1,重要なのはウェールズ2連戦
いきなり話を挫くようだが、より重要なのはこの後のウェールズ2連戦である。
この2連戦は12年前のウェールズとの2連戦と設定が酷似している。12年前の第一次エディジャパン。満員の花園で接戦を演じ、2週間後の秩父宮でついに勝利を飾った。そのことが、自信と信頼をチームとファンに植へ付け、2015年のブライトンでの奇跡をはこんでくることになったのだ。12年経って再びエディさんが監督になった。おなじように2027年のW杯に向けての勢い(信頼と自信)を勝ち取るためのゲームとなる。
しかし、今度のウェールズは事情と状態が全く違う
12年前のウェールズはライオンズのオーストラリアツアーに主力抜けていた(といってもその後の主力となる、ダンビガーやリーアムウィリアムスが若手としてはいってはいたが)。今回はライオンズにはキャプテンのモーガンとSHのトマスウィリアムスの2人しか呼ばれていない。つまり、ほとんどベントメンバーの体制なのだ。しかも、本気度がちがう。
言葉は汚いが「ガチである」
テストマッチ17連敗。ウェールズは崖っぷちに追い込まれている。背水の陣である。ここで負けてしまえば未来がない。
協会のゴタゴタもあり、選手も離れてしまい。人気もガタ落ちである。この最悪の記録をどこかで止めなければならない。ランキングも最低の12位(ジャパンが13位)しかもこの12月までに12位の位置を確保していなければ、27年W杯での優位なドローの枠からも外れることになってしまう。かつてレッドドラゴンとおそれられたいたチームであったラグビーが国技のウェールズである。歴史上かつてなかった大ピンチである。
気合の入り方がちがう。日本に来る1ヶ月もまえからキャンプに入り。日本の高温多湿の環境になれるなど過酷なトレーニングをしてる。1週間以上まえにはかつての慣れ親しんだキャンプ地でゲームのある北九州入を果たしている。
ジャパンにとっても12位以内にはいることは絶対に必要なことである。が、それ以上にウェールズにとっては重要である。
2,マオリ戦の意義とメンバー
今回の主題はその前のジャパンのマオリ戦であり、話を戻す
このゲームは100%来週以降のウェールズ戦のためにあると言って良いと思う。若手の育成?勝ち負け?そんなものはもう必要ない。
エディさんの頭の中はすでにウェールズ戦のメンバー編成や構想は95%近く固まっていると思われる。しかし、まだ数%の詰めが必要な状態である。その数%を埋めるために24時間その頭脳をフル回転させている状態であろう。したがってマオリ戦の采配はニールハットリーに任せた。
まずは今の時点でのエディさんが考えているウェールズ戦の先発を考えてみよう
1,木村 2,原田、3,竹内
4,コーネルセン(リーチ) 5,ディアンズ
6、ガンター 7,リーチ (下川)
8 マキシ(アマト、リーチ)
9.藤原 10 李(中楠、サムグリーン)
11,ツイタマ 12,中野、13、ライリー 14,石田(バイレア) 15,松永 (李)
16,(江原、佐藤)17,(神森、小林)18 為房 (木原)
19 エピネリ(ワイサケ) 20 下川 (アマト、青木、トゥポウ、山本)
21、(福田、北村)
22、(中楠、サムグリーン)23、(ヴァイレア 植田)
続いて本日のマオリ戦のメンバー
1,小林、2,江良、3,竹内
4,エビネリ、5、ワイサケ
6,トゥポウ、7、下川、8、青木
9.福田 10、サムグリーン
11,植田、12,ローレンズ、13,フィフィタ、14,メイン平
15、竹之下
佐藤、木村、木原、山本、北村、中楠、ヴァイレア
つまり、エディさんの頭の中で現在ほぼ固まっているが、マオリ戦ではカッコ内のプレーヤーが、エディさんの想定を遥かに超えるパフォーマンスを見せてくれるかが焦点になるのである。
そして、勝ち負けは関係ないとは言っても、次の2の意味では勝敗も重要である
サムグリーンがチームを勝ちにつなげるゲームコントロールができれば、ウェールズ戦のSOの先発につかい、李をFBにつかえるかもしれない。その時はキック処理に強い植田を入れておくことも必要になる。
また、エディさんはゲームキャプテンとして下川を育てたいという野望があるとおもわれるので、今回のゲームで下川がその役目(チームとしてのディフェンスの統制)の期待をはたせれれば、ウェールズ戦の先発に持ってこれる、そうすれなリーチをロックで使う構想もでてくる。
3,各ポジション別の期待
そのほか各ポジションでの期待を列挙したい
1列目、昨年のマオリ戦2連戦ではスクラムで勝ったと言っても過言ではない。
そのときは、木村、原田、為房だった。昨年は控えから出た竹内、佐藤は重要な勝負どころでトライを上げた。今回のマオリはスクラムはテコ入れしてきてるはずである。スクラム勝負がどうなるか
ロック陣、ディアンズがだれと組むのかを見極める試合である。昨年はエピネリと組むことが多かった。この秋にはホッキングスも資格を獲得する。
3列目は人材が豊富で競争は熾烈である。リーチ、コーネルセン、ガンター、マキシ、下川、奥井、山本、青木。そして怪我の媛野、ボルドーのタタフも居る。香港戦で気を吐いた長髪の山本はどうなのか。そして青木の8番起用がめずらしく、新たな可能性がみえるのかである。そして下川はキャプテンシーが問われている。
ハーフ陣、SHは斉藤はTOP14決勝戦のためウェールズ戦は間に合わない。ファーストチョイスは藤原である。控えの座を福田、北村が争う。総合力とディフェンスの福田と、リーグワン新人賞でフォローがよくトライの嗅覚をもつ北村、どちらがウェールズ戦の21番をつけるのかである。個人的には土永の成長に期待したいが、今年はまだ時期尚早といったところか
エディさんのSOのチョイスは李舜臣で迷いはない。しかし、ファンとしてはリーグワンでSOの出場機会がすくないのか気になるところ。その点、サムグリーンはSOとしてゲームコントロールに長けている。昨年は立川も怪我をしてしまい、SOの層の薄さが露呈した。中楠を含めてSOの層を熱くすることが課題だ。
リーグワン得点王、ベストキッカーの山沢弟がはずれた意味は何となく解かる。つまり、プレー選択のブレがある点であり、実力のある埼玉をファイナルに持っていけなかったことにあると言える。山沢兄も才能や技術があっても、チーム内コミュニケーション能力が期待値にはまだ達していないという評価と思われる。
センター陣、ライリーは固まっている。フィフィタも期待が高いが、ウェールズ戦は中野が先発と思われる。中野は23年は怪我でのがしたが、ジャパンには縦に強いセンターが必要である。復活に期待したい。ローレンスがは小柄ながらセンスがありNZU、香港戦で大活躍した。
WTB、FB陣も競争が熾烈である。昨年の根塚、ツイタマ、長田、矢崎が怪我で離脱中。ハイボール処理のうまい植田、イケメンのメイン平、パワーとフィジカルのヴァイレア、ステップの石田、若さの竹之下と個性が揃った。
相手によってどう使い分けるのかもエディさんの腕の見せ所となるが、ウェールズ戦にはハイボール処理が一番の課題となるので、マオリ戦でのパフォーマンスが見どころになる。ヴァイレアの合格を期待したい。
4,マオリオールブラックスの状況と勝敗の決めて
昨年のマオリ戦の結果は下記だった
6月26日秩父宮 10−37
得点差はあったが、最後に2つ目のトライを上げた。スクラムは五角以上、山沢、矢崎が何度もランでラインブレークをした。期待は繋がった。
7月6日トヨタスタジアム 26−14
山沢はキックをうまく使い、相手を動かしてスタミナを奪うゲームコントロールが機能した。ダブルタックルのディフェンスも機能した。
木村のブラットビンでかわりに出た竹内が気負いすぎてすぐシンビンとなるが、出てきた後に密集からジャンピングトライを見せて気を吐いた。
今年のマオリメンバーの主な変化点は次のとおり。箇条書きとする
1,キャノンに入って活躍したBハーモンキャプテンが抜け、HOのエクランドがキャプテンとなった。
2,センターで活躍のQトゥパエは、オールブラックスに呼ばれ抜けている
3,プロップのノリスもオールブラックスに呼ばれて抜けている。
4,ハーフ陣のノックス、レイハナのコンビは変わらないが、レイハナはクルセイダーズを優勝に導き、最優秀選手に選出されるなど乗りまくっている。
5,昨年WTBのBサリバンが13番に上がり、FBには弟のZサリバンが入った。
その他ではウォーカーレウェレ、マックネルのロック陣は変わらず、8のクレースもそのままである。
スクラムで勝負で、レイハナのキックとブレイクダウンが決めてになるだろう。
ジャパンの戦い方もスクラムが互角ならば、うまくキックを使ったものになるだろう。そして、課題の組織ディフェンスが破綻しないかが勝負になる。勝敗は関係ないと冒頭に記したが、どのように勝つか、どのように負けるかのほうがより重要である。
先週は激しい決勝戦があり、クルセイダースとチーフスが死闘を見せたばかり、来週はNZに戻りファンガレイでスコットランドを迎え撃つ事になっている。精神的にも結構きついスケジュールである。