12月3日 W杯組み合わせ抽選会 見どころ

1,ジャパン、バンド2の利点

ジャパンは世界ランク12に滑り込んだので、バンド2(7位から12位まで)となり、有利な組み合わせになる。同じバンド2のチームとは同じプールという組み合わせにならない。そうなれば、強豪は1チームだけとなり、悪くてもプール2位通過が濃厚である。

現在のランキングでは
1,南ア 2,NZ 3,イングランド 4、アイルランド 5,フランス 6,アルゼンチン 7,オーストラリア 8,フィジー 9,スコットランド 10,イタリア 11,ウェールズ 12、日本

ただし、7位のオーストラリアは開催国なのでバンド1として抽選に望むという記事があった。そうなれば、6位のアルゼンチンがバンド2になると思われる。したがって、ジャパンは、前回W杯で負けたアルゼンチン、PNCで2連敗のフィジー、宿敵のスコットランド、ウェールズ、イタリアとの対戦はない。

しかし、バンド1の6カ国(1,南ア 2,NZ 3,イングランド 4、アイルランド 5,フランス +オーストリア)の1つとは必ず当たることになる。

 

2,決勝トーナメント進出後どこが有利か

また、実は決勝トナーナメントの組み合わせも決まっているので、抽選でどの枠になるかで決勝トーナメントでの有利不利がある。

それによれば

1回戦

A1位 対 3位(CEFの3位のどれか)
B1位 対 3位(DEFの3位のどれか)

C2位 対 F2位
E1位 対 D2位

A2位 対 E2位
F1位 対 B2位

C1位対 3位(AEFの3位のどれか)
D1位対 3位(BEFの3位のどれか)

つまり、ジャパンが2位通過すると過程して、B組とD組以外なら、一回戦は同じバンド2の国との対戦となることが決まっている。逆にBとD組の場合は、F1位、E1位という強豪との一回戦となり、一回戦の突破はきつくなる。

このことから抽選で、ジャパンはA、C、E、Fの組になることが切望される。

逆に優勝をねらうチームであれば、EかFになることができ、そこで一位通過できれば、準決勝まで他のバンド1の国とは当たらないことになるので、非常に有利になる。

 

3,ジャパンが対戦するバンド1チームはどこ

そんなことを言っていてもプール戦では強豪のバンド1のチームの一つとの対戦が決まっている。どの国との同じプールになるのかも注目される。

以下にこの秋のテストマッチを通じての上位5カ国+オーストラリアの戦いぶりを検証してみたい。

1,南ア
世界ランク1位であり、この秋の対戦はこれまで4戦全勝で、今週末ウェールズ戦を残しているだけである。
初戦でウェンブリーでジャパンに圧勝。イタリア戦では11分にモスタートがレッドカードなり14人で大半を闘ったが、14−32と快勝。この秋一番のカードとみられたアイルランド戦も、アイルランドにイエローが5枚もでる大荒れのゲームとなったが、勝利を収めている。マルコムマークスや、クリエル、コルビなど日本でプレーしている親しみのあるメンバーが大半をしめ、準ジャパンといてもよいほどだ。そして、マルコムマークスは今季のワールドラグビーの最優選手にえらばれた。

ジャパンとの対戦結果
2015年9月19日 W杯ブライトン☓34 ‐ 32
2019年9月6日 熊谷 ◯7 ‐ 41
2019年10月20日W杯 ◯3 ‐ 26
2025年11月1日ウェンブリー◯61−7

日本の1勝3敗

2,オールブラックス
今季は夏のチャンピオンシップから、いつものような調子はでていない。
シカゴでのアイルランド戦、スコットランド戦は僅差で勝利したものの、トゥイッケナムでは、ジョージフォードのキックに屈して33−19と惨敗となっている。
最終のちからの落ちると思われる(ジャパンと同格の)ウェールズには26−52と大勝している。
最新ニュースで現在ブレイブルーパスのモウンガがこのリーグワン終了後にオールブラックスに復帰することが報じられた。

対戦
2011年9月16日 W杯ハミルトン◯7 ‐ 83
2013年11月2日 秩父宮 ◯6 ‐ 54
2018年11月3日  秩父宮 ◯31 ‐ 69
2022年10月29日 国立 ◯31 ‐ 38
2024年10月26日 横浜 ◯19 ‐ 64

日本は0勝8敗で勝ちはない

3,イングランド
この秋のイングランドは2016年から11年ぶりに負けなしの4連勝でおえた。
オーストラリアには25−7,フィジーに38−18、オールブラックスに33−19、そしてアルゼンチンには苦労したが27−23と僅差で退けた。
イトジェやフォード、Mスミス、Fスチワートなどベテランがそのまま残っているのが強い。

2018年11月18日 ◯15 ‐ 35
2022年11月12日 ◯13 ‐ 52
2023年9月18日 W杯ニース◯12 ‐ 34
2024年6月22日 国立◯17 ‐ 52
2024年11月24日 トゥイッケナム◯14 ‐ 59

日本は0勝13敗で勝ちはない

昨年は新生ジャパンの初戦が国立であり「超速」に期待をもたせたが、最終戦のトゥイッケナムではけが人続出で層の薄さが露呈した。

4,アイルランド
この秋の対戦は日本、オーストラリアには大勝したが、NZ、南アには負けて2勝2負で終えた。南ア戦はイエローが4枚にレッドが1枚という荒れたゲームになった。ジャパン戦はメンバーを落としてきた対戦だったが、前半ジャパンはゲームを作るも後半は一方的で大差のゲームとなった。

2019年9月28日 W杯静岡 ☓19 ‐ 12
2021年7月3日アビバ ◯31 ‐ 39
2021年11月6日 アビバ ◯5 ‐ 60
2025年11月8日アビバ ◯10−41

日本は1勝12敗

ワールドカップでは4位以内がないアイルランドだが、2027年W杯はどうなるなだろう。

5,フランス
今季夏はNZ遠征しなんと3連敗。実はこの遠征では若手中心となって、NZではリスペクトにかけるのではと不満の声があがっていた。
この秋は南アには34−21と完敗したが、フィジー、オーストラリアには快勝した。11番WTBのビレリーが新たなスターとして注目されている。
デュポンはまだ復帰していない。

日本戦成績

2017年11月26日パリ △23 ‐ 23
2022年7月2日 豊田 ◯23 ‐ 42
2022年7月9日 国立 ◯15 ‐ 20
2022年11月20日 トゥールーズ ◯17 ‐ 35
2024年11月9日 サンドニ ◯12 ‐ 52

日本は0勝13敗1分け
2017年のパリの引き分けはラシン92の本拠地最新の屋内競技業「Uアレナ」のこけら落としだった。

6,オーストラリア

オーストラリアはこの夏ブリティッシュアイリッシュライオンズを迎えて3連戦を行った。互角の戦いをして、3戦目には勝利をあげ、オーストラリア復活を印象付けた。その勢いで、チャンピオンシップの初戦の南ア戦は前半の劣勢を一挙にはねのけての歴史に残る逆転勝利をおさめ、アルゼンチンにも勝利をおさめた。しかし、けが人が多く、NZに2連敗している。この秋の遠征はメンバーをおとしたゲームとなった日本戦にはやっと勝利をあげたのちは、イングランド、イタリア、アイルランド、フランスと連敗し1勝4敗と振るわなかった。

日本戦の戦績
2017年11月4日 横浜 ◯30 ‐ 63
2021年10月23日大分 ◯23 ‐ 32
2025年10月25日国立◯15−19

日本は0勝7敗で勝ちはない

4,組み合わせその他の見どころ

その他の組み合わせのみどころとして、予選の最終決定戦でベルギーに引き分け、やっと切符を手に入れたサモアが一時的にランキングを下げ、バンド4に位置づけられていることである。
サモアはW杯では何度もジャパンと死闘を繰り広げるなど実力は拮抗している。このサモアがどのグループに入るのかも注目される。

ジャパンは今はバンド2に滑り込んで一安心というところだが、それもつかの間で、バンド1が南ア、バンド3がジョージア、バンド4がサモアなんて最悪な組み合わせにもなりかねない。

バンド4のジンバブエとの同組となれば、1991年宿澤ジャパンはW杯で歴史的勝利を上げたゲーム(52−8)以来36年ぶりの対戦となる

南ア対香港なんてあまり見たくはないが、ルーマニア対チリとか、ポルトガルーウルグアイなんて対戦が実現できればそれはそれで楽しみである。

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