Creedence Clearwater Revival 全曲解説  デビュー・アルバム

このLPはゴウォックスとなのっていた彼らが、ファンタジーレコードとメジャー契約をして1967年に録音、シングルとしてPorterville”を発売も全くヒットせず、1968年にクリーデンスクリアウォーターリバイバルと名を変えてし発表したデビューアルバムである。2番め(CCRとしてはデビュー)のシングルSusie Qが全米11位まで上がるヒットをした。

このときのファンタジーとの契約が相当不当だったのもので、その後50年にわたる法定闘争を引き起こすきっかけなった。その契約内容の詳細は明らかになっていないが、メンバーの取り分はそうとう不当なバランスであったようだ。しかも、その後の3年間で、6枚のアルバムというハードスケジュール。著作権はファンタジーレコードがわあり、その楽曲のすべてがジョン・フォガティ主導で録音されることも条件であり、メンバー他のメンバーは、まったく意見をいえずほとんどいわれた通りに演奏するだけということだったという(実は、ラストアルバムだけはメンバーが曲作りに参加が許されたが、売れなかった)。
当時のファンタジーレコードの社長はソウル・ゼインツであった。彼はCCRの連続のヒット曲による不当で莫大な収入を元手に「カッコーの巣の上で」など映画業界でアカデミー賞3度という偉業を成し遂げている。

Side one
1. “I Put a Spell on You” Screamin’ Jay Hawkins 4:30
2. “The Working Man” 3:03
3. “Susie Q” Dale Hawkins, Eleanor Broadwater, Stan Lewis 8:35

Side two
1. “Ninety-Nine and a Half (Won’t Do)”Steve Cropper, Eddie Floyd, Wilson Pickett 3:36
2. “Get Down Woman” 3:08
3. “Porterville” 2:19
4. “Gloomy” 3:48
5. “Walk on the Water” John Fogerty, Tom Fogerty 4:35

1, I Put a Spell on You

いきなり始まるのは大御所ジェイミーホーキンスの1956年の代表曲でヒット曲のカバーである。
サンフランシスコ出身のジョンフォガティ達にはブルースやロックンロールなどの影響から、南部への特別な想いがあった。ジェイミーホーキンズは、米国南部のブードゥー教をイメージさせる奇抜な衣装やステージングで人気になった。彼らにとっての南部、そこは薄気味悪くおどろおどろしい一面もあるものだった。

ジョンの楽曲にはCCR時代からソロになったその後まで、このようなオカルト的イメージの曲が度々発表されている(バッドムーンライジング、ランスルーザジャングル、アイオブザゾンビ、オールドマンザロード等々)。その系譜の緒をなすものとして位置づけられる。

I put a spell on you because you're mine
You better stop the things that you're doing
I said, watch out, I ain't lying
Yeah, I ain't gonna take none of your fooling around
I ain't gonna take none of your putting me down
I put a spell on you because you're mine
All right, take me down

お前に呪いをかけてやる
お前は俺のものだからな
好き勝手するのはもうやめときな
気をつけろってんだ 嘘じゃない。
ふざけやがって 許すもんか
コケにするのもほどほどにしとけ
呪いをかけてやる
お前は俺のものだからな
いいか、裏切るんじゃないぞ

イントロは不気味な効果音が聞かれ、突如はげしいスネアのロールで始まる。
何と言ってもジョン・フォガティの怒鳴り散らすかの如き迫力の歌唱が聞ける。

基本はKEYがEmのブルースなのだが、
ギター・ソロの終わりの頃でB7→C→F→D→G→A
とコードがせり上がってくる所が、せっぱつまった感を出している。

ギターソロが終わると、1番と同じ歌詞が繰り返される。

 

2,”The Working Man” 3:03

ジョン・フォガティのオリジナル。完全なブルース形式。キーはCの半音上がり。
南北戦争以前の南部の黒人奴隷の成長と挫折を想像して歌ったものであろう。

歌詞の内容は、生まれてから働きづめで、それが当たり前でうまく行っていたと思い込んでいたが、最後に落とし穴に落ちてしまうというオチがある。

1
Well, I was born on a sunday; on thursday I had me a job
I was born on a sunday; by thursday I was working out on the job
I ain't never had no day off since I learned right from wrong
Mama said I was bad, I did something to her head
Mama said I was bad, I did something to her head
And poppa threw me out, ooh, said, "I gotta earn my own way."

日曜に生まれ、木曜には仕事についていただ
物心ついてからこのかた、休んだことなんかねえ
母(かかあ)は「悪かったわね」とは言ったが、俺は何もしてねって
お父(とう)は、俺を追い出し、「自分で稼げ」だとよ

[Chorus]
I ain't never been in trouble
I ain't got the time
I don't mess around with magic, child
What I got is mine

トラブルなんてあったこたねーど
そんな暇なんてねーんだ
魔法なんかじゃねーど、坊主
俺のもんは俺のもんだからな


[Verse 2]
Whatever you say, lord, well, that's what I'm gonna do
Whatever you say, well, that's what I'm gonna do
Cause I'm the working man, lord, and I do the job for you

ご主人さま、何をお申し付けても良ござんず
俺は働く男、貴方様のお仕事なら

[Chorus]
I ain't never been in trouble
I ain't got the time
I don't mess around with magic, child
What I got is mine

トラブルなんてあったこたねーど
そんな暇なんてねーんだ
魔法なんかじゃねーど、坊主
俺のもんは俺のもんだ


Every friday, well, that's when I get paid
Don't take me on friday, lord, cause that's when I get paid
Let me die on saturday night, ooh, before sunday gets my head

毎週金曜に、手当が入る
金曜は俺を使わないでくれ、給料日なんだからさ
土曜の晩には死なせてくれよ、日曜日の悩みの前に

コード進行

C# F# C#C#
F# A C#C#
A F# C#C#

 

3. “Susie Q”  8:35

原曲は1957年のデール・ホウキンス(ロニーホウキンズの義兄弟)の曲で、ブルースとしては定番。ソニーボーイなども取り上げている。作曲には実はプレスリーのバックギタリストとして有名なジェームス・バートンも関わっているという。

CCR最初のシングルヒットとなった(全米11位)のだが、CCRはこの定番ブルーズをなんと8分以上の長さで演奏している。とても長いので、シングルはA面がパート1B面がパート2となっているほどだ。左チャンネルからフェイドインして入ってくる演奏は、難しいことは何もしない。単調なリフとリズムを延々と刻み続けるため、演奏には忍耐が必要で、聞く方には催眠効果がある。その上にジョン・フォガティのだみ声やギター、ブルースハープのソロが乗っかってくる。歌詞はオリジナルから大幅にカットされて、決めの歌詞の部分だけが繰り返される。途中サイケなハーモニーも交えている。その辺は60年代ヒッピーブームの真っ只中のサンフランシスコの空気も若干感じられる。

Oh, Suzie Q Oh, Suzie Q Oh, Suzie Q
Baby, I love you, Suzie Q

I like the way you walk I like the way you talk I like the way you walk
I like the way you talk, Suzie Q
歩く姿が好きだ、話し方も好きなんだ スージーQ

[Guitar Solo]

[Verse 2]
Well, say that you'll be true Well, say that you'll be true
Well, say that you'll be true And never leave me blue, Suzie Q
本当の事を行ってくれ、俺を落ち込まさせないで、スージーQ

ところでスージーQとは何者なのか?あるサイトによれば、タップダンスを踊るセクシーなお姉さんのことだと言う話である。われわれは70年代にベースを引っ提げた女性ロッカーのスージー・クワトロを思い出すが、時代は違っている。ちなみにスージー・クワトロは本名だそうだ。

コードはE7 E7  AC7B7E7

なんとA面はこの3曲で終了である。

4,Ninety-Nine and a Half (Won’t Do)”

ウィルソン・ピケットの隠れたヒット曲である。作曲はご当人と昨年2025年12月に亡くなったスティーブクロッパーに、エディ・フロイドの3人。66年に発売された2曲のご機嫌な2曲のR&Bチャートナンバーワンヒット「734ー5389」、「ダンス天国」に囲まれて13位どまりだった。

ジョン・フォガティのボーカルは本家のウィルソン・ピケットにも負けていない。当時ジョン・フォガティが「実は黒人なのでは」と噂されていたのもうなずける。しかし演奏はすこし稚拙で危なっかしい。本家のスタックスのメンバーの演奏と比較してしまうとグルーブ感が若干不足している。CCRは69年のウッドストックのメインアクターとして登場した際にもリストに入っていたが、こちらの演奏のほうが熱がこもっている。当時はメンバー内でもかなりのお気に入りだったようだが、後期のセットリストからは外れている。
CCRはグラディスナイトアンドピッピスやマービンゲイの「悲しきうわさ」のように、このようなR&Bのカバーもアルバムには時折収録されている。

[Verse 1]
I got to have all your love
Both night and day, oh yeah
Not just a little part, but all of your heart
Oh yes I do, child

お前のすべてがほしいんだ
夜も昼もだ
一部だけでなくすべてだ
そうなんだ

Ninety-nine and a half just won't do
No, ain't gonna get it, no
99.5%じゃ足りない
残りが手に入らないのは嫌なんだ


Don' t be led in the wrong direction, oh no
Start this thing, a man needs a little love and affection
Oh yes he do, child

変な方に向かないようにしてくれ
男には必要な愛と優しさから始めよう
そうさそうなんだ

Ninety-nine and a half just won't do
Just won't get it, no, no
99.5%じゃ足りない
残りが手に入らないのが嫌なのさ


We got to bring it all down, start getting it right
We got to stop this messing around, and keep the thing up tight
Yes we do, now

全部ぶち壊し、最初からやり直すんだ
ゴタゴタはやめ、しっかりするんだ
そうさそうなんだ
Ninety-nine and a half just won't do
Oh, no, no, just won't get it, alright

99.5%じゃ まだ足りない
残りが手に入らないのが嫌なのさ

 


コードはE7とA7の繰り返しのみ。

 

5,Get Down Woman”

シャッフルなブルース進行の曲、なんの変哲もない歌詞。ギターのフレーズだけがイナたさを示している。ジョンフォガティはピアノ(おもちゃのピアノのようだ)を軽く奏でてもいる。

Well, get down woman, before I have to go
Well, get down woman, before I have to go
You know, ya hurt me with your bad mouth
An' I just don't wanna know

踊らないかい 行かなきゃならない前に
お前の返答で俺を傷つけたのさ
知らなきゃよかった

Well, slow down, baby, and gimme a little time
Well, slow down, baby, and gimme a little time
If you want me hanging 'round
Gotta give me some peace of mind

ゆっくりしようぜ、時間をくれよ
俺のそばにいたいんなら
心を落ち着かせておくれよ

Oh, get down boy

Well, get back, woman, before you bring it down
Well, now, get back, baby, before you bring it down
Or you can tell it to the wall
Without me hanging around

戻ってこいよ 終わる前に
俺がいない間に壁と話すがいいさ

6. “Porterville” 2:19

デビューシングルとして発売されたが、全く売れなかった曲である。Portervilleはカリフォリニア州の中部の東の外れになる田舎町。都会であるサンフランシスコからベイブリッジを渡った先のバークレー生まれのジョン・フォガティが、なぜこの街を故郷に見立てた曲を作ったかは不明である。歌詞の内容はこの街でトラブルがあって、ずっと逃げているがそれでも構わないというだけの曲である。
ジョン・フォガティは2年後に同じ様にカリフォリニアの当時無名の小さな街、ローダイを故郷に見立てた歌をつくっている。こちらは、歌手を夢見て、故郷を出たが売れなくて、故郷に戻ろうとする正反対の曲である。

It's been an awful long time since I been home
But you won't catch me going back down there alone
Things they said when I was young are quite enough to get me hung
(I don't care! I don't care!)

家にいた頃からは酷く長い時が経った
けど、そこへ一人で戻ろうなどとは思わない
若い時に吊るし首にされると言われたんだ
(構わねえ、構わねえ)

They came and took my dad away to serve some time
But it was me that paid the debt he left behind
Folks said I was full of sin, because I was the next of kin
(I don't care! I don't care!)

奴らは親父を刑務所に入れややがった
でも、残された借りを返したのは俺なんだ
血縁者の俺に罪を擦り付けやがったんだ
(構わねえ、構わねえ)

[Chorus]
Oo-oo-oo-oo-oo-oo-oo-oo!
(I don't care! I don't care!)

[Verse 2]
Folks were out one night to put me up a fence
And you can guess that I've been running ever since
Ain't no one that's 'bout to help, and I'll keep on, I tell myself
(I don't care! I don't care!)

ある夜、奴らは俺を塀の中に入れようとしやがった
お察しの通り、それからずっと逃げどうしだぜ
助けてくれる奴などいない、俺は逃げ続けると誓ったんだ

[Chorus]
(I don't care! I don't care!
I don't care! I don't care!)

7、Gloomy” 3:48

Gloomyとは、「鬱陶しい」とか「陰鬱」という意味だ。簡単な印象的なギターのリフに乗って、ジョンのボーカルはまさに救いようのない状況を歌い上げる。途中のギターソロもテープの逆回転をつかって不気味だ。ボーカルの部分はすぐに終わって、曲調はかわり、転調。サイドギターが主導を握って、テープの逆回転からはじまるギターソロにかわり、だんだん激しくなって終わりを迎える。

Some people laugh in the dark
Some people cry alone
Some people talk without saying a thing
And everything turns out gloomy

影で笑う奴がいりゃ
一人で泣く奴もいる
言いたいことさえ言えない奴もいる
すべてが憂鬱になっていく

Some people count your money
Someone is counting your days
And somebody got to keep track of your mind
When everything turns out gloomy

金を数える奴がいりゃ
(給料日を)指折り数えて待つ奴もいる
誰かが救ってやらねばなるまい
すべてが憂鬱になっていく

Brothers'll make you look sideways
Fathers'll make you look back
And when you're done talking, you still got to shoot
Cause everything turns out gloomy

兄貴は横目で見させておき
父ちゃんは振り返らせやがる
話が終わった時にゃ、あんたはもうブッ放してる
すべてが憂鬱だからなんだ

 

8,walking on the water

この曲は、前進のバンド、ゴリウォックス時代のナンバーの焼き直しである。したがって作曲者にジョンの兄トムフォガティが加わっているという珍しいナンバーになる。

詩の内容は、聖書の一節でキリストが水の上を歩いたという、何件かある有名なイエスの奇跡のエピソードの一つである。この時弟子たちは夜中の3時頃に、水の上をあるいてやってく幽霊と思っておそれ慄いたという。

ジョンのボーカルはこういったオカルト的な曲にはうってつけである。

Late last night, I went for a walk
Down by the river near my home
Couldn't believe, with my own eyes
And I swear I'll never leave my home again
I saw a man walking on the water

昨晩(ゆんべ)のことさ、散歩したでさ
そしたらさ、家のそばの河原んそばでさ
おったまげたさ
家んなかに一目散さ
水の上の歩く奴を見ちまったもんでよ


Coming right at me from the other side
Calling out my name, "Do not be afraid"
Feet begin to run, pounding in my brain
I don't want to go, I don't want to go
No, no, no, no, hey, no
I don't want to go
Mmm

向こう岸からこちらへやってきやがり
俺の名を呼ぶんだもんだ
「怖がるな」と言いやがる
もう足はガクガク、脳天ドキドキでさ
いやだ いやだ
行きたくなんかねえ

 

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