ワイン音痴の私は、ラフビーW杯フランス大会までにワイン(特にフランスワイン)の知識を得ようと思い立ちました。しかし、普段ビールやウイスキーのみで、ワインを飲まない習慣の私には、実際一向に知識は増えません。少しずつ勉強の成果を綴っていきたいと思います。(ワイン通の方には当たり前のことなのでしょうけれども)
赤ワインと白ワインの工程
今回はワインの製造工程です。
まずは基本的な赤と白の作り方で、シャンパーニュやロゼについては次の機会にします
赤ワインは黒ぶどうからしかできませんが、白ワインは、白ぶどう以外にも黒ぶどうからでも製造できます。私も長年勘違いをしていまして最近知ったばかりです。
要はアルコール発酵の際に皮や種を一緒に混ぜるで行うか、絞り出したぶどうの汁だけを使ってアルコール発酵を行うかの作り方の違いです。赤ワインの色や渋みは、皮のもつアントニアニンや渋み成分が抽出したものです。
下記の模式図参照
ここで各工程のうち、需要なところをピックアップします。
赤 マセラシオン
赤ワインの最も需要な工程の一つです。マセラシオンとは「醸し」のことで、糖が酵母によって発酵し、アルコールと二酸化炭素に変化します。それと同時に、ぶどうの皮や種の部分から色素(アントシアニン)や渋み成分(タンニン)を抽出するという工程です。だいたい2日間から2週間ほどかけます。この時により抽出を全体に均等により効率的に進ませるために、ビジャージュという方法と、ルモンタージュという方法がとられます。
ビジャージュは、原始的ですが、上に浮いてきた皮や種を櫂を使って人手でかき混ぜる方法です。より穏やかな自然な抽出が可能で、ブルゴーニュのピノ・ノワールなどで使われる手法です。
ルモンタージュは、より機械的、近代的で、ポンプなどを使って、タンク内のワインを循環させる方式です。ボルドーなど大量生産する巨大なタンクなどで使われます。
赤 マロラクティック発酵
アルコール発酵が終わった後の二次発酵です。乳酸菌の働きで、ワイン中のリンゴ酸をまろやかな乳酸菌に変化させる工程です。白ワインでもこの工程を行うことはありますが、赤ワインではほとんどの場合で行われます。リンゴ酸の酸っぱさが薄れ、味に旨みや深みが加わります。
ウイスキーの場合もやはりこの乳酸菌発酵が行われます、蒸留所によって異なる乳酸菌が住み着いており、その個性で味わいの違ったウイスキーになります。
白 デブルバージュ
白ワインは収穫したぶどうを圧搾してぶどう果汁だけを取り出しますが、このぶどう果汁は皮の一部など色々なものが混じっておりに濁っています。これを綺麗な透明色にする工程がデブルバージュです。通常は冷温内で放置することで不純物を沈殿させます。この時に特殊な土を添加してそれに不純物をくっつかせてより効率的に沈殿させます。そして綺麗で透明な上澄みだけをアルコール発酵の工程に移します。アルコール発酵も赤の場合と違って低温で行うことで、フレッシュな香りを出させます。
白 バトナージュ
続いて、樽やタンクで熟成させます。この熟成の最中にワインをかき混ぜる作業バトナージュと言います。樽の場合、樽の側面の穴からバトンのような棒を入れてかき混ぜます。バトンを使うのでバトナージュという名がつきました。実はアルコール発酵によって、酵母は死んで檻になります。この檻は見た目はゴミのようなものなので、取り除いていましたが、実は全く毒でも邪魔なものでもなく、豊かな、旨み成分なのです。この旨み成分をワインの中に溶け込ませることで、複雑な味になり深みが出ます。
ビールの場合でも、ビールの製造工程で、アルコール発酵によって、ビール酵母は死にますが、ビール酵母だけ栄養剤として通販などで売られています。そのように酵母の死骸は貴重な栄養素なのです。