6ネイション最終節 ハドリアヌスの長城は突破される

スコットランドーイタリア 26−18(HT12-6)

満員のエジンバラ、マレーフィールド。ホームはスコットランドのハズだが、グランドにいるのは違ったチームを見ているようだ。薄赤緑のさえないセカンドジャージでは全くスコットランドのチームらしくない。フィンラッセル、ホグもいないとなると、切れ味の鋭いオフロードや懐を切り裂くキックがまったくない。危険な香りが漂わない。

これではイタリアのディフェンスは守りやすい。

遠い昔の2世紀のことであるが、ローマ帝国5賢帝の一人ハドリアヌスは、危険きまわるハイランダーの侵入を防ぐために、守りを固めて、現在のイングランドとスコットランドの間に「ハドリアヌスの長城」を築いた。

12019 / Pixabay

この日のイタリアのディフェンスは粘り強く、ぎりぎりでスコットランドの侵入を何度もはねのけた。まさに「ハドリアヌスの長城」のごときであった。そして、この日のハドリアヌスの軍勢は、試合終了直前には19−14とせまり、その後も長城を自ら超えてスコットランドの奥地まで攻め入ってきた。その時間は5分以上続く、80分に迫ってもとどまらない、マレーフィールドのだれもが逆転負けを覚悟し、声を忘れた。

しかしながら、この日のスコットランドのスタンドオフは、キングホーンという「進撃の巨人(193cm105Kg なんと大野選手よりも一回り大きい)」だった。巨人は「ハドリアヌスの壁」もラクラク突破し、この日もすでに2トライをスコアし、最後の絶体絶命もピンチから逆襲しトライをもぎ取った。これでこの日3本目、ハットトリック達成。まさにキング。最終スコアは26−14、BPも獲得した。

その瞬間に、マレーフィールドの大観衆は胸をなでおろし、思い出したように、今では第2国歌となった「ロッホローモンド」を大合唱した。

Oh ye'll tak' the high road, and I'll tak' the low road

わたしも安心して、この日のために瓶の底に少しだけとっておいたシングルモルトの「ロッホローモンド(ローモンド湖の南にある蒸留所で醸造)」をすべて飲み干したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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