LEGOの作品 ギロチン (欧州の死刑の歴史)

秋となり、ハロウィーンが近くなってきました。
現在そのハロウィーンに合わせて作品を作っています。
その中で、恐ろしい死刑道具「ギロチン」を作りましたので紹介し、その他の死刑方法の歴史も紹介します。

 

中世から近世の欧州では、死刑は、火刑、斬首、八つ裂き、つるし首などがありました。死刑は多くが公開で行われ、市民の中では一大イベントとなっていたようです。
実はこれらの刑の方法にはランクがありました。

1、火炙り

魔女裁判、異端裁判などででは、火刑(火炙り)が行われました。
フェリペ2世のスペイン、やオランダでは異端は全て、火刑です。さらにフェリペ2世の妻となった、イングランド女王メアリー1世もイングランドのプロテスタントを次々に処刑します。キリスト教では魂は天国に行って戻ってるとも考えらたので、遺体を灰にしてしまう火炙りでなければなかったのです。ジャンヌダルクも魔女裁判で有罪となり、火炙りで処刑されています。

生きたまま、柱に縛って、下に持った薪に火をつけるという方法ですが、火が弱いとなかなか絶命しなく、大きな苦しみを伴うという残酷なものです。そんな時は見物に集まった者達ももう見てられなくで、早く苦しみから逃れさせるために細かな薪を集めてきて焚べてやったということです。

 

2、八つ裂きの刑

国家反逆罪などの重罪には八つ裂きの刑が施されました。一番派手な処刑方法で、一番苦しく、痛みを伴います。手首足首に縄をかけ、4頭の馬に4方向にかけ出させ四肢をバラバラにしてしまうという方法です。
スコットランドでは英雄のウィイリアムウオレスのがこの方法で処刑されています。

ジェームス1世などもろとも議会の爆破計画をしたガイフォークスも八つ裂きの刑にされました。

3、絞首刑

そのガイフォークスの死刑を担当した死刑執行役人トーマスデリックは絞首刑の方法としても現在に名を残します。港にあるクレーンで荷物を吊り上げる装置をデリックというのは、このトーマスデリックの名前から来ています。

見せしめのために長期間吊されたままにして置かれることが多かった様です。アンポワーズ事件では、ロアールの美しい城のアンポワーズ城の窓という窓、バルコニーというバルコニーにユグノー達の遺体が吊されたままにされました。

FranceIntense / Pixabay

4、斬首

貴族や王などは、斬首という方法がとられます。
専門の首切り執行役人が専用の首切り用のオノを使って一瞬で切り落とします。
首切り役人は世襲によって代々受け継がれ、貴族に準ずる厚い待遇を受けていました。死刑執行人アンリサンソンなどは有名人物です。

ただし、死刑執行人の腕次第では、切り落としが難しく、何度もやり直さねばならないこともあったそうです。
メアリースチュワートもフォザリンゲイ城で斬首されますが、この時はフランスからわざわざご指名の首切り役人が呼ばれました。しかし、それでも失敗して2度目でやっと落とされたということです。しかも、首を持ちあげようと髪の毛を掴んだところ、それはウイグで、頭だけが落ちて床に転がって行ったということも伝わっています。

5、ギロチン

お待たせしましたやっとギロチンの話です。

フランス革命では、その理想は人権擁護、平等主義です。上記の様に死刑の方法にランクがついているのとか、痛みや苦痛を伴う方法はフランス革命の主旨に反します。そこで新たに発明されたのがギロチンでした。ギロチンというと恐怖の死刑道具と思われがちですが、全く反対で、当時は最先端の人道主義、博愛主義に根ざした理想的な死刑道具だったのです。失敗することなく苦痛はなく一瞬でことが終わります。

発明したのは、当時の国民議会議員のギロタン伯爵です。ギロタン伯爵の名前を取ってギロチンという呼び名が定着しました。その開発にあたっては、先に名前の出たアンリ=サンソンも参加しています。さらにこのギロチンで斬首されることになるルイ16世もアイデアを出しています。ルイ16世は王様になったのがいけなくで実は理系のエンジニアタイプでした。時計や錠前いじりが趣味でその腕前はプロ級だったと言います。ギロチンの歯が斜めになっているのは、ルイ16世のアイデアであリました。まさか、自分自身がロベスピエールによってギロチンで最後を迎えるとは思ってもいなかったことでしょう

このルイ16世をはじめ、ジャコバン独裁、恐怖政治の時代には、マリーアントワネット、ダントン、エベール、1日で十数人もギロチンの歯が落とされ、休む間もなかったということです。ついにロベスピエールもギロチンになり、恐怖政治は終わります。

 

現在、先進国で死刑制度が残っているのは日本くらいなものです。
死刑制度の廃止を求めます。

 

 

 

 

 

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