サッカー通のためのラグビー知ったかぶり講座;ラグビーでもPK戦はあるのか
サッカーのPK戦
サッカーはなかなか点数が入らないので、同点のまま延長戦、延長戦でも決着がつかずに最後はPK戦にもつれ込む、なんて事がよくあります。見ている方はハラハラドキドキ、サポーターもかたずを呑んで祈りながら見守る、あるいは、両手も前に出して揺らしながら、「念力で応援」する光景もあります。見ている方も大変ですが、やっている選手、特にキーパーのプレッシャーはいかほどかと思われます。
このPK戦、サッカーで初めて行われたのは1970年とまだ50年たっていません。国際試合でも1976年のユーロカップがその最初だということです。
それまではどうしていたかというとリーグ戦では引き分け、決勝戦では両チーム優勝や、アウェイチームに勝ちを与える方式など色々ありました。
日本ラグビーの抽選制と両チーム優勝
ラグビーでは長らく、延長戦などはしなく、引き分けということになっています。次のゲームに進めるかは抽選でした。花園では今でも同点で終わると延長はなく、別室で高校生のキャプテンが抽選で封筒を開け、「出場権あり/なし」の紙で、明暗が分かれるなんて涙涙の光景となります。
ラグビーは海外ではホーム&アウェーの対抗戦方式やリーグ戦方式が主で、チャンピオンシップを争うトーナメント方式の大会はありませんでした。終わった後は引き分けでどちらもノーサイドでハッピーいいではないかという考えです。花園や大学選手権などが世界的にも例外的にトーナメントで行われていただけでした。
トライ数の多い方に「次の試合の出場権ありにする」などの方式もありましたが、決勝戦だけは「両チーム優勝」となるのでま救われたかなと思います。
プロ化での変化とラグビーPK戦の実際
その後、90年代ごろから、ラグビーもワールドカップが行われたり、プロ化が進みます。興業的にもどうしても1番を決めなければならないので、トーナメントに限って、延長戦やPK戦がレギュレーションにされ、さらにPK戦も大会毎にやり方を変え行うようになっています。
私の記憶では1度だけ延長戦でも決着がつかずPK戦になった事があります。2009年ハイネッケンカップ(欧州クラブのチャンピオンを決める大会)の準決勝レスター対カーディフのゲームでした
ラグビーのPK戦はキーパーはいなく、この時は22mラインの中心からHバーの上の空間めがけてプレースキックされました。
普段キックの練習をしているバックスの選手は良いのですが、決着がつず、キックに不慣れなFWの選手の順になってきてしまいます。このゲームでも9人目の7番FWの選手が外した事で決着がつきます。
2019年ワールドカップのレギュレーション
最後に2019年のワールドカップの決勝トーナメントのレギュレーションのおさらいをしておきましょう。
1、前後半80分のゲームで同点なら、休憩後 前後半20分ハーフ(ハーフタイム5分)の延長戦
2、それでも決まらなければ、10分間のサドンデス方式での再延長戦(いわゆるゴールデンゴール方式)どちらかが点を入れればその時点で終了
3、それでも決着がつかなければ、キックコンペティション(いわゆるPK戦)
この方式はちょっと複雑です。まず両チーム5名が選ばれ、22mラインからキックをするのですが、真ん中からだけはなく、まず真ん中、続き左15mラインとの交点、次は右15mラインとの交点と場所を変えてキックします。
4、それでも決着がつかない場合は サドンデス方式で3のキック合戦を点差が着くまで続けるというもの
キックコンベンションに参加できるのは、再延長戦の終了の笛が鳴ったときにピッチに立っている15名の中から選ばれなければなりません。
日本で史上初のPK戦が見られるかもです
日本代表も決勝トーナメント出場を目指すなら、FWの選手も今のうちにP Gの練習が必要かもです。なんせジャパンは過去のワールドカップで2度引き分けてるたった2チームの内の一つなのですから