決勝戦
フィジー ジャパン
33−27
ジャパンは負けはしたが、大会前の予想以上のチームとして成長ぶりを感じた。一度は引き離されたゲームを持ち直し、最後はどっちに転びかわからないゲーム展開に持ち込んだ。
しかも、前節のトンガ戦から、石田、グリーンが怪我で、さらに守りの要のガンターを欠いた布陣で、苦手のフィジーに当たる、さらに開始直前に頼りになるライリーも欠場といった期待より不安だらけのなかキックオフも、その不安は当たらなかった。入りでの先制トライとPGでの追加という試合の主導権を鮮やかに決めてみせたのだった。
そこまではまさにゲームプラン通りであった。
しかし、その後フィジーが流れを掴むと、それはなかなか止められない。前半だけで4トライ、さらに後半直後に5トライ目となるトライをうばい、33−10。この流れでは、このまま大敗をしてしまうのではという嫌な予感がした。
そんな私が悪かった。ジャパンは予想以上にチームとしての成長を果たしていたのだ。フィジーの流れを止めたのは、やはり、キャプテンのディアンズだった。ビックタックル一発でチームに火をつけた。ビジネスに「役割が人をつくる」という言葉があるが、まさにそれはディアンズに当てはまる。キャプテン就任後プレーに凄みが増し、体をはることでチーム全体を引っ張っている。
するとフィジーの悪い癖がでてくる。フィジーはプレーが雑になり反則を繰り返し、フィジーFWにイエローカードが2枚。一時は13人、スクラムのノーコンテストでも1人少なくせねばならなかった。ジャパンは冷静にせめてトライを奪ばう。PGも決めて残り20分で6点差、まだフィジーは14人。
まさにこれぞテストマッチ、手に汗握る攻防が20分続く。ジャパンもメンバーを入れ替えながらも猛攻撃をかけ、フィジーもHIAなどでメンバー交代に浮浪しながらも応戦する。手に汗握るこれぞテストマッチというゲームである。
最終的にはフィジーも15人にもどって、なんとか逃げ切ったというゲームであった。
昨年の17−41と比べても現在のJAPANは、フィジーとの差は殆どないくらいに縮まったといえる。
フィジーはこの夏はオーストラリアには21−28と敗戦、スコットランドには29−14で勝利している。ジャパンもこのクラスに肩を並べるところに限りなく近くなっている。
こうなると、秋のテストマッチが期待できる。この日欠場のガンター、ライリーはもちろん、木村も原田も斎藤ももどってくる。さらには、日本代表資格を取得する選手も追加されるかもしれない。メンバーの層の厚みも増しそうだ。