C組
ウェールズ オーストラリア、フィジー、ジョージア、ポルトガル
ここは2019年のD組とほとんど同じ顔わせである。ウルグアイがポルトガルに代わっただけである。しかし、同じ顔ぶれだが4年前とその様相は全く異なる。4カ国の9月3日時点のランキングではフィジーが7位、オーストラリアが9位、ウェールズ10位。ジョージア11位である。これをどう表現すればいいのだろう、競っているというか、どんぐりの背比べといえばいいのか、どこにでもチャンスがあるといえばいいのか分からない。ともかく団子状態である。
9月9日 オーストラリア ジョージア(サンドニ)
9月10日 ウェールズ フィジー(ボルドー)
9月16日 ウェールズ ポルトガル(ニース)
9月17日 オーストラリア フィジー(サンテティエンヌ)
9月23日 ウェールズ オーストラリア(リヨン)
9月30日 フィジー ジョージア(ボルドー)
10月1日 オーストラリア ポルトガル(サンテティエンヌ)
10月7日 ウェールズ ジョージア(ナント)
10月8日 フィジー ポルトガル(トゥールーズ)
1,フィジーこそ眠気も吹っ飛ばす台風の目
その中でも元からスピードと強力な身体能力に長けた上に、フィジアンドルアの成果による戦術的チーム力が兼ね備わったフィジーが俄然、台風の目になっている。
フィジー台風は8月にイングランドに上陸し、そのベールが剥はがされたが、その破壊力は本物であった。そのフィジー台風は9月10日には早くも大西洋岸のボルドーに再上陸し、無防備で傷だらけのウェールズを無慈悲にも襲うことになる。この日は「日本対チリ戦」があるが、そのあと朝4時からこのゲームとなる。観戦するほうもまさに体力勝負である。でも、フィジーの瞬間最大風速60m級のスピードと風圧に眠気も吹っ飛ぶこと間違いなしである。
そのあとフィジー台風は東北東に進路をむけ、1週間後の17日には内陸のサンテティエンヌでオーストラリアとぶつかる。これまた見逃せない。オーストラリアのエディさんは迫りくるフィジー台風に対してなんらかの防災対策を考えているはずである。片時とも目が離せない。しかしこの日も日本のファンにとってはその後朝4時から注目の「日本ーイングランド戦」が控えている。われわれは荒れ狂う暴風雨と次々にくる線状降水帯のなか、どうやって集中力をたもてばよいのだろうか?
こうして8月に一度イングランドに上陸したフィジー台風は、9月の上旬だけでフランス本土の様々なところに、多くの傷跡を残していくだろう。その後に残った両チームの選手関係者、そのサポーターに残した瓦礫の山はどんな状態なのか想像もできない。
2,どちらが先に災害から復興できるか
オーストラリアはフィジー台風を迎える前に、まずジョージアの壁を突破しなけれなならない。そして、フィジー台風をしのいだあと、少し間がいて9月30日に運命のウェールズ戦となる。対するガットランドのウェールズは現在内部修復に時間をとられ、台風対策まで手が回らない。初戦でいきなりフィジーの台風を受けて、そのあと中5日でポルトガル戦があり、その後1週間後にオーストラリア戦を迎える。どちらが先に復興できるかは、フィジーがどれだけの爪痕を残すのかにもよる。選手の怪我やレッドの制裁というハード面もあるが、パワーやスピードに圧倒されてしまえば、精神的な傷を残すことになってしまう。防災対策を打つ用意があるオーストラリアは、台風の被害を最小限に抑えられる可能性がある。
ウェールズはそのあと10月7日にジョージア戦を残しているが、その時もはや戦える戦力を維持できていないのではないだろうか
3,虎視眈々と上位をねらうジョージア
そんな派手な話題で騒然となるだろうC組の中にあって、地味なジョージアが着実に勝ち点を拾っていく可能性もある。
フィジーの弱点はアイランダーにありがちな気持ちにムラがあることである。調子に乗っていけば爆発力があるが、そうでないと気の抜けたプレーになってしまいがちである。9月30日のボルドーでは台風が既に熱帯低気圧に変わっていて、ジョージアに足元をすくわれる可能性がある。ジョージアはフィジー戦に勝利し、最後の満身創痍のウェールズを退ければ8強入も夢じゃない
4,興味深いマルセイユ準々決勝の組み合わせ
このグループ1位と2位はD組の2位と1位と対戦する。
D組はアルゼンチン、イングランドが有力だが日本にもチャンスが有る。
われわれサポーターにとっては、プール戦では楽しみにしていたあのエディさんのイングランド戦はなくなったが、ここでエディさんのオーストラリアと当たる可能性がある。
また、エディさんを解任したイングランドもエディさんのオーストラリアと対戦する可能性がある。もしくは、一度台風の被害にあったイングランドが再度フィジーの台風の直撃を受ける可能性もある。
どんな組み合わせになろうが準々決勝マルセイユは興味深い。そして、フィジー台風の勢力が衰えなければ、そのまま決勝戦のサンドニを予想進路園内に入れなけばならない。