in a GURAUND イングランド 第二回 薔薇戦争、二人の王子殺害の犯人は

  1. イングランドはラグビーのホームグラウンドであります。現在、元日本代表HCのエディさんがHCをつとめ、11月17日にはJAPANとの一戦もあります。 ロンドンは単に観光やファッションという華やかな面だけでなく、過去のさまざまな悲惨で残酷な歴史の上に成り立っています。そういうわけで怪奇現象が多く目撃されるスポットも多い訳です。このシリーズでは数回に分けてロンドンやイングランドでのミステリアスな現象を紹介します。

赤い薔薇と白い薔薇

イングランドの代表ラグビーチームのエンブレムと言えば赤いバラです。


何故赤いバラかといいうと、それは中世の薔薇戦争の結果です。

薔薇戦争はヨーク家の白薔薇とランカスター家の赤薔薇の戦いです。

 

 

 

 

こればイングランド中を戦場にして敵味方入り乱れ、約30年続きました。
最終的に赤薔薇のランカスター家がヨーク家のリチャード3世に勝利し、ランカスターのヘンリーとヨーク家のエリザベスオブヨークが結婚、ヘンリー7世として即位、チューダー王朝を樹立することで集結します。

ヘンリー7世は前回の問題人物ヘンリー8世の父になりますが
今回は、白バラヨーク家の最後の王リチャード3世の話です。

リチャード3世と2人の王子

リチャード3世は、グロスター公時代に2人の若い王子をロンドン塔に幽閉しその隙に戴冠し、ヨーク家最後の国王となったことで有名な人物です。

(歴代のグロスター公のなかでもリチャード3世は特に有名です)
(グロスターと言えば日本のラグビーファンにはキングホルムスタジアムで馴染みがあると思います)

若い王子はロンドン塔に幽閉されますが、いつのまにか姿が見えなくなり
その後、遺骨と思われる骨が発見されます。

この若い2人の王子はときどき幽霊となってロンドン塔に現れているようです。

ddouk / Pixabay

 

 

 

 

 

この2人の王子の殺害は誰もがリチャード3世の差し金であると信じられてきました
シェイクスピアの戯曲「リチャード3世」でも狡猾な人物としてえがかれます。

リチャード3世名誉復権の動きと遺骨発見

これに対し、リチャード3世はそのような人物でないと主張する歴史家が多くおり、最近は評価は見直されています。

シェイクスピアは、チューダー朝お抱えの劇作家ですので、敵役としてリチャード3世を設定しています。
何の根拠もなく悪者として演出されている可能性が、大いにあります。

有名な推理小説 「時の娘」でもリチャード3世擁護の論理が展開されています。


(時の娘は1990年全英推理小説協会での歴代NO1のの評価を受けた名作です。)

 

 

そんな中、なんと7年前(2012年)にレスターの町でリチャード3世の遺骨が見つかりました。
レスターは15世紀の薔薇戦争の古戦場です。それから530年たったことになります。
今回たまたま工事のため駐車場の下から発見されました。
死因は、これまで伝えられていた通り、戦死ということも明らかになりました。
現在、遺骨はレスター大聖堂に安置されています。

レスターはラグビーファンにはレスタータイガースの本拠地として有名です。
レスターの町の近くにはエリス少年伝説の伝わるラグビー校があるラグビーの町もあります。

 

白バラのほうはと言えば、スコットランドのコーナーで紹介したジャコバイトの紋章となっています。

イングランドチームが赤薔薇をつけていると、スコットランドは敵対心をもつのでしょうね。

倫敦塔

ロンドン塔の2人の王子の幽霊は、リチャード3世の遺骨発見後もたびたび目撃されているのですが、一体何を訴えようとしているのでしょうか?、

ロンドン塔ではこのほかにも多くの処刑者があり、
アン・ブーリン、ジーン・グレイ、ローリー等の幽霊が目撃されています。

9日の女王ジーングレイの処刑の際の絵は、日本でも怖い絵として昨年公開されましたね

これらをもとに、夏目漱石は留学中にロンドン塔を訪問し、短編小説「倫敦塔」を残しています。ここ青空文庫で読むことができます

627389 / Pixabay

 

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