1、静かなる男
映画静かなる男はジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の62年公開のアメリカ映画です。陽気に見えるが心に傷を負ったボクサーが故郷のアイルランドにもどっきての騒動の話です。
村上春樹は「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」でこの映画を取り上げています。
その部分を引用させてもらうと
”僕はすごくいやなことがあると、いつもビデオで「静かなる男」を見るようにしています。(中略) 見ているうちにささくれだった心がだんだん収まってくのがわかる。(以後略)”
今でもロケ地のコナート州Congの街は観光名所になっていて、撮影に使われたパブなどがそのまま残っているらしい。一度訪ねて見たいものです。
最後は体を体をぶつけ合ってこそお互い分かり合えるというラグビー的映画です。
私は以前オキシトシンの記事でも取り上げさせてもらいました。
2、マイケル・コリンズ
1906年のイースター蜂起から始まるアイルランドの独立紛争の映画です。
有名なダブリン中央郵便局の攻防や、ヴェラの脱走の際の緊迫感、ゲーリックフットボールのスタジアムのクロークパークの悲劇などの描写があります。
マイケルコリンズがリーアム・ニールソン、最後は袂を別つことになるシン・フェイン党党首ヴェラをハリーポッターのスネイプ先生役のアラン・リックマンが演じています。
3、ONCEダブリンの街角で
ダブリンでの音楽を通しての出会いの奇跡を扱った映画ですが、この映画と音楽が、本当の奇跡を起こしました。制作費はわずか13万ポンド(約2千万円)。全米で2館だけの上映から世界的に大ヒットし、劇中歌「フォーリン」は全米チャート2位まで上昇。アカデミー楽曲賞を受賞。シンプルだけど心にしみます。その後舞台化もされました。
4、麦の穂をゆらす風
これはイースター蜂起以降のアイルランド独立戦争頃の悲しみに溢れた映画です。完全独立かイングランドの下に留まるかで兄弟が対立、別な道を歩むことになります。
監督は社会派のケンローチ。アイルランドの自然が美しい。登場人物たちの心もまた美しい。
5、アラン
アイルランドの西の島々、アランの人々を描いたドキュメンタリーです。カメラは過酷な自然の中で生き抜く厳しさをとらえます。
アラン島といえばアランセーターです。このような過酷な自然の中でできた防寒の知恵なのだと思います。
番外として、アメリカでのアイルランド系移民のお話も
6、番外その1 ミリオンダラーベイビー
主人公アイルランド系の女性ボクサーをヒラリースワンク、老練なコーチを監督のクリントイーストウッドが演じています。コーチはクリスチャンでいつも自分のルーツのゲール語を勉強しています、彼女はリングネームをゲール語で「Mo Cuishle」とし活躍します。この意味も最後の方で明かされます。しかし、タイトル戦で相手から反則パンチを受け、それが致命傷となってしまいます。
最後は家族からも裏切られてしまいます。尊厳死がテーマの考えさせられる映画です。
トムクルーズの「遥かなる大地」もそうだったけどアイルランド人にボクシングはつきものだなと思います。
7、番外その2 風と共に去りぬ
もちろん誰もが2度3度は観たことあるはずです。アイルランド系の移民で米国南部の農場経営で成功した一家が、南北戦争に巻き込まれます。テーマ曲は「タラのテーマ」。タラとは一家が開拓した農場の名ですが、アイルランド本国のダブリンの近く、伝説上の王が住んだとされる「タラの丘」に繋がっています。
たくましく自立したスカーレットのセリフは、「そうだタラに帰ろう」。