TOKYO2020で、7人制ラグビーが行われます。
昨年にわかラグビーファンとなった皆様には特に、7人制ラグビーは縁が遠かったと思います。実は毎年桜の咲く頃になるとセブンス(7人制ラグビーのことをセブンスと言います)の季節を迎え、国内でもさまざなな大会が開かれた。もし例年ですと、目にする機会もあったはずなのですが、今年はコロナの影響で全て中止になっています。
そこで、オリンピックの予習を兼ねて、7人制ラグビーとはどんなものなのか、その魅力を語っていきたいと思います。
1、15人制とセブンスの関係を他のスポーツに例えれば
マラソンと短距離?
まあそうも言えるかもしれませんが、セブンスには団体競技の面白さがあります。
それでは
駅伝と400mリレー?
確かに近いものはありますが、セブンスはバトンでなく楕円球を使いますからもっと面白いです。リレーはバトンを落としたら終わりですすが、セブンスでは、ボールを取り損ねてもノックオンにならなければ、かえってチャンスになったりもします。セブンスはパスもありますので、400mリレーでバトンパスを投げても良いルールに変えれば、それは近いかもしれません。
サッカーとフットサル?
確かに近くなってきました。しかしフットサルのコートの大きさは、通常のサッカーより非常に小さくなります。それに比べて、15人制とセブンスのコートの大きさは同じですから、ちょっとイメージは違います。
六人制バレーとビーチバレー?
確かに、ビーチバレーと6人制は同じコートの大きさで、その「軽さ」も同じような魅力です。ショーアップされた会場の雰囲気も近しいものがあります。こんな感じかと思えば良いかもしれません。
2、十五人ラグビー脳と七人制ラグビー脳
15人制に比べセブンスの魅力はその「軽さ」にあると述べましたが、この考え方の切り替えはプレーヤーにも求められます。15人制のラグビー脳と、セブンスラグビー脳では全く違った思考回路が必要です。上段が15人制ラグビー脳で下段がセブンスラグビー脳です。
多少のミスは80分の中でカバーできる
一つのミスがが命取りになる
ボールを持ったら前に行く
ボールを持ったらスペースに行く
諦めずに最後までタックルに行く
諦めて次のプレーに備える
確実にフェイズを重ねる
一か八かでも勝負する
チームブレー重視
個人の身体能力、センス重視
ここぞの時の瞬発的なスピード
持続的な全速力を何度も繰り返す
残り5分での逆転は難しいかも
残り10秒もあり、充分逆転は可能だ
ジャパンでは福岡堅樹選手が7人制への出場を目指していますが、体の使い方も違えば、頭の使い方も違いますので、その切り替えは大変なものがあると察します。
まとめ
上記のラグビー脳の違いは、ありがちな典型的違いを書き出しただけですので、勝負となると何がどう有効になるのか全く想像もつきません。それこそがセブンスの魅力です。
実は前回のリオの大会でこんなことがありました。この大会ジャパンはニュージーランドを破る金星をあげました。このゲーム時福岡選手は大活躍で、1対1で抜かれてても最後まで追いかけてゴールライン手前でタックルしてトライを阻止するなど、普通のセブンスでは考えられないような15人制仕込みのスーパープレーが炸裂しました。
要するにあまりスタイルを考えすぎないのが、基本的にセブンスの脳です。
これば観客の観戦スタイルにも同じことが言えます。15人制ではいろいろ難しいことをいう親父がいて、とっつきにくいところもありますが、セブンスはそんなところはありません。
「何も考えずに感じたままを楽しむ」これが正しいセブンス脳と言えます