2025年はノックオンがノックフォワードとなり、ゴールラインがトライラインという呼称に統一されるなどのエポックメイキングな年になった。これにかかわらず、ラグビーでは時代により新しい言葉が出たり消えたりしている。そこで、最新の言葉だけでなく参考としてに過去の言葉もできるだけ拾い上げ、ここに ラグビー現代用語の基礎知識を全面的に改定する。
あいうえお順にはじまり、5月までの完成を目指す。
目次
- ウィリアム・ウェブ・エリス William Webb Ellis (人物 1806年11月24日 – 1872年1月24日)) (関連:エリス少年、エリスの伝説、エリスカップ)
- ウェールズ Wales (国名)
- ウェールズ代表チーム(チーム名)
- ウォークライ Warcry(文化)
- ウォーター water(トレーニング) ウォーターwater(係) ウォターブレイクwater break(ルール)
- ウチ 内 (⇔ソト外)(イン、アウト)(技術)
- ウノスマイ 鵜住居 (=正式名:釜石鵜住居復興スタジアム)(場所)
- ウマンガ Tana” Umaga (人物名)
- ウラ 裏(⇔オモテ 表)(技術)
- ウルグアイ Uruguay 正式名:ウルグアイ東方共和国(国名)
- ウルグアイ代表チーム Uruguay (チーム名)
ウィリアム・ウェブ・エリス William Webb Ellis (人物 1806年11月24日 – 1872年1月24日))
(関連:エリス少年、エリスの伝説、エリスカップ)
ラグビーの発祥は1823年11月、この若者がラグビー校のグランドでのフットボールのゲームの最中に、手でボールを持って走り出したこととされる。これが所謂「エリスの伝説」。
ウィリアム・ウェブ・エリスは実在の人物で、名門ラグビー校に学んだ。フットボールのゲームに出たのも間違いがないが諸説ある。
その後ウィリアム・ウェブ・エリスは神学の道にすすみ、フランスで布教活動をおこなう。エリスの墓は南仏イタリアとの国境近くの街、マントンの海の見える小高い丘の上にある。
(余談だが、マントンの観光案内所に行って「エリス少年の墓はどこ」と訪ねてもピンと来ていない様子であった。というのはエリスというのはどこにでもいる名前だからである。ウィリアム・ウェブ・エリスとフルネームでいったところ言えばすぐに教えてくれた。考えてみたら、エリスはいつまでも少年ではなかったのだ。)
ウェールズ Wales (国名)
ウェールズはUKを構成する4つの国の一つ。今でもゲール語が使われるなど独自のケルト系文化が残っている。有名な「アーサー王の伝説」の舞台であり、国旗には中央にレッドドラゴンが描かれている。国歌は「ランドオムマイファーザー」。
歴史上古くから強国のイングランドの支配下にあった。皇太子をプリンス・オブ・ウェールズとよぶ伝統は、イングランドによるウェールズ懐柔策が起源である。
首都はカーディフ。産業革命時には炭鉱の街として栄えた。宮崎駿のラピュタの「スラッグ渓谷」はウェールズの炭鉱地域がモデルである。
ウェールズの人たちは皆、歌がうまい。特に男性コーラスには定評がある。余談だが、2019W杯の際、味スタでのキック前に私が一人ウェールズの賛美歌でもあを歌い出すと、ウェールズのおじさんが3度でハモリ出し、次にBASSのパートのやつも加わり、最後には数十人の大合唱になってしまったという経験がある。
ウェールズ代表チーム(チーム名)
ウェールズ協会の設立は1881年と古く、以降世界的な強豪国で有る。特に1970年代のウェールズの戦績はすばらしかった。フィルベネット、ガレスエドワージ、JPウィリアムス、などの名選手が活躍し「赤い悪魔」とおそれられていた。
愛称はレッドドラゴンズ。エンブレムは、3つの羽であり、これはプリンスオブウェールズの象徴でもある。
ホームグランドはカーディフのプリンシパルスタジアム(旧来のアームスパークが建て直され、ミレニアム・スタジアムとなり、さらにネーミングライツで現在の名前になっている)。ここでの国歌ランドオブマイ・ファーザーの合唱は怒涛のような迫力である。応援歌はや「カロラン」も歌われる。
さらに応援には極太の長ネギである「リーキ」が欠かせない。
(余談:ナントの宿で同宿となったウェールズ人にその訳を聞いてもわからなかった。持ち込んだリーキはそのウェールズ人にウェールズ風に調理させ振る舞われたが、味のほうは微妙だった。できれば、日本風にシンプルにねぎ焼きにして醤油をたらして食したかった。)
強豪のウェールズだが、近年資金難で協会の運営が怪しくなり、スキャンダルの勃発や、ストライキの発生、人材流出が相次ぎ、戦績も振るわない。なんとテストマッチ15連敗中であり、ランキングも11位と低迷している。
ウォークライ Warcry(文化)
相手を威嚇し、仲間を鼓舞する戦いの前に披露するダンスである。
ラグビーではオールラックスのHAKAが有名である。テストマッチのキックオフ前に披露される、ニュージーランドでは各ラグビーチームはもちろん、各地域や学校などにも独自のHAKAが存在している。高校などでHAKAを踊る。
ウォークライはニュジーランド以外にも下記の様に南半球の島国のチームによって引き継がれている。
ニュージーランド ハカ 「カマテ」と「カパ・オ・パンゴ」
フィジー 「ジンビ」
トンガ 「シピタウ」
サモア 「シヴァタウ」
日本の相撲の土俵入りも一つのウォークライといって良いのではないか。研究対象に値する。テストマッチで掛け声と共に「雲龍型」を披露すれば、相手はビビること間違いないと思うのは私だけだろうか?
ウォーター water(トレーニング)
ウォーターwater(係)
ウォターブレイクwater break(ルール)
昭和の体育系の世界では、練習中は水を飲むなと指導が平然と行われていたが、現在はまったくそのようなことはなくなった。熱中症は命に関わる危険なものである。これはスポーツ科学以前にわかり切っていたことでもある。
ラグビーのゲームにおいてレフリーは必要に応じて前後半に数回の数分間のウォーターブレイクを入れることができる。
ラグビーのゲームで、試合中に水を入れることは安全面だけでなく、体力的、精神的、戦術的にも重要である。
ラグビーは監督の指示を直接選手に伝えることはご法度なのだが、唯一の方法としてこのウォーター係を通じて間接的に指示を与えることが可能である。したがって、各チームのウォーター係には、ゲームに出ていないチームの中のリーダー格が多く担当している。ボーデンバレットや田村優などはよくウォーター係としてピッチに登場する。
ウチ 内 (⇔ソト外)(イン、アウト)(技術)
イン・アウト参照
ウノスマイ 鵜住居 (=正式名:釜石鵜住居復興スタジアム)(場所)
2011年の東日本大震災で悲惨な被害を受けた地域の復興を目指して、2019年のWカップの誘致が行われ、津波にあって消失した小学校と中学校のあった釜石市鵜住居地域のこの土地にスタジアムが建設された。
2019年7月にはW杯に挑む日本代表とフィジーのテストマッチ開催され、W杯では、釜石市の全小学生が国歌を歌うなどのフレンドリーな雰囲気の中、ウルグアイがフィジーを破るという歴史にのこる感動的なゲームが行われた。
しかし、カナダVSナミビアのゲームは台風の影響で中止になった。
現在はリーグワン2部に所属する釜石シーウェイブのホームグランドでもある。
(余談:全く個人的なことだたが、筆者の甥は2021年夏にこのスタジアムで結婚式をあげた第一号である)
ウマンガ Tana” Umaga (人物名)
元オールブラックスのセンター。キャプテンの経験もある。キャップ数は74。現在はスーパー14のモアナパシフィカのHC。
ウラ 裏(⇔オモテ 表)(技術)
イン・アウトの項参照
ウルグアイ Uruguay 正式名:ウルグアイ東方共和国(国名)
南アメリカの南東部にある共和国。首都はモンテビデオ。ブラジル、アルゼンチンという大国にかこまれる。アルゼンチンから独立、国名にある東方とはアルゼンチンとの国境となったウルグアイ川の東ということである。
国旗にはアルゼンチンと同様に古代インディオのシンボル「5月の太陽」のマークが施されている。
サッカーの強豪国であり1930年の初回ワールドカップの優勝国である。
ウルグアイ代表チーム Uruguay (チーム名)
南米で昨今急激に実力をアップしている。愛称はロステロス、ロスレトスとは現地に自生する小鳥で国鳥になっている。
2019年日本のワールドカップで釜石でフィジーをやぶって一躍人気チームとなった。水色のジャージはどのショップに行っても売り切れであった。すポーチジャーナリストの藤島大がどの番組でもそのジャージを着て出演しているのを見て羨ましかった。