JAPANに最初の相手は南アフリカである。ブライトンの奇跡から4年、早くもW杯での本番での再戦が実現することになる。
通常より1日前にメンバーが発表になった
ムタワリラ、ムボナンビ、マルヘーベ、エツベス、デヤーハー、コリシ、P・デュトイ、フェルミューレン
デクラーク、ポラード
マピンピ、デアリエンディ、アム、コルビ、ルルー
イタリア戦とほぼ同じメンバーで、熊谷のJAPAN戦、オールブラックス戦とは1、2番を入れ替えただけである
南アフリカのチームの特徴は、フィジカルで押しまくることは知られるところではある。しかし、最大の南アフリカのチームの強さの特徴はそれではない。私が指摘しておきたいのは、南アフリカというチームは、日本以外の参加国39チームの中で一番JAPANの強さ、脆さを知るチームであることである。そしてJAPANといチームを日本という国に一番親しんで、一番リスペクトしているチームであるということである。
一つにはトップリーグの参加者および参加予定者が多いことが挙げられる。フェミュルーレンはクボタ、スナイマンはホンダ、EヤンチーズはNコム、ルルーはキャノン、ステインは東芝など。さらに、スーパーラグビーの、ライオンズ、シャークス、ブルズ、などで何度も日本に遠征し、プレーを経験している。
そして、このW杯後にも、マルコムマークスはNコムに加入するなど多くの選手コーチ人は日本との関わりが多い。一緒にプレーした仲間である。選手の名前と顔の一致はもちろん、プレースタイルはもちろん、ニックネームから家族構成、食べものの好き嫌いまで、日本のプレーヤーのことを熟知している。これは強みである。
さらに日本の環境をよく熟知している。わかりやすく言えば、「どこへ行けば、誰がいて、どんな店があって何が美味しいかを分かっている。」というようなことである。これはどのチームにも無い強みである。
さらに2つ目に、今回も参加39チームの中で一番早く来日している。それは日本の気候風土を知っていて、それにメンバーを慣れさせることの重要性の認識の表れである。そしてベストの状態を維持して、ベストのメンバーで熊谷でのウォームアップマッチに挑んでいる。それは、JAPANの成長を最も早くから評価していることの表れである。そして、そのゲームでは、徹底して勝ちにこだわり、フィジカルを前面に出すというより、キックをうまく使いJAPANの課題をあらわにした。これも、JAPANをよく分析している証拠である。
さらに、南アの国民性にもその一つである。その国民性とは、基本的に真面目で几帳面、派手なことは嫌い、多様な文化風土の存在になれている、またそれへの順応への抵抗が少ない、など。逆に北半球からのチームにとっては、日本での長い生活はかなりストレスが溜まるはずである。例えば、ベットの大きさ、バスタブの大きさ、便座の高さなど、さらにはバスの座席の広さから廊下の狭さなどである。これらの違和感はじわじわと身体的感覚的ストレスとなって彼らに重圧をかけてくる。もちろん9月上旬の真夏の暑さから11月の冬の気候までの日本の四季の中で一番変化の激しい時期をこの長い間過ごすことは、結構なストレスである。さらには台風の襲来なども経験はないはずである。南アの選手の多くはこれらを経験済みであり、どう対処するかも十分心得ている。
以上は南アの強みであり、ジャパンにとってはアイルランド、スコットランドよりも戦いにくい相手であることは間違いがない。