれば、同点引き分けでトライ数の多い近大が次のゲームに進出します。必死に守る慶応はついに反則を犯してしまいます。しかしその場所はど真ん中ハーフウェイの手前側。ここからPGを狙いますがこれがそれてしまって、さいごまで3点差のままノーサイドとなりました。近大はもう少しだけ頑張って次のPGチャンスを待てなかったのでしょうか、悔やまれます。
近大は選手交代のタイミングが早ければよりよかったのかのしれません。。ジャージの色と同様に爽やかで好感の持てるチームでした。
慶応は次は東海大です。勝ちを拾った形ですがその状況はかなり深刻でしょう、得点力がどこにあるのか見当たりません。この日は得意のゴーム前モールも封じられてしまいました。東海大のスクラムやフィジカルにどう対抗するのか難しいように思えます。
日大ー日体大
第二試合は、日大と日体大の日日対決となりました。日体大はひさびさの大学選手権出場で、応援にも熱がこもります。日大は最近は大学選手権常連ですが、アメフト部からはじまった学校の不祥事が相次ぎ、世間の風当たりがつよくこちらは逆風の中のゲームです。
結果41−22
最後には差がついてしまいましたが、差がついたのは後半の後半でそれまでは全く互角の戦いでした。
日大はエース水間君(日大は関係者を含めなぜか相撲取り体型が多いように思えるのは偏見でしょう)のトライで先制し、12−0とリードを取ります。しかし日体大の頑張りで、特に足元への弾丸タックルが何度もきまって、日大の前進を許しません。これから日体大怒涛の連続3トライが決まり12−17と逆転します。これを演出したのは付属校から進学して今年4年制になったトンガトリオです。キッカーでランにディフェンスに活躍のエーズバイエリ、スクラムで圧倒したリサラ、(特にこの日の大活躍はリサラです)2連続トライのWTBラウイ。この3人はぜひとも世界的プレーヤーとなって、トンガ代表を目指してほしいと思います。いやその可能性は十分あるのではないでしょうか?しかし、この3人前半から飛ばしにどばして大活躍だったいて、後半に残念ながら2人が怪我などで退くことになってしまいました。この3人が揃わないと途端にスコアに差が出てきてしまいました。日体大はこの3人に頼っていて、選手層の薄さが課題です。来年以降は心配です。
日大は得意のモールからの井上君のトライを量産しました。決め手があるのはつよいです。次は京産大戦となります。