初期のラブソングをまとめて3曲
(ラブソングの解説になると、なぜがデスマス調になってしまいます、ご了承ください)
悲しきベイブ It ain’t me, babe
「君の求める男は俺じゃない」って繰り返します。だみ声にごまかされますが、構成といい繰り返すコーラスといい完全にポップスのヒットの原則に則っています。NOーNOーNOのとこなどもとてもキャッチー。このディランの歌を聞くと言葉とは裏腹に強がって、未練たっぷりに聞こえます。
発表直後に、ザ ・タートルズがカバーでデビュー、全米8位を記録。タートルズのバージョンは、全編おだやかなのにコーラスになると急に怒り出したようになります。
映画にもあるように、ニューポートフォークフェスティバルでジョーン・バエズと歌ったバージョンが知られています。映画のようにこの歌を聞いて一旦は寄りを戻したスースが「こりゃあかんわ」と別れを決意したかどうかは定かでありません。
30周年コンサートでは、旧友のジョニー・キャッシュが、奥さんのジューンカーターとデュエットで歌います。2人ともカントリー界の大御所。日本で言えば「3年目の浮気」みたいな定番デュエット曲になってるようです。
同じようにIt ain’t meを繰り返す歌にCCRの「フォチュネイトサン」がありますが、こちらは完全にプロテストソング。逆に「YES ITS ME」と歌った、日本だけでヒットしたエルトンジョンの歌があります。
Go ‘way from my window
Leave at your own chosen speed
I’m not the one you want, babe
I’m not the one you need
You say you’re lookin’ for someone
Who’s never weak but always strong
To protect you an’ defend you
Whether you are right or wrong
Someone to open each and every door
視界からは消えてくれ
好きな形でいいからさ
望む男じゃないんだ
必要のない男なんだ
思っていたのは
心が広くて
全てを受け入れ
守ってくれるやつ
強いやつ
But it ain’t me, babe
No, no, no, it ain’t me, babe
It ain’t me you’re lookin’ for, babe.
それは俺じゃない
そいつは俺じゃない
探していたのは俺じゃない
Go lightly from the ledge, babe
Go lightly on the ground
I’m not the one you want, babe
I will only let you down
You say you’re lookin’ for someone
Who will promise never to part
Someone to close his eyes for you
Someone to close his heart
Someone who will die for you an’ more
早く出て言ってくれ
欲しい男じゃなかった
落ち込ませるだけだった
求めてたのは
絶対に別れないって約束する奴
お前のためなら目を閉じる奴
お前のためなら心を閉ざす奴
お前のために死ねる奴
But it ain’t me, babe
No, no, no, it ain’t me babe
It ain’t me you’re lookin’ for, babe.
でもそれは俺じゃない
そうだろ、俺じゃない
お前が探してるのは、俺じゃない
Go melt back in the night
Everything inside is made of stone
There’s nothing in here moving
An’ anyway I’m not alone
You say you’re looking for someone
Who’ll pick you up each time you fall
To gather flowers constantly
An’ to come each time you call
A lover for your life an’ nothing more
夜の闇に紛れて行ってくれ
すべて中身は石なんだ
動くものなんて何もない
寂しかなんかない
お前は求めてのは
落ち込んだときに励ます奴
花を摘んできてくれる奴
一生の恋人って奴
But it ain’t me, babe
No, no, no, it ain’t me, babe
It ain’t me you’re lookin’ for, babe.
北国の少女
風や寒さや北国はフォークソングの定番です。作曲のきっかけはイギリスの民謡であるスカボロー・フェア。サイモンとガーファンクルで後に世界で知られるようになります。サイモンとガーファンクルは原曲に忠実なのに、ディランは全く違った歌詞とメロディになっています。ロマンチックで情景が浮かびます。欧州に研修旅行に行ってしまった恋人スースのことを歌ったとされています。
次のLPでは旧友のジョニー・キャッシュといっしょに歌っています。ここではジョニー・キャッシュは力がこもりすぎて、ディランの歌もよそいきに感じます。
ジョー・コッカーとレオン・ラッセルと言った、世紀のだみ声コンビが、マッドドックスイングリッシュメンのアンコールで歌っています。伴奏はレオンのピアノ1本というシンプル。ガサツふうな男ほどこんな歌に惹かれるのでしょうか。
映画でもやはりデュエット、お相手はもちろんジョーン・バエズ(モニカバーバロ)です。
30周年コンサートでは、オールスター総出での「天国への扉」の大合唱のあと、ディランがひとり残って歌います。もっとしんみり歌えばいいのに興奮が冷めやらないディランです。
If you’re travelin’ in the north country fair
Where the winds hit heavy on the borderline
Remember me to one who lives there
For she once was a true love of mine
もしも地の果て、風の舞う国を旅するんなら
そこの人に言ってくれ
彼女は本当の恋人だったとな
If you go when the snowflakes storm
When the rivers freeze and summer ends
Please see if she has a coat so warm
To keep her from the howlin’ winds.
もしも夏が過ぎ川は凍てつき
雪のまうときに行くのなら
彼女がふきすさぶ風を避け
暖かくしているかを見てきてほしい
Please see if her hair hangs long
If it rolls and flows all down her breast
Please see for me if her hair’s hanging long
For that’s the way I remember her best.
彼女の長い髪が
胸のあたりでカールしてるか見てきてほしい
それが一番の思い出なんだ
I’m a-wonderin’ if she remembers me at all
Many times I’ve often prayed
In the darkness of my night
In the brightness of my day
彼女は僕を覚えているかと
僕は幾度も祈っていた
夜の闇でも日座しの下も
くよくよするなよ Don’t Think Twice, It’s All Right
63年ピーターポールアンドマリーは「パフ」全米2位、「風に吹かれて」全米2位の後をついでシングルリリース、これまた9位の大ヒットを記録しました。
武道館ではなんとレゲエ調。どうしてこういうアレンジにしたかは検討もつかない。
30周年では、エリック・クラプトンがロック調でメロディアスなギターソロを添えて歌いました。
映画では1番と2番がディラン訳のティモシー・シャラメ。3番と4番をジョーン・バエズ役のモニカバルボロが歌います。
ドイツを中心に活躍する女性ジャズ・シンガー、リサバッセンジャーが、自身のピアノをバックに情感たっぷりに歌うの魅力的です。
Well, it ain’t no use to sit and wonder why, babe
If’n you don’t know by NOW
And it ain’t no use to sit and wonder why, babe
It’ll never do SOMEHOW
しゃがみこんで、
考えこんても無駄
すぐにわからないなら
どうにもならないんだ
When your rooster crows at the break of DAWN
Look out your window and I’ll be GONE
You’re the reason I’m a-traveling ON
But don’t think twice, it’s all right
雄鶏が鳴き夜が空ける
窓の外、もう出かけてる
訳はみんな君にある
くよくよするなよ、それでいい
And it ain’t no use in a-turning on your light, babe
The light I never KNOWED
And it ain’t no use in turning on your light, babe
I’m on the dark side of the ROAD
明かりをつけても無駄さ
すっごく明るくってもさ
明かりをつけてももう無駄さ
すでに闇の先なのさ
But I wish there was something you would do or SAY
To try and make me change my mind and STAY
But we never did too much talking ANYWAY
But don’t think twice, it’s all right
言ってくれたりしたのならば
気が変わってもとのままならば
会話がもっとあるならば
くよくよするなよ そんなもん
So it ain’t no use in calling out my name, gal
Like you never done BEFORE
And it ain’t no use in calling out my name, gal
I can’t hear you ANYMORE
名前を読んでも無駄なこと
大声だっても
名前を読んでも無駄なこと
耳には入ってきやしない もう
I’m a-thinking and a-wondering, walking down the ROAD
I once loved a woman, a child, I’m TOLD
I give her my heart but she wanted my SOUL
But don’t think twice, it’s all right
迷ったけど出てくと決めたんだ
子供じみたみたいだ
愛した娘に心を捧げたんだ
くよくよするなよ そんなもんさ
So long, honey babe
Where I’m bound, I can’t TELL
Goodbye’s too good a word, babe
So I’ll just say, “Fare thee WELL”
「おさらば」さ、
どこへ行くかは聞かないで
「またね」なんてもんじゃない
いえるのはこれだけ「お達者で」
I ain’t a-saying you treated me UNKIND
You could’ve done better, but I don’t MIND
You just kinda wasted my precious time
But don’t think twice, it’s all right
冷たい仕打ちは蒸し返さない
もう少しマシでも、気にしない
ちょっと時間の無駄だけなんだい
くよくよするなよ そんなもん