映画「名もなき者」を見てからディランを聞き直しています。また、自分なりに解釈し、訳詞をつけてみました。
今回は 追憶のハイウェイ61
65年発売のアルバム「Highway 61 Revisited」のタイトル曲で、B面の2曲め。1974年のTheバンドとのライブ盤にも収録。その後のライブコンサートでもよく取り上げられている
30周年コンサートでは白人の白子のブルースマン、ジョニー・ウィンターがサンダーバードでスライドをかき鳴らしていた。
映画「名もなき者」では、街角で買ったサイレンのなる笛が登場し、スタジオでメンバーと一発取り。
ハイウェイ61はアメリカ南部をニューオリンズからミネソタまで南北に縦断する路線。途中にメンフィスなどを通る。ディランはミネソダでそだったのでこの61号線はメンフィスやニューオリンズといいた黒人音楽のメッカへへ通じる道という、特別な想いがあるはずだ。
このハイウェイはさまざまな逸話や都市伝説がある。
いちばん有名なのはブルースにまつわる「クロスロード伝説」。この曲はクリーム時代からのクラプトンの十八番だ。この交差点はこの61号線と49号線をまたがる交差点である。ブルースの偉人、ロバート・ジョンソンがこの場所でギターがうまくなるために悪魔に命を売ったとされる。
1930年代にブルースの女王とよばれたベッシー・スミスは、このクロスロード近くの61号線で追突事故にあって救急車で搬送された。しかしどの病院も黒人を受け入れてもらえず、たらし回しにされてしまう。やっとミシシッピーの病院についたときには息絶えていたという。
1968年キング牧師が狙撃され暗殺されたのもこの61号線沿いのロレインモーテル(450 Mulberry St. Memphis, TN. 38103)の306号室のバルコニーだった。
しかし、ディランがこの曲を書いたのは、その3年前の1965年になる。
曲はそんな陰鬱な曲でなく、ナンセンスに韻を踏んだものなので、訳も韻を踏んだものしてみた
1番
一番は、旧約聖書に出てくる「イサクの燔祭」をもじったもの。聖書では神はアブラハムにやっと出来た2人の息子のうちの跡継ぎであるイサクを神に生贄としてささげろを命じるのだが、この歌では生贄の祭壇の場所が61号線になっている。
Oh, God said to Abraham, “Kill me a son”
神がアブラハムに、「息子を生贄に」
Abe said, “Man, you must be puttin’ me on”
「そいつは冗談だに」
God said, “No” Abe say, “What?”
「いいや冗談などではない」 「なんでかに」
God say, “You can do what you want, Abe, but
The next time you see me comin’, you better run”
「好きにして良いぞよ、でも次は如何に」
Well, Abe said, “Where do you want this killin’ done?”
(了解)「どこで殺ればいいんかに」
God said, “Out on Highway 61″
神が言った「61号線のはずれだぞい」
聖書では最後の最後で神がアムラハムの信仰心を試したことを明かすのだが、堅実世界の61号線ではどうもちがっているようだ。
2番
2番では生活に苦しむジョージアサムの事が歌われる
Well, Georgia Sam, he had a bloody nose
ジョージア・サムは鼻血ブー
Welfare department, they wouldn’t give him no clothes
福祉局へいっても衣類も貰えずー
He asked poor Howard, “Where can I go?”
貧乏ハワードにに聞いた「どこならいいんだ?」
Howard said, “There’s only one place I know”
ハワードは「1つだけなら知っているだ」
Sam said, “Tell me quick, man, I got to run”
サムは言った「はやく教えてくれよ、もうまてないっす」
Old Howard just pointed with his gun
老練ハワードは 銃を指差す
And said, “That way, down Highway 61″
「あっちだ、ハイウェイ61さ」
鼻血ブーのサムは、残念ながらもう生きては無さそうだ。
三番
三番では
不条理な不用品の処分に困っているマックザフィンガーのことが歌われる
Well, Mack the Finger said to Louie the King
マック・ザ・フィンガー、尋ねた先はルイの君
“I got forty red, white and blue shoestrings
「赤、白、青の靴ひも、40組」
And a thousand telephones that don’t ring
それにイカれた電話、千台のゴミ」
Do you know where I can get rid of these things?”
これらをなんとかしたい 処理」
And Louie the King said, “Let me think for a minute, son”
キング・ルイは 「ちょっと頭をひねり」
And he said, “Yes, I think it can be easily done!
そして言った、「それはいとも簡単なり」
Just take everything down to Highway 61″
「すべてをハイウェイ61に持って行け」
「カラフルな多量の靴紐」や、「千の鳴らない電話」とは、社会における解決の出来ない大量の不条理な問題を暗示していると解釈できる。それらすべて61号線にもっていけばなんとかなるらしい。
4番
4番では複雑な事情を抱える大家族の会話が聞こえてくる。
[Verse 4]
Now, the fifth daughter on the twelfth night
五番目の娘が、12日の夜
Told the first father that things weren’t right
メインの父親に聞いた 「始末悪(わる)」
“My complexion,” she says “is much too white”
「私の肌は白すぎる」
He said, “Come here and step into the light”
彼は言った 明かりの下で見てあげる
He says, “Hmm you’re right
彼は言った、「これは確かでござる」
Let me tell the second mother this has been done”
サブの母に伝えましょ」
But the second mother was with the seventh son
だけども、サブの母、七男防と一緒
And they were both out on Highway 61
二人でねんごろ、ハイウェイ61
もう近親相姦の嵐。夫婦関係、親子関係がめちゃくちゃである。61号線沿いなら人目につかず、何をやっていても判らないのだ。
5番
Now, the roving gambler he was very bored
流浪の賭博師、退屈し
Trying to create a next world war
世界大戦、画策す
He found a promoter who nearly fell off the floor
見つけた元締め、頼りない
He said, “I never engaged in this kind of thing before
But yes, I think it can be very easily done
やったこた無いけど簡単さ
We’ll just put some bleachers out in the sun
And have it on Highway 61″
露天に客席つくるだけ、
そこは61号線
1番から5番まで、多くの人物の固有名詞がでてくる。ディランのことだから名付けに何か意味があるのかもしれないが、今の私にはまだ不明である。