1,日程、場所
9月10日(日) B 南アフリカ スコットランド マルセイユ
2,事前予測
万全の南アフリカ、隙といえばリボックのキックの精度だけであろう。スコットランドはキックで小刻みに点をとるスタイルだけでなく、バックスがはしりまわる。しかし南アフリカがパワーで押し込むと思われる。
南アフリカがFWで3トライ、コリシがトライで4トライをとりボーナスポイントを獲得すると予想する。
3.プレビュー(メンバー発表後)
南アフリカは大勝したトゥイケナムから先発が4人変わった、ナンバー8のフェルミーレンが21番出ベンチスタート、8番はJウィレがつける。バックスでは12番にはディアレンデが入り、クリエルとのコンビになった。15番はヴェムセがつけて、先週急遽控えから変わったルルーは今回は控えに入った。
まさに完璧の布陣である。
キッソフ、Mマークス、FWマルハーバ、Eエツベス、Fモスタート、Sコリシ、PSデュトイ、Jヴィーサ
デクラーク、リボック、コルビ、ディアレンデ、クリエル、アレンデセ、ヴェムセ
ムモナンビ、ニチェ、ニャカネ、PSスナイマン、Mファンスターデン、フェミュルーレン、Gウィリアムス、Wルルー
不動の前6人。日本馴染みの選手が先発に8人、控えに3人いる。最近出番のにクワッガスミスはコリシの復帰以後、今回もメンバー表にのってこない。
スコットランド
スチューマン、ターナー、ファーガソン、Rグレイ、Gギルクリスト、Jリッチー、Rダッチ、Jデンプシー
Bホワイト、Fラッセル、ファンデルメルバ、Hジョーンズ、ツイイプロトゥ、Dグラハム、Bキングホーン
Dチェリー、バハティ、WPネル、Sカミングス、Mファーガソン、Aプライス、Cレッドパス、Oスミス
4,結果
南アフリカ
前半 T G PG DG 得点 後半 T G PG DG 得点
0 0 2 0 6 2 1 0 0 12
得点 BP 勝点 累計勝点
18 0 4 4
マルセイユ
前半 T G PG DG 得点 後半 T G PG DG 得点
0 0 1 0 3 0 0 0 0 0
得点 BP 勝点 累計勝点
3 0 0 0
5,レビュー
南アはミントグリーンのクールで爽やかなジャージ姿で登場。
このジャージの選択はやめてほしいものだ。南アのイメージに全くそぐわない。
しかし、やはりゲームが始まればいつもの南アフリカだ。重厚で濃密でホットで泥臭い。いつもの南アフリカのラグビーだ。
スコットランドも終始押されながらも熱く真正面から受け止める。そのためトライはなかなか生まれない。こんなに暑いのは決して異常気象の地中海の天候だけだはない。ルコムマークスも大量出血したがそれでもプレーを続ける。両チームの熱気が画面を通しても伝わってくる。そしてマルセイユ名物のブイヤベースのスープよりも濃厚だ。
20分で水入がかいったが、それもクールダウンさせるには十分ではなかった。
直後の22分にはついにつかみ合いが3箇所同時に発生。エツベツの笑いながら胸ぐらを掴むいつものパフォーマスも出た。こういううときに先頭に立って仲間を守るのが体の大きいロックの役割だと自認している。このあとのレフリーのアンガスガードナーの全体を落ち着かせるためのトークの采配が素晴らしかった。両者を分けてキャプテンを呼ぶが、しばらくは困った顔をして何も話さない。そしてやっと口を開いて、「20分間はいいゲームをしていて、せっかくのワールドカップなんだわかってるな」と短いトークだけ、で両者お咎めはなし。コリシとジェイミーリッチーの両キャプテンを信じているということを身をもってしめした。
そのエツベスもなんと負傷退場でスナイマンに早々交代となった。
耐えに耐えていたスコットランドが終了間際にスクラムでついに南アを圧倒し、PGを決めて6−3で戦半終了。
後半はスコットランドに疲労がめだってきた。それでも必死にディフェンスする。
しかしながら、リボックのキックパス(それもノールックのキック)がドンピシャでアレンデの胸に収まったときには鳥肌がたった。
リボックはこのようなキックはものすごいのだが、プレースキックの精度に難がある。途中からデクラークにキッカーは交代。だんだん引き離す南アに対しスコットランドは沈黙。
結局スコットランドは前半最後のPGの1本だけで終わってしまった。
スコットランドは素晴らしいバックス陣を活かすことが出来なかった。
南アフリカのディフェンスは個人の判断で飛びだすのが特徴だ。日本のラグビーでは全員揃って上がれと指導しているが、全く違う。それでも穴がないのは、ひとりが個人判断で飛び出したときに、全員がその意図を一瞬で理解し、つぎのリスクへの対処の行動へと的確に移るからである。
く