今回はアルザスです。
アルザス概要
ライン川の左岸でライン川の向こう岸はドイツです。現在はアルザスはフランス領ですが、古来からドイツとの間でその領有権を巡って戦争が絶えませんでした。元々はヨーロッパの形を決めるきっかけになった843年の「ヴェルダン条約」と、前年の「ストラスブールの誓い」で、アルザスは中フランク王国に組み込まれていました。その後も神聖ローマ帝国に編入されています。
この地域はアルザス語を話します。しかし文化的にはほとんどドイツといってよいかと思います。ワインもそうですがビールも古くからよく飲まれ、料理も当地の名物料理、ドイツ風の「シュークルート」「タルト」などによくマッチします。食通を指す「グルメ」語源の「グールメ」はこの地方の美味しいワインの取引をする人を指す言葉でした。この地域のワインはライン川を通じて輸出されました。
アルザスの中心はストラスブールです。(というか今ではEUの諸機構がストラスブールにあります)。パリからTGVで2時間弱で到着できます。ストラスブールはライン川最大の河港で商業の中心として栄えました。もともとストラスブールとはドイツ語で「街道の街」のことです。モーツアルトやゲーテ、グーテンベルグなど文化人がこの地を好んで生活の場にしました。
ストラスブールの旧市街「グランテイル」はドイツ風の雰囲気のある街並みで世界遺産に登録されています。
辛口白ワイン
アルザスのイメージは何と言っても、辛口の白ワインのイメージです。川の向こう側はもうドイツ最南端のワイン生産地域バーデン地区ですので、ドイツワインに非常に類似します。ボトルの形もスリムなラッパ型でドイツワインと同じ形をしています。
ぶどうも、ドイツで盛んに作られる、リースリングをはじめゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、ミュスカの4品種に限られます。これら混ぜずにそれぞれの味が楽しめるようになっています。
フランスでリースリングが使われるのは、アルザスワインだけです。ゲヴェルツトラミネールはドイツ語でスパイスの意味があります。薔薇の香りや、グレープフルーツ、ライチ、や桃の香りがします。黒ぶどうですが、皮を綺麗に取り除くので白ワインになります。
甘口ワイン
VT(バンダンジュタルティブ=遅摘み)のワインも糖度が高くなって甘口高級ワインです
SGN(セレクションドグランノーブル=貴腐)貴腐菌がついて糖分が高くなっています、